新たなつながるサービス、フューチャーリンクを実現
イクリプス「AVN-SZX04i」
オープン価格(市場想定価格20万円前後)
前モデルの「Zシリーズ」ではWi-Fiを内蔵し、スマートフォンのテザリング利用でクラウドを使った対話型音声検索を実現したイクリプスのAVナビ。最新モデルの「SZシリーズ」は、外部とつながる機能がさらに進化。Wi-Fiはそのまま内蔵しながら、さらに通信モジュールまで標準装備してきた。
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■通信モジュールで「常につながる」を実現
「スマホのWi-Fiテザリングで通信できるのに、なぜ?」と思う人もいるだろう。僕も最初はそう思った。が、イクリプスが狙ったのは、単に「つながる」ではなく「常につながる」こと。新たにフューチャーリンクというサービスを構築し、そのために、常に通信できる通信モジュールを付属したわけだ。
フューチャーリンクで実現するのは、現時点では自動地図更新、センター連係情報検索、目的地周辺駐車場検索の3つ。とくに地図の自動更新は、これまでの市販ナビではなかったこと。通信ユニットを通じてカーナビがセンターとつながることで、カーナビの地図にはない新しい道路があったら、その差分情報を自動的に更新してカーナビに反映してくれる。センター側の地図情報は1カ月に一度更新。高速だけとか、高速や主要道だけというわけではなく細街路まで幅広く更新できる。しかも自動だから更新の手間いらず。クルマに乗るだけで、常に新しい地図でドライブできるのだ。さすがに短時間の試乗で、この機能を味わうことはできなかったが、うれしい機能であることは間違いない。目的地検索も、センターのサーバーにある情報を使って行う。センターでは新しくできた施設の情報を随時更新しているから、最近できた施設なども検索できる可能性が高い。また、通信環境が悪くてセンターとつながらない場所では、カーナビ内に収録されている情報を使って検索する。この、通信で検索する/ナビ内のローカルデータを使って検索する、という2つの検索手段を持つことが、ハイブリッドナビを名乗るゆえんでもある。
ただし、つながる場所では、住所検索等でも通信を利用するため、「通信中です。しばらくお待ちください」のコーションが出て待たされることがある。ほんのわずかな時間ではあるが、心理的に長く感じる部分があるのも事実なので、ローカルで検索できるボタンを設けるなど選択できるようになればよいと思う。ちなみに、通信モジュールはNTTドコモの3G回線を使用。ナビ購入から2017年10月末までの最大約3年間は通信費無料だ。それまで自動地図更新や通信利用の目的地検索等のつながる機能がフリーで利用できる。
このような「常につながる」能力があれば、例えばカロッツェリアのスマートループなどのように、クルマからアップロードしたプローブ情報を蓄積し、ユーザーに還元するようなサービスがあってもよさそうだが、今のところ、それはない。ただし、将来的には考えている様子。それだけではなく、車両情報やドライバーの状態、映像や音楽など、さまざまな情報やコンテンツの相互通信も視野に入れているようだ。そんな将来への期待を含めてフューチャーリンクというわけだ。