第106回:フォード・マスタング 50 YEARS EDITION(前編)

2015.06.26 水野和敏的視点 水野 和敏

“あの時代”に戻ったかのよう

今回は「フォード・マスタング」を取り上げます。テスト車は、カタログモデルに先立って輸入された特別仕様車の「50 YEARS EDITION」。車両本体価格は465万円です。

その名からわかるように、マスタングがフルモデルチェンジを果たした昨2014年は、初代がデビューしてから50年目に当たる年でした。“スペシャルティー”こと、こじゃれたクーペの始祖が世に出て、半世紀がたったわけです。

最新のマスタングは初代、というより、個人的には1970年代初頭のマッスルカー「マッハ1」を思い出しますが、当時の雰囲気を上手に再現しています。外観だけでなく、インテリア、メーターまわりも、本当にあの時代に戻ったかのようなレトロモダン。

いいですね! これくらいネオクラシックなマスタングって、いうまでもありませんが、ヨーロッパや日本のメーカーでは作れない。なんともいえない“アメリカン”なテイストが溢(あふ)れています。

ちょっとハナシが先走りました。一見レトロな外観とは裏腹に、中身はガラッと変わっています。いかにも21世紀のマスタングになっています。先ほど“先行販売”という言葉を使った理由は、実は2015年後半からは、右ハンドルのマスタングが正式に導入されるからです。

右ハンドルのマスタングが日本に導入されるのは、シリーズ始まって以来のこと。時の流れを感じると同時に、同車を世界戦略車に位置づけたフォードの本気度がわかるというものです。

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