ホンダ・シビック タイプR(後編)

2016.04.21 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTやD1グランプリなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー・谷口信輝が、歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くす! 今回も引き続き、「ホンダ・シビック タイプR」に試乗する。ニュルブルクリンクで“FF量産車世界最速”を記録したスーパーハッチのハンドリングは、箱根のターンパイクでどう映ったのだろうか。

ひとつひとつの性能は極めて高いのだが……

シビック タイプRの前編では、主にエンジンパフォーマンスについて谷口信輝に語ってもらったが、そのハンドリングはどうだったのか?

「以前、あるサイクルスポーツセンターのサーキットコースでタイプRに試乗したことがあるんですが、そこはタイトコーナーの連続で、タイプRの魅力は正直、感じにくかったですね。でも、箱根のターンパイクのようにコーナーの曲率が大きなワインディングロードでは、逆にタイプRのよさが前面に出てくる。ニュルブルクリンクもそうですが、基本的には速度レンジの高いコースのほうがタイプRにはあっているようですね」

では、具体的にはどんな印象だったのか?

「ノーズの入り方がすごくいい。もう、グイグイとフロントが入ってくる。特に、ステアリングを切り始めたときの、最初の反応が鋭いですね。しかも、それなのにリアのグリップもしっかりしている。普通、あれだけフロントのレスポンスがいいと、リアが破綻しちゃってもおかしくないんですが、全然そんなことはなくて、ちゃんとグリップし続ける。昔のタイプRは、リアのグリップはよかったけれど、フロントがそれに追いついていなくて、おかげでアンダーステアが強めであんまり曲がらなかった。それがこのタイプRは回頭性もいいしリアのスタビリティーも高い。あと、ブレーキもよく利きますね。もう、テレビCMで有名な高級スポーツジムに通っていましたみたいな、ムキムキぶり(笑)。相当マッチョなクルマですよ」

「ボディー剛性も全然低くないし、安っぽいクルマじゃないですよね」と谷口は全般的に高い評価を与えたが、少し気になる部分もあったようだ。「クルマのいろいろな性能をレーダーチャートで表現したとき、タイプRはエンジンパワーのところが突出して高くて、きれいな多角形になっていないような感じがするんですよ。うまくいえないけど、なんかトゲトゲしているみたいな……」

それは一台のクルマとしてうまくバランスがとれていない、という意味なのだろうか?
「いや、そうじゃないんですよ」と谷口。「エンジンはハイパワーだし、足も高速コーナーにマッチしたスペシャルだし、タイヤもかなりの高性能。そういう、ひとつひとつの性能は全部いいんです。例えば、ビデオゲームの『グランツーリスモ』で、全部最高のパーツを組み合わせて作ったクルマみたいに……」

 
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ホンダ・シビック タイプR
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4390×1880×1460mm/ホイールベース:2600mm/車重:1380kg/駆動方式:FF/エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ/トランスミッション:6MT/最高出力:310ps(228kW)/6500rpm/最大トルク:40.8kgm(400Nm)/2500-4500rpm/タイヤ:(前)235/35ZR19 (後)235/35ZR19/車両本体価格:428万円
ホンダ・シビック タイプR
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4390×1880×1460mm/ホイールベース:2600mm/車重:1380kg/駆動方式:FF/エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ/トランスミッション:6MT/最高出力:310ps(228kW)/6500rpm/最大トルク:40.8kgm(400Nm)/2500-4500rpm/タイヤ:(前)235/35ZR19 (後)235/35ZR19/車両本体価格:428万円 拡大
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