レアアースの供給不安から中古車価格が高騰傾向に そんな市況での狙い目モデルは?
2026.02.19 デイリーコラム安値がついている高年式車種を探す
BEVやハイブリッド車のモーターなどを製造するにあたって、絶対に欠かすことができないのがレアアース。とはいえ今後の国際情勢いかんではその供給が不足し、数年前のように新車の納期が大幅に延びる可能性もある。もしもそうなれば、現状においても「けっこう高いな……」と感じてしまうことが多い高年式中古車の価格は、より高額化してしまうこともあり得るだろう。
というか、高年式中古車の価格は今も──2024年ごろのピーク時と比べれば若干落ち着きをみせてはいるものの──相変わらずの高値傾向が続いている。
例えば2025年12月に新型が登場した「トヨタRAV4」。従来型のハイブリッド車「アドベンチャー」の中古車価格は、410万6000円だった登場時の新車価格からほとんど下がっていないというのが現状だ。人気の高い中古車は昨今、いわゆる型遅れとなってからも安くはならないのである。とにかく物価高なのだ。
とはいえそれはあくまでも全般的な傾向であって、市場を詳細に見渡せば、例外、すなわち「意外とお安い高年式中古車」も、けっこうな数が存在していることに気づく。
ではどんな高年式中古車が安いかといえば、それはもちろん「人気薄な車種」である。ただ、人気薄なだけの車種に注目したところで面白くもなんともない。そしてクルマを愛するカーガイとしては、「ただ安い」というだけでは食指が動かず、満足もできないはずだ。
そこで本稿では、「非常にいいクルマなのに、市場のマジョリティー層からはいまひとつ理解されていないがゆえに、レアアース問題が再び取りざたされるこのご時世でもけっこうな安値がついている高年式車種」をピックアップしてみることにしよう。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
ホンダ車には中古車の優良物件が多い
ホンダ・フィット(現行型)
「いいクルマなのに、市場のマジョリティー層からはいまひとつ理解されていないがゆえに、このご時世でも割安感を覚える高年式車」といえばコレだろう。2020年2月に登場した通算4代目の「ホンダ・フィット」である。
特に「e:HEV」モデルは「乗ればとってもいいクルマ」であり、フィットならではの利便性や積載性の高さも十分に堪能できる。だが市場のマジョリティーからは、ホンダが「心地よいデザイン」と考えたフロントマスクが不評なようで、新車販売台数は若干低迷。そしてその結果として、中古車の平均価格もグッとお安くなっている。
具体的には、新車で買うとなれば総額260万円ぐらいにはなる「e:HEVホーム」(FF車)の走行数千kmレベルの2024年式が、総額170万円前後で狙える状況。2022年10月のマイナーチェンジを経た後期型がこの価格というのは、フロントマスクが嫌いでさえなければ、お買い得と判断するほかない。
拡大 |
拡大 |
ホンダZR-V(現行型)
ホンダ車が続いてしまい恐縮だが、CセグメントとDセグメントの中間あたりに位置するクロスオーバーSUV「ZR-V」の最上級グレードである「e:HEV Z」のFF車も、走行数千kmレベルの2024年式を、新車総額より100万円近くお安いレベルで入手可能だ。
「神経直結の走り」を開発コンセプトとしたこのクロスオーバーSUVは、まさにコンセプトどおりの走りをみせてくれる一台であり、特にe:HEVモデルは「神経直結度」が高い。
しかしながら、ギョーザのような(?)おちょぼ口っぽいフロントグリルのデザインがマジョリティーにはイマイチだったのか、新車の人気は「低迷」とまではいえないものの、「ぼちぼち」レベルにとどまっている。
ただ、その恩恵を受けてというかなんというか、中古車のほうは走行0.5万km程度のe:HEV Zを総額340万円程度で検討可能。ちなみにコレを新車で買おうとすると、440万円ぐらいの支払総額を見込まなくてはならない。
拡大 |
拡大 |
人気のモデルもお得に検討可能?
マツダCX-60(現行型)
賛否両論となる場合が多いモデルではあるが、もしもあなたがこのSUVに対して「賛!」というニュアンスの感情を抱いているのであれば、コレもなかなかお買い得な選択肢となるだろう。マツダのラージ商品群第1弾として2022年9月に登場した「CX-60」である。
特にその初期モデルは「足が硬すぎる」との評価を市場から下され、筆者も試乗会ではそのとおりであると感じた。だが山坂道を走る際のCX-60の挙動とフィーリングが絶品であることは間違いなく、あの硬さがまったく気にならないというタイプのドライバーもいるはずだ。
もしもあなたが「足が多少硬かろうが、とにかく山坂道などをスポーティーに走れるSUVを探している」というのであるならば、新車で買うとなると総額約475万円となる「XDドライブエディション ナッパレザー パッケージ」に相当する装備のグレードを、総額350万円程度で狙えてしまう。デビュー当初に設定されていた「XD Lパッケージ」または「XD Sパッケージ」の低走行中古車も、なかなかいい買い物となるだろう。
拡大 |
拡大 |
ホンダ・シビックRS(現行型)
ここまでは「いいクルマだが、人気薄ゆえに中古車相場が安い車種」をピックアップしてきた。しかしながらこのモデルは世間的にも大人気であるはずゆえ、きっと中古車には新車価格以上のプレミアム価格がついているだろうなぁ──などと思いながら中古車価格をチェックしてみたところ、現行型「ホンダ・シビックRS」の中古車価格は思いのほか安かった。
ご承知のとおり値上げされた最新の新車価格は439万8900円であり、支払総額は470万円ぐらいになるはずのシビックRSだが、その走行数千km程度の2024年式は、現状で総額340万円台から狙うことができるのだ。
軽快なエンジン+6段MTというパッケージに萌(も)えるのはカーマニアだけで、一般的な消費者にはまったく刺さっていなかったという事実には、いまさらながら微妙な思いを持つが、まぁそこはどうでもいい。われわれカーガイとしては世間の無関心をこれ幸いに、名作たるシビックRSの低走行中古車を割安価格で入手するのみである。
(文=玉川ニコ/写真=トヨタ自動車、本田技研工業、マツダ/編集=櫻井健一)

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
-
メーカー団体もついに本気になった? 日本における「自動運転」の未来と現在地NEW 2026.10.2 日本の自動車メーカー14社で構成される日本自動車工業会が、記者会見で「自動運転」の普及・実装へ向けた取り組みを発表した。彼らは、どのようなロードマップで自動運転の社会実装を考えており、そこにはどのような課題があるのか?
-
安いのは分かってる 軽スーパーハイトBEV「BYDラッコ」のお買い得度を検証する 2026.10.1 BYDの軽スーパーハイトBEV「ラッコ」がいよいよ日本の道を走り始めた。すでに各所で報じられているとおり安いのは間違いないが、装備内容等も考慮したうえでの買い得度はどんなものか。ライバル車との比較を通じて検証した。
-
目指したのは“さらなるスポーティーセダン” 新型「BMW 3シリーズ」の技術的ハイライトを読み解く 2026.9.30 BMWが「i3」に続いて「3シリーズ セダン」の新型を公開した。かたや電気自動車、かたや内燃機関搭載車とはいえ、どちらも同じ3シリーズなのだが、どうも世間の受け止めはそうではないらしい。それはともかく、「Mスポーツ プロ」も設定された新型の技術的ハイライトを解説する。
-
目指せ国内生産100万台! 日産の国内事業再編にみる思惑と狙い 2026.9.28 日産が将来の成長へ向けた国内事業の再構築を発表。国内生産100万台を実現すると表明した。赤字に工場閉鎖と、暗いニュースが続いていた日産だが、現状の4割増しというこの大胆な目標は、達成可能なものなのか? そもそも日本での事業にこだわる理由とは?
-
あのクルマはなぜ売れている? 自販連のデータから“日本車の今”を読む 2026.9.25 ここ数年の自販連のデータからは、国内市場におけるトヨタのゆるぎない強さが見てとれる。ではその実績から、人々にどんなクルマが求められているといえるのか? 統計や数字の裏にある消費者マインドを探ってみよう。
-
NEW
第876回:“ヨコハマ史上最高”が目白押し SUV向けスタッドレスタイヤの新製品「アイスガード8 SUV」を試す
2026.10.2エディターから一言2026年9月1日に販売が開始された横浜ゴムのSUV用スタッドレスタイヤ「アイスガード8 SUV」。従来製品との比較で氷上性能を14%、雪上性能を4%、耐摩耗性能を11%アップさせたというその実力を、一足先に冬のテストコースで確かめた。 -
NEW
メーカー団体もついに本気になった? 日本における「自動運転」の未来と現在地
2026.10.2デイリーコラム日本の自動車メーカー14社で構成される日本自動車工業会が、記者会見で「自動運転」の普及・実装へ向けた取り組みを発表した。彼らは、どのようなロードマップで自動運転の社会実装を考えており、そこにはどのような課題があるのか? -
安いのは分かってる 軽スーパーハイトBEV「BYDラッコ」のお買い得度を検証する
2026.10.1デイリーコラムBYDの軽スーパーハイトBEV「ラッコ」がいよいよ日本の道を走り始めた。すでに各所で報じられているとおり安いのは間違いないが、装備内容等も考慮したうえでの買い得度はどんなものか。ライバル車との比較を通じて検証した。 -
マツダCX-5 L(後編)
2026.10.1あの多田哲哉の自動車放談ファン待望の新型「マツダCX-5」ではあるが、試乗した多田哲哉さんは気になるところがある様子。一体、どんなところが……? さまざまな車両を開発してきた専門家としての意見を聞いてみよう。 -
楽しいのが一番! 世界のスポーツカー特集
2026.10.1日刊!名車列伝過ごしやすい気候になり、ドライブが楽しみな10月。「スポーツの秋」ということで、クルマ好きならグッとくる、国内外のスポーツカーを日替わりで紹介します。 -
最新のルーテシアはカッコも走りも燃費も“イイ!”
2026.9.30選ぶならルノーのベストセラーコンパクト<AD>車体が小さいだけでコンパクトカーと呼べるのだろうか。少なくともルノーはそう考えておらず、サイズに見合った走りのよさとユーザビリティー、さらにスタイリングの美しさまでを高いレベルで求めている。最新の「ルーテシア」はまさにそれを体現した一台である。









































