スズキ、新型「スイフトスポーツ」の概要発表
2011.11.09 国産車■スズキ、新型「スイフトスポーツ」の概要を発表
スズキは、2011年11月28日に新型「スイフトスポーツ」を発表する。第42回東京モーターショー(11月30日〜)にも出展の予定。
■コンセプトは「The sporty flagship」
2010年9月に「スイフト」がフルモデルチェンジして以来ラインアップから姿を消していた「スイフトスポーツ」。すでに2011年9月のフランクフルトショーで新型の欧州仕様が披露されているが、日本でもついに発売となる。
現行型のスイフトをベースに、パワフルなエンジンと新しいトランスミッション、高剛性・高性能のシャシーなどを採用することで、「The sporty flagship」を目指したという新型スイフトスポーツ。「多くの人に操る楽しさと感動を感じてもらいたい」と願う開発陣がまず着手したのは、パワートレインとシャシーの高性能化だ。
エンジンは、旧型と同じ1.6リッター直列4気筒DOHC「M16A」だが、その中身は大幅に変わった。新しいエンジンは、回転数に合わせて吸気経路を切り替える可変吸気システムを採用。全域で充填(じゅうてん)効率を高めている。これに合わせて吸気VVT(可変バルブタイミング)を最適化するとともにバルブのリフト量を増加。さらに、樹脂インテークマニホールドを採用して吸気抵抗の低減を図るなどして、最高出力136ps/6900rpm、最大トルク16.3kgm/4400rpmを達成。これは旧型に比べて10ps、1.2kgmのアップである。
組み合わされるトランスミッションは6段MTとCVTの2タイプ。マニュアルトランスミッションは従来の5段MT同様、2〜5速をクロスレシオとする一方、6速を追加することで高速巡航時の燃費を改善する。一方、4ATからCVTに変更されたオートマチックトランスミッションは、ベースモデル同様、副変速機構付のCVTを採用するが、スイフトスポーツの1.6リッターエンジンに合わせてセッティングを変更。例えば、リダクションギアを標準よりもローレシオ化することで、鋭い発進加速を実現したという。また、7段マニュアルモードやパドルシフトも採用している。
シャシーは「安定性・応答性を高めながら、より上質でしなやかなハンドリングを目指した」という。サスペンションは、前:マクファーソンストラット、後:トーションビームを継承するが、その内容は大きく変更されている。フロントのストラットにはリバウンドスプリングを内蔵。これにより、旋回時の内輪の浮き上がりを抑え、ロール剛性を高めている。
専用設計のリアサスペンションは、トレーリングアーム断面を拡大するなどして旋回時の安定性を図る。また、トーションビームブッシュの構造を前後非対称として、乗り心地を確保しながら安定性を高めたという。さらに、ステアリングギアボックスの取り付け剛性やフロントサスペンションフレームの取り付け剛性などを高めることで、操舵(そうだ)の応答性を20%向上させた。
タイヤは195/45R17サイズを装着。先代の16インチに比べて1本あたりの重量を1.6kg軽減。またアルミホイールも、インチアップしたにもかかわらず1本あたり0.1kg低減し、さらにブレーキパーツの軽量化などと合わせて、先代に比べて1台あたりのバネ下重量を合計で9.8kg低減している。
■アグレッシブなエクステリア
標準型のスイフトに比べてアグレッシブなエクステリアデザインもスイフトスポーツの特徴だ。大開口のグリルや3本フィン形状の大型フォグベゼル、ルーフエンドスポイラー、メタリック塗装のディフューザー、サイドアンダースポイラーなど、ひと目で標準型との違いがわかる。一方、インテリアでは、シート、ステアリングホイール、シフトブーツに赤のステッチを施すとともに、フルスケール240km/hのスピードメーター、専用デザインのフロントシートなどにより、スポーティーで上質な雰囲気づくりに努めたという。
装備では、全車にESPを標準装着するとともに、リアシート中央席にはヘッドレストと3点式シートベルトを標準化。イモビライザーとセキュリティアラームも標準である。
スイフトスポーツは単一グレード展開で、ボディーカラーは専用色のチャンピオンイエロー4を含む、全6色を用意。価格、および燃費については11月28日に発表される予定。
(文=生方聡)
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