第510回:夫婦愛が一番の原動力?
「パリ・北京トロフィー」のスタートをのぞく
2017.07.14
マッキナ あらモーダ!
パリ・ダカ世代に刺さるイベント
一定の年齢以上のフランス人自動車ファンの特徴として「冒険好き」がある。
それには理由がある。彼らの多くは青年時代、1970年代末から80年代にかけて、「パリ・ダカールラリー」がスタートする元日に、毎年パリのコンコルド広場に集まったという。
知人で1963年生まれのローラン氏は、「当時フランスの少年たちの関心は、まさにラリー一色でした」と回想する。ついでにいえば、彼の奥さんは、会場で偶然出会った人だ。
そうした中、フランスでは今でもパリ・ダカ気分を味わえる一般向けロングドライブ企画が少なくない。
2017年7月9日、日曜日の昼、パリの観光名所「アンヴァリッド(廃兵院)」前に、約30台のヒストリックカーが集結した。「パリ・北京トロフィー2017」のスタートである。
オリジナルは1907年に開催された「北京・パリ大陸横断ラリー」だ。その後ソビエト連邦時代は自由通行が制限されたため、同様のレースは続かなかった。だがベルリンの壁が崩壊した1990年代以降、ヨーロッパ各地のオーガナイザーが、ユーラシア大陸をモダンカーやヒストリックカーで走る企画を次々と実現してきた。
今回のパリ・北京トロフィーは、あるフランスの旅行会社によるものだ。すでに“冒険・ラリーもの”を50本以上も手がけてきた企業で、パリ~北京ルートは2015年に次いで2回目である。

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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