マセラティが「グラントゥーリズモ」と「グランカブリオ」をマイナーチェンジ
2017.10.13 自動車ニュース![]() |
マセラティ ジャパンは2017年10月12日、アップデートが施された「マセラティ・グラントゥーリズモ/グランカブリオ」を日本で報道陣に公開した。
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誕生10周年のご長寿モデルがさらに進化
本国で2017年6月にマイナーチェンジを受けたこの2モデルを日本初公開するにあたり、舞台に選ばれたのは成田国際空港貨物ターミナル地区の航空機整備工場。生産地であるモデナから、マセラティのロゴを施したボーイング747チャーター便にて空輸し、到着より24時間以内に公開するという趣向だったのだ。このチャーター機には、ファーストオーダー分の28台が搭載されており、早々にオーナーの元に届けられる予定だ。
その歴史を振り返ると、まずはグラントゥーリズモが2007年にデビュー。その2年後にオープンモデルのグランカブリオが追加された。累計生産台数は3万7000台超というマセラティのヒットモデルである。すでに登場から10年を迎えるが、日本でも根強い人気を持つ。早速、実施されたマイナーチェンジのハイライトを紹介したい。
内外装や装備をアップデート
まずはラインナップが見直され、グラントゥーリズモ、グランカブリオともに「スポーツ」と「MC」の2タイプに集約。パワーユニットも4.7リッターV8の1タイプのみとなった。エクステリアにも手が加えられたが、印象は大きく変わらないように配慮されている。これはマセラティ・デザインセンターがリファインを施す際、ピニンファリーナデザインに最大の敬意を払ったからとのこと。結果、本来の持ち味を生かしながら、空力性能のさらなる向上と最新の歩行者安全関連規制への適合などを実現している。
具体的には、フロントグリルをクロームで縁取った六角形の「シャークノーズ」に変更し、最新マセラティモデルとの共通性を与えた。さらに、サイドエアダクトの形状も改めた新デザインのフロントバンパーを採用。ヘッドライトは従来同様、LED式とバイキセノン式の2タイプで形状も同じだが、ライトユニット内部のデザインを変更している。バンパーのデザインを改めたリアまわりは、仕様によりエグゾーストパイプの位置が異なり、スポーツは両サイドから大楕円(だえん)形状のパイプを出すシングルタイプを採用。MCも左右出しではあるものの、中央よりに配置された丸形テールとなり、外観上の大きな違いのひとつとなっている。
さらにMCでは、カーボンファイバー製のエアベント付きボンネットとサイドスカート、20インチの鍛造ホイール、チタンブレーキキャリパーなどの専用装備により、アグレッシブなスタイルの実現と、さらなる軽量化を図っている。
ポルトローナ・フラウのレザーシートが備わる優雅なインテリアは、基本的に従来型のイメージを受け継ぐものだが、最新のインフォテインメントシステムを搭載するためにセンターコンソールのデザインなどを変更している。操作系を改めることで各種操作ボタンを削減した点も特徴だ。新装備の8.4インチのタッチスクリーンは、他の最新マセラティモデルに搭載されるものと同じで、Apple CarPlayおよびAndroid Autoに対応。オーディオにはharman kardonプレミアムサウンドシステムを標準装備している。
エンジンを4.7リッターV8に一本化
全車共通となるパワープラントは、フェラーリとマセラティが共同開発し、フェラーリのマラネロ工場で製造される自然吸気の4.7リッターV8 DOHCエンジンを採用。最高出力は460ps/7000rpm、最大トルクは520Nm/4750rpmで、これにZF製6段ATを組み合せる。またMCには「MCスタートプログラム」と呼ばれるローンチコントロール機能を付与しており、最も軽量な仕様のグラントゥーリズモMCでは、動力性能は0-100km/h加速が4.7秒、最高速度が301km/hと公表している。
ピレリによる専用開発タイヤもアップデートされ、第4世代「Pゼロ」に進化。ドライ、ウエット両方の路面でのハンドリング、ブレーキング、加速性能を改善。大幅な軽量化に加え、ロングライフ性能の向上により耐用距離も30%以上向上したという。
価格は、グラントゥーリズモが1890万円~2216万円。グランカブリオが2000万円~2175万円。
(大音安弘)