第209回:日本メーカーよ、忍者屋敷DNAで奮闘せよ! ドアノブ紆余曲折物語
2011.09.02 マッキナ あらモーダ!第209回:日本メーカーよ、忍者屋敷DNAで奮闘せよ!ドアノブ紆余曲折物語
アルファが先鞭をつけた、アレ
イタリアではシボレーの新型車「アヴェオ」のプロモーションが活発になってきた。韓国GM(旧GM大宇自動車技術)のコンパクトカーである。
ボクの心のなかにあるシボレーは、往年の歌手ダイナ・ショアがCMソング『SEE THE USA IN YOUR CHEVROLET』(最近、米国の人気TVドラマ『Glee』の面々がリメイクをしている)を歌っていた時代のシボレーである。だが時は流れ、時代は変わる。今日の欧州でシボレーといって多くの人が思いつくのは、もはや韓国GM製であることは、まぎれもない事実である。妹分「シボレー・スパーク」の好調を背景に、「アヴェオ」もそこそこ行きそうな気がする。
そのシボレー・アヴェオの後部のドアノブは、ウィンドウ横にビルトインされている。いわば隠しドアノブである。「シボレー・スパーク」も同様のドアノブが装着されている。
隠しドアノブのトレンドは、今をさかのぼること14年前の1997年秋に登場した「アルファ156」が始まりである。続いて2001年に登場した「アルファ147」の5ドア版も同様の隠しドアノブを備えていた。アルファ・ロメオが先鞭(せんべん)をつけた背景には、本国イタリアのクルマ文化があろう。イタリアで3ドアのクルマは、「4/5ドアよりもボディ剛性が良い」という信仰と、後席に家族がいることを感じさせないことから「若さ」の象徴であるのだ。後ろのドアノブを取り払うことで3ドア風に見せることには、大いに意義があったのである。
ざっと見ただけでも、前述のモデル以外に、「シボレー・ソニック」「アキュラZDX」「アルファ・ロメオ ジュリエッタ」「奇端A3」「シトロエンDS4」、ホンダの「シビック 5ドアハッチバック」、新型「ランチア・イプシロン」、日産の「ジューク」「クエスト」、「プジョー207」(ブラジル工場製)、「セアト・レオン」「シュコダ・ルームスター」などが、現在隠しドアノブを採用している。

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
-
NEW
日産GT-R50 by Italdesign
2021.1.16画像・写真日産が「GT-R50 by Italdesign」のテストカーを東京・銀座の「NISSAN CROSSING」に展示。「GT-R NISMO」をベースに伊イタルデザインと共同開発したモデルで、2021年中旬より順次納車が開始されるという。世界限定50台のスペシャルモデルを、写真で紹介する。 -
NEW
第638回:京都で最新EV「ポルシェ・タイカン」と歴代クラシックポルシェに触れる
2021.1.16エディターから一言最新のフルEV「ポルシェ・タイカン」の登場に合わせ、ドイツ・シュトゥットガルトのポルシェミュージアムから貴重な3台のクラシックモデルが日本上陸。幸運にもタイカンとともに、冬の京都を舞台に試乗するチャンスに恵まれた。 -
NEW
シトロエン・ベルランゴ フィール(FF/8AT)【試乗記】
2021.1.16試乗記先行導入された特別仕様車「デビューエディション」があっという間に売り切れた「シトロエン・ベルランゴ」が、ついにカタログモデルとして正式に上陸。エントリーグレード「フィール」を連れ出し、フレンチMPVのニューフェイスが秘める“素”の魅力を探った。 -
福野礼一郎の新刊『福野礼一郎 あれ以後全集9 完結編』発売!
2021.1.15From Our Staff自動車評論家、福野礼一郎が『CG』本誌をはじめ、各誌で執筆した作品を年代ごとに収録した『福野礼一郎 あれ以後全集』シリーズの第9弾がついに発売。今回は、2016年から2018年までの著作を集めた“完結編”で、読み応えある390ページ超、全41編を収録しています。 -
第31回:ボルボからオキテ破りの電撃移籍! 豪腕社長はプジョー&シトロエン&DSをどう料理する?
2021.1.15小沢コージの勢いまかせ!! リターンズ日本におけるボルボ躍進の立役者と言っても過言ではない木村隆之さんが、ボルボ・カー・ジャパンの社長からグループPSAジャパンの社長に電撃移籍。就任2日目でご多忙のところに不肖・小沢コージがお邪魔し、アレコレ聞いてきました。 -
日産キックスAUTECH/ノートAUTECH/エルグランドAUTECH
2021.1.15画像・写真「プレミアムスポーティー」を開発コンセプトに掲げ、日産車の独創的なカスタマイズカーを製作するオーテック。最新モデルである「キックスAUTECH」をはじめ、昨年デビューしたばかりの「ノートAUTECH」「エルグランドAUTECH」の詳細な姿を、写真で紹介する。