WHILL:パーソナルモビリティーの近未来を体感してほしい
2017.10.27 自動車ニュース 拡大 |
東京モーターショーに集うのはクルマやバイクだけではない。パーソナルモビリティーの生産・販売を手がけるWHILL(ウィル/本社:横浜市鶴見区)が提案するのは、AIとパーソナルモビリティーの融合。モータージャーナリスト&モビリティージャーナリストの森口将之は、この分野の近未来に注目している。
明日のパーソナルモビリティーの姿を追求
パーソナルモビリティーのWHILLは、2年前の東京モーターショーにも出展していた。そのときはブースの中に坂道や砂利道を作り、デビューしたばかりの「モデルA」の走破性の高さをアピールしていた。東京ビッグサイト西館4階で体験した人もいるだろう。
今年はスタイリッシュなデザインを継承しながら分割式とすることで自動車のトランクに格納可能になり、価格を大幅に抑えた「モデルC」が登場したので、この新型で同じような体験ができるかもしれないと思い、同じ西館4階のブースに足を運んだら、予想以上の展開が待っていた。
スマートフォンを使って遠隔操作を行ったり、高性能レーザーセンサーを装着することで自動ブレーキを実現したり、利用者の運転診断を行って運転支援に役立てたりするなど、AIとパーソナルモビリティーの融合を体感できる場に進化していたのだ。
WHILLは日本では電動車いすにカテゴライズされる。電動車いすは道路交通法では歩行者扱いになるので、単独事故は交通事故にカウントされないことも多いけれど、高齢者や身障者の利用者が多いこともあり、操作ミスによる事故が増えている。自動車以上に自動化や運転支援が必要な分野だ。
モビリティーの世界に参入してまだ数年しかたっていないのに、WHILLはこうした現状にいち早く反応し、パナソニック、NTT、早稲田大学といった組織と共同で、明日のパーソナルモビリティーの姿を追求している。
すでに羽田空港ではパナソニックと共同で、歩行が困難な利用者がスマートフォンで設定するだけで、空港入り口から搭乗口まで自動で運んでくれるという実証実験を行っているけれど、東京モーターショーでの公開は多くの人にこうした先進的な取り組みを知ってもらう最良の場だろう。
自動車の自動運転を体感するには相応の場所が必要で、市場化となれば大掛かりなルール改正が前提となる。でもWHILLならビッグサイトの中で同様の体験ができる。1000万円クラスの高級自動運転車とは対照的に、移動弱者のためのソリューションであることにも好感を抱く。
ひとりでも多くの人が西館4階に足を運び、日本のモビリティーベンチャーの実力とパーソナルモビリティーの近未来を体感してほしい。
(文=森口将之/写真=webCG)

森口 将之
モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。ヒストリックカーから自動運転車まで、さらにはモーターサイクルに自転車、公共交通、そして道路と、モビリティーにまつわる全般を分け隔てなく取材し、さまざまなメディアを通して発信する。グッドデザイン賞の審査委員を長年務めている関係もあり、デザインへの造詣も深い。プライベートではフランスおよびフランス車をこよなく愛しており、現在の所有車はルノーの「アヴァンタイム」と「トゥインゴ」。
-
ホンダ・スポーツEVコンセプト:意外と量産されそうな予感が…… 2017.10.27 いやいや、これは絶対に量産化されない……。モータージャーナリストの鈴木ケンイチは、「ホンダ・スポーツEVコンセプト」を見たとき、まずはそう思ったそうだ。でも、じっと見ているうちに、これこそイチオシじゃないかと直感したのだった!
-
トヨタ・ヴィッツGRMN:その走りに期待せよ! 2017.10.27 見て楽しむのがモーターショー。とはいえ、クルマはやはり乗って楽しむものである。最初から「これは、売らないナ」と、ピンとくるようでは興ざめだ。そこでコレ。フリーライター鈴木真人のイチ押しは「トヨタ・ヴィッツGRMN」である。
-
ダイハツDNコンパーノ:不思議な魅力を持っている 2017.10.27 東京モーターショー2017に、ダイハツは5種類のコンセプトモデルを出展した。そのうちの一台、往年の車名を冠する「DNコンパーノ」に強く引かれるのはなぜなのか。ヒストリックカーにも詳しい自動車ライター、沼田 亨が語る。
-
ダイハツDNコンパーノ:“昔の名前で出ています” 2017.10.27 ダイハツブースでは、可憐(かれん)なスタイルで人々を魅了した「コンパーノ」のリバイバルモデルが登場。新世代ダイハツを象徴するコンセプトモデル、その一台に込められた想いとは? モータージャーナリストの塩見 智が鋭く斬り込んだ!
関連記事
-
NEW
レクサスLFAコンセプト
2025.12.5画像・写真トヨタ自動車が、BEVスポーツカーの新たなコンセプトモデル「レクサスLFAコンセプト」を世界初公開。2025年12月5日に開催された発表会での、展示車両の姿を写真で紹介する。 -
NEW
トヨタGR GT/GR GT3
2025.12.5画像・写真2025年12月5日、TOYOTA GAZOO Racingが開発を進める新型スーパースポーツモデル「GR GT」と、同モデルをベースとする競技用マシン「GR GT3」が世界初公開された。発表会場における展示車両の外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
バランスドエンジンってなにがスゴいの? ―誤解されがちな手組み&バランスどりの本当のメリット―
2025.12.5デイリーコラムハイパフォーマンスカーやスポーティーな限定車などの資料で時折目にする、「バランスどりされたエンジン」「手組みのエンジン」という文句。しかしアナタは、その利点を理解していますか? 誤解されがちなバランスドエンジンの、本当のメリットを解説する。 -
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。






