【東京モーターショー2017】やったぜ俊宏社長! 勝手に「スゴかったで賞」をあげたい
2017.10.25 自動車ニュース![]() |
EVコンセプトの「e-サバイバー」に、市販予定の「クロスビー」や新型「スペーシア」のコンセプトモデルと、さまざまなモデルを出展した第45回東京モーターショーのスズキ。そうした展示車両と同様、鈴木俊宏社長のスピーチもパワフルなものだった。
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小沢も驚いた鈴木俊宏社長の“豹変”ぶり
いやもうビックリ。朝イチから始まった“東モ”(東京モーターショーのことね)恒例のプレスカンファレンス大攻撃もいよいよ中盤にさしかかっていたが、昼飯モードで集中切れかけの小沢もさすがに目覚めたぜ! スズキの鈴木俊宏社長のスピーチには。
プレゼン見始めてはや20年オーバーの小沢。近年のニッポンの社長はしゃべりがうまくなってきたとはいえ、外国の方に比べりゃまだまだ。身ぶり手ぶりで強引かつナチュラルに、持説を英語で自信たっぷりに語りまくるのに比べ、こちらは“感情なき資料棒読み”がザラ。あ~ぁ。英語スピーチはともかく、せめて日本語のやつは根拠なんてなくていいんで、自信たっぷり語ってほしいもんだと。
特に、パワフルなうえに前回のショーであの天才イチローと互角に渡り合ったトヨタの豊田章男社長や(今回は出てこなかったけど……)、落ち着き払って人格すら感じられる、説得力200%のスバル吉永泰之社長に比べ、正直スズキの俊宏社長は……。は、迫力ないっス! 申し訳ないけど、鈴木 修会長のが面白かったかも。などと勝手に思って期待してなかったんですけど、今回はどーでしょ! まるで人が変わったかのような、パワフルかつ説得力あるプレゼンっぷりだった。
次の100年へと向かう気概が感じられる
特にスズキは四輪や二輪、そして船外機などのプレスカンファレンスが一緒で、畑違いの製品が続けて紹介される。途中で結構マインドが変わっちゃいそうだけど、今回は初めから終わりまでそれが一貫していて、見事にスズキの今の“ヤル気マンマンぶり”を証明していた。
「スズキは2020年には創業100周年を迎えますが、次の100年に向けていっそう加速」と大胆宣言。それも無理目に声を張りつつも、しっかり裏返らない調整ぶりである。失礼を承知ながら、人は鍛えれば伸びるんだなぁと。相当ボイストレーニング&リハーサル重ねられましたね。
内容も分かりやすくてよかった。冒頭「今回はクルマとはなにか、乗り物とは何かと考えました」という哲学的な問い掛けから始まり、「クルマは人をワクワクさせなくてはいけないと」とショーテーマの『ワクワクを、誰でも、どこへでも』を解説。それ自体は正直凡庸な言葉ですけど、結構心に響きましたよ! 社長。
そしてEVコンセプトの「e-サバイバー」を「あらゆる4WDの可能性を提案します」と紹介し、続いて現在無敵の「ホンダN-BOX」の対抗となる新型「スペーシア」のコンセプトカーを自信たっぷりに解説。そう、今度のスペーシア、新プラットフォームで気合が入っている。なによりカスタムが「トヨタ・アルファード」もビックリのヤンキー顔。これは気合入ってますよね?
それから、小沢的には今後日本自動車マーケットの台風の目になりそうな“ワイドハスラー”こと「クロスビー」を「1リッター直噴ターボで~」とシンプル解説。いいんですよ、それくらいで。
そして最後には「アジア、アフリカをはじめとする世界の自動車市場を」と、スズキの特殊性をもきっちりアピール。そう、インドじゃトヨタ以上の人気を誇るスズキだけに、今後はアジアをはじめ、アフリカすら狙って行くんですよね、スズキは。
ってなわけで、すべてを語り切り、パワフルな後味を残した2017年東モのスズキブース。よかったです。勝手にホッとしました(笑)。
(文=小沢コージ/写真=webCG)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』