第7回:「XC60」で行く吉田由美の爽快ドライブ
2018.01.09 徹底検証! ボルボXC60カーライフエッセイストの吉田由美が新型「ボルボXC60」で、東京近郊の渓谷までドライブ。9年ぶりにフルモデルチェンジしたボルボの売れ筋SUVはどんなクルマに仕上がっているのか、その走りや使い勝手について詳しく報告する。(文=吉田由美/写真=荒川正幸/編集=関 顕也)
-
1/28新型「XC90」から大きくデザインが変わり、大胆にイメージチェンジが図られたボルボ。気になっている人も多いのではないでしょうか。「でも、XC90はちょっと大きいし、価格も高いし……」と思っていた方、よりコンパクトな新型「XC60」は要チェック。私も今回、ドライブに出掛けて試してみました。
-
2/282代目「XC60」のフロントまわりは、新しいボルボのアイコンとなっているヘッドランプが印象的です。試乗した「XC60 T5 AWDインスクリプション」の場合、ボディーサイズは全長4690mm×全幅1900mm×全高1660mmで、街乗りするには少々横幅が……。しかしそれ以上に、このおしゃれな雰囲気は魅力的。大きな塊なのに、透明感があります。
-
3/28ドアを開けると、ドイツ車や日本車とは明らかに違う世界が広がります。センスよくまとめられたインテリアは、洗練された素材にデザイン、色使いで、高級感があります。インストゥルメントパネルの端やシートのショルダー部分に、チラリとスウェーデン国旗をあしらう遊びゴコロも!
-
4/28メーターパネルは液晶タイプ。センターには、カーナビのマップも表示できます。道路上の速度標識を読み取ってドライバーに知らせる「ロード・サイン・インフォメーション」は、今では一部の軽乗用車にも見られる機能ですが、実はボルボがパイオニアです。
-
5/28運転中、視線を大きく動かすことなく、フロントガラス上で車速やアダプティブクルーズコントロールの作動状況が確認できるヘッドアップディスプレイ。ただし、ここに映し出されるのは最低限のインフォメーションです。シンプル・イズ・ベスト。
-
ボルボ XC60 の中古車webCG中古車検索
-
6/28「ボルボXC60」は、全車速対応のアダプティブクルーズコントロールを標準装備。140km/h以下の速度域で、車線の中央をキープできるようにステアリング操作をサポートしてくれる「パイロット・アシスト」も備わっています。スイッチ類も「使いやすさを考えてデザインした」と言わんばかり。速度をはじめとする設定は、とっても簡単!
-
7/28東京都心を抜けて、中央自動車道で西へ。「XC60」の車内はもともと開放感がありますが、大きなサンルーフの効果で明るさ倍増。インテリアはスイッチの数が少なく、整理整頓されています。クルマが整理整頓されていると、頭の中まで整理整頓されたクレバーな人という印象を与えます。
-
8/28一般道では、進路に干渉する歩行者やサイクリスト、大型動物、さらに交差点を右折する際の対向車を検知して、衝突の危険性がある場合は回避または被害の軽減を図る機能が役立ちます。ただ、時には過敏に反応してしまうことも……。今回は、路肩に停車しているクルマに対して緊急ブレーキが作動、ビックリする場面がありました。
-
9/28ちょっと休憩……という駐車の時も、しっかりサポート。自車を俯瞰(ふかん)したような映像を映し出し、周囲の障害物の有無を知らせてくれます。また、「パーク・アシスト・パイロット」機能を使えば、ブレーキとアクセル、シフトの操作だけで縦列駐車や並列駐車を行うことが可能です。
-
10/28縦型9インチのセンターディスプレイはタッチスクリーン式で、スマートフォンのような感覚で操作ができます。しかも、一般的な静電式とは異なる赤外線方式なので、手袋をしたままでも操作可能です。
-
11/28中央自動車道の八王子ICから一般道を走ること約40分。“都心から60分の大自然”として知られる秋川渓谷に到着! 「XC60」はシティー派SUVかと思いきや、こんな風景にもピッタリ。
-
12/28ボルボは昔から「安全なクルマ」「頑丈なクルマ」というイメージでした。近年ではカチカチに角ばったデザインは卒業したようですが、安全の部分はさらに進化。パワーアップしましたね。
-
13/28ウオッシャーが付いたLED式ヘッドランプは全車標準。Tの字を横にしたデザインがユニークで、「北欧神話に登場する神・トールが持っているハンマーをかたどった」というストーリーもロマンチック。
-
14/28ホイールのデザインは全部で5種類あります。その中では「T5 AWDインスクリプション」のこれが一番シンプルな形状かと思いましたが、よく見ると柑橘(かんきつ)系風のデザインで、けっこう手が込んでいます。しかもサイズは、大径の19インチ。
-
15/28今回試乗した「T5 AWDインスクリプション」は、2リッター直4ターボエンジンを積む「T5」の上位グレード。ベンチレーション機能やマッサージ機能が付いたナッパレザー仕立てのフロントシートや、ドリフトウッドをあしらったパネルなど、豪華な装備が特徴です。
-
16/28後席も快適~。何しろリアシートヒーター付きです。走行中も座ってみたのですが、朝が早かったこともあり、快適な掛け心地についうとうと……。つまり、それくらい気持ちよく過ごせるクルマだということです。ハイ。
-
17/28インテリアは、派手ではないけれど華やかさがあって、全体的に「趣味のいい人のクルマ」という印象。センターコンソールがドライバーの方を向いているのは独特ですね。
-
18/28こだわりのサウンドシステムは、イギリスの高級オーディオメーカー、Bowers & Wilkinsのもの。写真は「コンサートホール」モードの選択画面です。ボルボの生まれ故郷・スウェーデンにあるイエテボリ・コンサートホールの中で、最もいい音が聞けるという“席番号577”でのサウンドを再現したのだとか。
-
19/28センターコンソールにある、数少ないスイッチ類。エンジンスタートスイッチ(写真上)とドライブモードスイッチ(写真中央)にはキラキラ光るクロームのアクセントが施されています。
-
20/28エアサスペンションを装着した「T5 AWDインスクリプション」は、ドライブモードにより車高が変わります。「コンフォート」や「エコ」、「ダイナミック」などさまざまなモードが用意されていますが、「オフロード」を選択すると写真のように最低地上高が最も高くなり、不整地に適したクリアランスが得られるようになります。なんだか、ひと回り大きなクルマに見えますね。
-
21/28このスイッチ、何だと思いますか? エアサスペンション装着車には、スイッチ操作でリアの車高を5cmほど下げる機能があります。重い荷物も、より楽に載せたり降ろしたりできるのです。
-
22/28リアゲートの高さが変えられると、フロアに腰かけてベンチ代わり……なんて使い方もできます。跳ね上げたバックドアはひさしにもなりますから、日焼けしたくない女性にとっては強い味方かも。
-
23/28「XC60」のエンジンラインナップは、まずガソリン仕様が、ターボエンジン「T5」(写真)に、ターボとスーパーチャージャーを併せ持つ「T6」。さらに、T6のユニットにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド「T8」の3種類。2018年3月には、ディーゼルエンジン「D4」も国内でデリバリーされます。トランスミッションはすべて8段ATで、駆動方式は全車4WDです。
-
24/28指先でつまんでいるのは、エンジンのスタートスイッチです。最近、エンジンの始動は“押す”タイプが多いと思いますが、あえて“ひねる”という動作にしたのはボルボのこだわりですね。この動き、女性の手を美しく見せてくれます。
-
25/28秋川渓谷の河原をちょっとワイルドに走ってみました。とがった大きな石の無い場所を選んではいるものの、あらかじめ車高が上がる「オフロードモード」を選択しているので安心です。
-
26/28見た目は頑丈そうな「XC60」。でも足まわりは柔らかくて、乗り心地もマル。ステアリングやブレーキのフィーリングが軽やかな一方で、適度なスポーティー感もあり、好印象です。今回乗った「XC60 T5」は、同じXC60のプラグインハイブリッドモデル「T8」よりもひとまわり小さく感じられるほどキビキビしていました。
-
27/28以前から一度訪れてみたかった桧原村。今回のドライブのゴールはこちらです。写真の「払沢(ほっさわ)の滝」は、東京都で唯一、“日本の滝百選”に選ばれている落差60mほどの滝。紅葉が見られるシーズンは、道中の景色も楽しめます。最寄りの駐車場から徒歩15分くらいで行けるので、おすすめです。
-
28/281959年に3点式シートベルトを開発してから、ずっと安全にこだわってきたボルボ。「2020年までに、新たなボルボ車での死亡者や重傷者をゼロにする」と宣言しています。今回の「XC60」にも、16以上の先進安全機能を搭載。そうした「安全・安心」に加えて、「デザインの良さ」「走りの楽しさ」なども兼ね備えていました。女性に例えるなら……誰もが憧れるキャビンアテンダント? おしゃれで洗練されていて、しかも気が利いて性格もいい、最強美女のようなクルマといえるかもしれません。