【ジュネーブショー2018】アストンマーティンの高級車ラゴンダがEVとして復活
2018.03.12 自動車ニュース![]() |
5月にロンドンモーターショーが控えているというのに、イギリス勢の出品内容は相当に充実していた。一番驚いたのはアストンマーティンだ。新ブランド・ラゴンダの「ビジョン コンセプト」と、レーシングマシン「ヴァルキリーAMRプロ」の2台を発表した。
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新生ラゴンダの生産開始は2021年
ラゴンダとは、もともとアストンマーティンとは別のルーツを持つメーカーだった。第2次世界大戦前は独立メーカーとして勇名をはせていたが、戦後はアストンマーティンの一員となり、4ドアセダンの車名に使われていた。そのラゴンダを、新たに“ゼロエミッション専用”のブランドとして再生させるという。その先駆けとなるのがラゴンダ・ビジョン コンセプトだ。出品されたモデルは4人乗りのリムジンだったが、他にクーペやSUVの構想もあるという。生産開始は早ければ2021年。ショーファードリブンカーとして自動運転が可能だという。全固体電池を搭載しており、航続距離は最長で約640km。最先端技術の塊のようなモデルとなることだろう。
もう1台のアストンマーティンは、サーキット専用のスーパーマシン「ヴァルキリーAMRプロ」。最高出力1100ps以上の6リッターV12ハイブリッドパワートレインを搭載し、1tを超えるダウンフォースを発生させるエアロボディーを備えている。生産はわずかに25台。デリバリーは2020年から。
このヴァルキリーAMRプロに匹敵するハイパフォーマンスカーが「マクラーレン・セナ」だ。500台限定生産の標準型のセナはすでに完売しているが、そのサーキット専用マシンが生産されることになった。それが「セナGTR」。75台の限定生産で価格は100万ポンド(日本円換算で1億4800万円)。サーキット専用車ということで、最高出力は800psのセナよりも上の825ps。ダウンフォースはこちらも1t超え。F1マシンを除くマクラーレンモデルの最速ラップタイムを記録することは間違いないという。
ゴージャスさで言えば、ベントレーも見逃せない。今回のジュネーブショーでワールドプレミアされたのは、「ベンテイガ」のハイブリッドモデル。3リッターV6ターボにモーターを組み合わせ、50km以上のEV走行もこなす。もちろん燃費性能はベントレー史上最も優れているという。ラグジュアリーハイブリッドという新たなカテゴリーの創出を狙うベントレーは、電動化モデルの拡充を計画しているという。
ジャガー・ランドローバーは2台の新型モデルを出品。ジャガー初のEVとなる「Iペース」とフルサイズ・ラグジュアリーSUVクーペ「レンジローバーSVクーペ」だ。IペースはEVというだけでなく、4WDのSUVとしての高い実用性も特徴のひとつとなる。レンジローバーSVクーペは、イギリスのSVOテクニカルセンターで手作業で組み立てられる999台の限定モデルだ。
イギリス勢ではないが、ここで併せてボルボも紹介しておこう。同社と、その派生ブランドであるポールスターのブースは、ちょうど隣り合わせに配置されていた。ウッドを多用した、優しい雰囲気のボルボブースに対して、ポールスターはコンクリート打ちっぱなしのようなスタイリッシュなブースになっていた。ボルボのメインは発表されたばかりの新型「V60」。また、今回のショー開幕直前に発表された欧州カー・オブ・ザ・イヤーにボルボの「XC40」が選ばれたのことも話題になっていた。一方、ポールスターのスタイリッシュな最初の量産モデル「ポールスター1」は、今回のジュネーブで欧州デビューを飾った。
(文と写真=鈴木ケンイチ)
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