変更部品点数は実に6500点!
「メルセデス・ベンツCクラス」はどんな進化を遂げた?
2018.07.30
デイリーコラム
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変更部品点数が約6500にものぼるという大規模な商品改良を受けた「メルセデス・ベンツCクラス」。ブランドの屋台骨を支える最量販車種は、いかなる進化を遂げたのか。同車のチーフエンジニアを務めたクリスティアン・フリュー氏に話を伺った。
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48Vマイルドハイブリッドシステムを導入
――よろしくお願いします。まずは全体的なことをお聞きしたいのですが、変更箇所が6500点にものぼったのはどうしてですか。
フリュー:大きなポイントは2つある。まずは、4つのパワートレインを刷新したこと。日本では販売されないものもあるようだけどね。もうひとつは、電動パワートレインを導入したことで、ESC(エレクトリック・スタビリティー・コントロール)やテレマティクスシステムなど、車両全体の電気系をすべて見直す必要があったということ。コントロールユニットのほとんどを改良しているんだ。
――ユーザーから、ここを改良してほしいといった要求などはあったのでしょうか?
フリュー:そういうのはなかったね。なかったと思う(笑)。あとは、ドライバーアシストを最新型にアップデートしたのと、マーケティングチームとデザイナーからの要望を取り入れて、全部で6500カ所の改良になった。「Sクラス」にも、これを超える技術は入っていないんだ。スゴイだろ!?
――それはそれは(笑)。ところで、今回導入された1.5リッターエンジンと組み合わされた48Vのマイルドハイブリッドシステムは、この3月に日本で発売された「S450」と同じシステムなんですか?
フリュー:まるで違うものだよ。Cクラスに搭載したのは、スターター兼ジェネレーターであるモーターを、ベルトを介してクランクシャフトに接続したもので、われわれはBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と呼んでいる。一方、S450に積まれているのは、モーターをエンジンとトランスミッションの間に組み込んだもので、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と呼んでいる。
――不勉強で申し訳ないのですが、もう少し詳しく教えてください。
フリュー:48Vバッテリーを使うところは同じだけど、BSGが最高出力14ps、最大トルク160Nmなのに対し、ISGは同22ps、同250Nmとよりハイパフォーマンスだ。と同時にハイコストでもある。Sクラスだからね(笑)。でも、BSGにも大きなメリットがあるんだ。それは、既存のエンジンに大きな変更を加えることなく組み込めるというところ。今後もさまざまなエンジンに展開できる。ISGの場合は機構が複雑なので、パワートレイン全体をつくり変える必要がある。
――エンジンも新しくなったようですが。
フリュー:それでは、自慢のディーゼルの話をさせていただこう。「Eクラス」にも積まれている2リッターディーゼルエンジンだけど、実は革新的な技術がたくさん投入されているんだ。アルミのハウジングにスチールのピストンを組み合わせるというのは、どのメーカーにでもできる技術ではない。ディーゼルについては、効率の追求はすでに十分だと思っている。トルクも燃費も満足しているでしょう? だから、今後は排ガス処理に重点を置いて開発を進める。もちろん、燃費を確保したままでね。この3月のジュネーブで発表したように、ディーゼルのプラグインハイブリッド車(PHEV)も開発している。こうした技術を使っていかないと、今後のCO2規制に対応していくのは難しい。
――今後もディーゼルはつくり続けるんですね。
フリュー:あ、ガソリンのPHEVもやっているよ。日本への導入は確か……
メルセデス・ベンツ日本 広報担当者:あ、その話を今していただくと、いろいろと問題が……。
フリュー:そうなの? ではまたの機会に。
絶え間ない努力によってプレミアムであり続ける
――お披露目会では“スポーティーな走り”を強調されていたようですが?
フリュー:われわれはスポーティーとラグジュアリーは両立すると思っている。スポーティーさの強化については、バンパーの形をカッコ良くしたし、パワートレインも強化した。あとは「ダイナミックボディーコントロール」サスペンションを採り入れたことで、乗り心地を良くしたり、ハンドリング性能を良くしたりと、自由に設定できるようにした。ラグジュアリーについては、インテリアのつくりはSクラスと同じくらいに仕上げたし、高機能なマッサージチェアも選べるようにした。
メルセデス・ベンツ日本 広報担当者:あまりに高価なので、マッサージチェアは日本では選べません。スミマセン……。
フリュー:君はいろいろと詳しいね(笑)
――ありがとうございました(笑)
今回のインタビューは、東京・銀座の新橋演舞場で行われた、Cクラスのお披露目会の直後に行われたのだが、お披露目会の場ではフリュー氏もメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長もしきりに、「Never Stop Improving(改善し続ける)」というフレーズを繰り返していた。“最善か無か”をうたうプレミアムブランドの看板商品である以上は、マイナーチェンジといえども全力だ。BMWもアウディもレクサスも、Cクラスの進化に驚き、開発の手を早めざるを得ないだろう。
そのお披露目会の壇上でフリュー氏はこう言った。「アスリートがパワーや持久力、技を磨くために、常に努力を惜しまないのと同じだ」。“最善か無か”という大胆不敵なフレーズは、こうしたストイックな姿勢のもとに成り立っているのである。
(インタビューとまとめ=webCG 藤沢 勝/写真=webCG)
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藤沢 勝
webCG編集部。会社員人生の振り出しはタバコの煙が立ち込める競馬専門紙の編集部。30代半ばにwebCG編集部へ。思い出の競走馬は2000年の皐月賞4着だったジョウテンブレーヴと、2011年、2012年と読売マイラーズカップを連覇したシルポート。
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