ホンダ、家庭内の発電・発熱事業を推進
2011.07.13 自動車ニュースホンダ、家庭内の発電・発熱事業を推進
本田技研工業は2011年7月13日、家庭の消費エネルギーを各家庭内でつくるための汎用製品事業「Honda Power Generation(ホンダ・パワー・ジェネレーション)」への取り組みについて、説明会を開催した。
■未来を担う小さなエンジン
「ホンダが、より高効率な新型エンジンを開発した」。
クルマ好きにとって大変興味深いニュースのようだが、今回の話題は、クルマやオートバイではなく、一戸建て住宅で使われる汎用エンジンの話である。
住宅用のエンジンとは何なのか? 実はホンダ、大手都市ガス会社とタッグを組んで、2003年からコージェネレーションシステム「エコウィル」の開発・普及に力を入れている。
コージェネレーションシステム(以下、略してコージェネ)とは、給湯や料理に使うのと同じ天然ガスを燃料に、家庭内で小型エンジンを回して自家発電を行い、同時に、排熱で沸かした湯を給湯タンクに貯め置くという“熱電併給”システム。その核となるエンジンがホンダ製なのである。
このたび発表された163cc単気筒の新エンジンはその第三世代となるもので、クランク部に複数のリンクを持つのが特徴。ピストンのストローク量は吸気行程と膨張行程で異なり(吸気<排気)、燃焼効率の向上が図られている。
あわせて、オルタネーターや排気熱交換器などにも改良が加えられ、エネルギー利用率(燃料がどれだけ熱や電力に置換されたかを示す値)は、2006年に発売された先代モデルの85.5%から92%へと大きく向上した。
ちなみに、火力発電のみに頼る従来型の電力供給では、エネルギー効率は40%。「コージェネを使えば、CO2排出量を39%削減できる」というのも、低炭素社会を見据えたホンダやガス会社のアピールポイントである。
■屋根の上にもホンダ
会見では、あわせて太陽電池(ソーラーパネル)事業への取り組みも紹介された。
これまた四輪・二輪とはややかけ離れたイメージの製品ではあるが、ホンダは1990年のソーラーカーレース参戦をきっかけに太陽電池の研究に着手。2006年に設立した専門の関連会社 ホンダソルテックを通じ、翌2007年からは「CIGS薄膜太陽電池」を使った住宅用太陽光発電システムの製造・販売を手がけている。
ライバルメーカーの扱う「シリコン太陽電池」よりも発電効率に優れ、パネルの配列方法やデザインについてもアドバンテージがあるというのが自慢である。
この太陽光パネルと上述のコージェネを組み合わせ、効率的な家庭内発電システム「ホンダ・スマート・ホーム・システム」を実現しよう、社会全体のCO2排出量を大幅に削減しようというのが、目下のホンダの青写真。商品としてのエコ住宅は、2012年春には実証実験をスタート、2015年には販売をスタートしたいとしている。
「いずれこの事業は四輪・二輪とならぶ“ホンダの柱”になる領域と考えています」。会場で説明にあたった、ホンダの山田琢二 汎用事業本部本部長の言葉である。
(webCG 関)
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