スズキ・ジムニーXC(前編)

2018.11.01 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 売れっ子オフローダー「スズキ・ジムニー」に、レーシングドライバーの谷口信輝が試乗。一見、レーシングカーの対極にあるように思えるこの軽乗用車の走りを、プロはどのように評価する?
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新しいのに懐かしい

今回、谷口信輝に試乗してもらうのは、いま話題沸騰中のスズキ・ジムニーである。

なにが話題になっているかといえば、その人気ぶり。1970年に発表された初代から数えて4代目となる新型は、2018年7月に発売されると瞬く間に受注が1万5000台を突破したと報道された。ちなみに、スズキが当初発表した国内の年間販売目標台数は1万5000台。このためいまオーダーしても納車は1年先だとか、1.5リッターエンジンを積む登録車の「ジムニーシエラ」だと納車まで3年かかるといったことがうわさになり、その人気にさらに拍車がかかる状況となっている。

ちなみにジムニーはこれまで194の国と地域で累計285万台が販売された世界的な人気車種。こんなに小さくて、これほど本格的なオフロード性能を備えた4WDモデルがほかにない(「三菱パジェロミニ」は2012年に生産終了)ことがその最大の理由だが、新型もジムニーのアイデンティティーである「ラダーフレーム」「副変速機付きパートタイム4WD」「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」「FRレイアウト」などをしっかり継承。小さな外観に似合わないオフロード走破性を備えている。

今回用意したのは3気筒660ccターボエンジンを搭載した軽規格のジムニーで、グレードは最も上級の「XC」、ギアボックスは5MTである。いつものように箱根のワインディングロードで試乗を終えた谷口は、コメントを求めてもニコニコするばかりで口を閉ざしたまま。ただし、その表情から谷口が楽しんだことはなんとなく想像がついた。

「いやあ、いいクルマだと思いますよ。いいとは思うけれど、なんとも“昭和感”にあふれていますねえ。なんといってもアナログ感が満載じゃないですか。たしかに、現代的なところもありますよ。例えばナビが付いていたり、エンジンはスタートスイッチを押すだけで始動できるし、スピードメーターとタコメーターの間にはデジタル式ディスプレイが取り付けられているし、サイドウィンドウだって手でレギュレーターをクルクル回すんじゃなくてしっかりパワーウィンドウになっている。そういう意味では新しくもなっているんですが、そのいっぽうでちゃんとジムニーらしさは残っていますね」

 
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