【F1 2018 続報】第20戦ブラジルGP「5冠王者の“初勝利”」

2018.11.12 自動車ニュース
F1第20戦ブラジルGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真右から2番目)、2位に入ったレッドブルのマックス・フェルスタッペン(同左端)、3位でレースを終えたフェラーリのキミ・ライコネン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)
F1第20戦ブラジルGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真右から2番目)、2位に入ったレッドブルのマックス・フェルスタッペン(同左端)、3位でレースを終えたフェラーリのキミ・ライコネン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)拡大

2018年11月11日、ブラジルはサンパウロにあるアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで行われたF1世界選手権第20戦ブラジルGP。5番グリッドから優勝街道を突き進んでいたマックス・フェルスタッペンに思わぬ落とし穴が……。周回遅れと接触、スピンを喫したレッドブルの横を、5冠王者が通り抜けていった。

前戦メキシコGPで5冠を達成したメルセデスのハミルトン(写真)。タイトル決定後の残りレースで、ポールも取れなければ優勝もできないというあしき記録を覆すべく、まずは予選で今季10回目のポールポジションを獲得。レースではスタートでトップを守るも、タイヤとパワーユニットのマネジメントに手を焼き、フェルスタッペンに首位を奪われてしまう。結果的に、接触によるフェルスタッペンの2位転落により、半ば“棚ぼた優勝”となったものの、クルーとともにチームのコンストラクターズチャンピオンシップ5連覇を喜んでいた。1.6リッターターボ・ハイブリッド規定が始まった2014年から続くメルセデスとハミルトンの快進撃。ハミルトンはこの5年間、99レースで50勝を記録したことになる。(Photo=Mercedes)
前戦メキシコGPで5冠を達成したメルセデスのハミルトン(写真)。タイトル決定後の残りレースで、ポールも取れなければ優勝もできないというあしき記録を覆すべく、まずは予選で今季10回目のポールポジションを獲得。レースではスタートでトップを守るも、タイヤとパワーユニットのマネジメントに手を焼き、フェルスタッペンに首位を奪われてしまう。結果的に、接触によるフェルスタッペンの2位転落により、半ば“棚ぼた優勝”となったものの、クルーとともにチームのコンストラクターズチャンピオンシップ5連覇を喜んでいた。1.6リッターターボ・ハイブリッド規定が始まった2014年から続くメルセデスとハミルトンの快進撃。ハミルトンはこの5年間、99レースで50勝を記録したことになる。(Photo=Mercedes)拡大
このレースの結果を左右した決定的瞬間。5番グリッドからトップまで上り詰めたレッドブルのフェルスタッペン(写真右)が、レーシングポイント・フォースインディアのエステバン・オコン(同左)を周回遅れにしようとしたが、オコンが前に居座ろうとして2台は接触、スピン。フェルスタッペンはマシンにダメージを負いながらも周回を重ね2位でチェッカードフラッグを受けたものの、オコンとの一件で勝利を逃したことに怒り心頭。レース後の体重測定で鉢合わせた2人は一触即発の状態となった。この接触について、ウィナーのハミルトンは「君(フェルスタッペン)とは違い、オコンは失うものはなかった」と、フェルスタッペンの脇の甘さを指摘する発言をしていた。(Photo=Red Bull Racing)
このレースの結果を左右した決定的瞬間。5番グリッドからトップまで上り詰めたレッドブルのフェルスタッペン(写真右)が、レーシングポイント・フォースインディアのエステバン・オコン(同左)を周回遅れにしようとしたが、オコンが前に居座ろうとして2台は接触、スピン。フェルスタッペンはマシンにダメージを負いながらも周回を重ね2位でチェッカードフラッグを受けたものの、オコンとの一件で勝利を逃したことに怒り心頭。レース後の体重測定で鉢合わせた2人は一触即発の状態となった。この接触について、ウィナーのハミルトンは「君(フェルスタッペン)とは違い、オコンは失うものはなかった」と、フェルスタッペンの脇の甘さを指摘する発言をしていた。(Photo=Red Bull Racing)拡大
このレース、すっかり脇役となってしまったフェラーリ勢。スクーデリアでの出走150戦目を迎えたライコネン(写真)は、4番グリッドからスタートし、苦戦するセバスチャン・ベッテル、バルテリ・ボッタスらを尻目に表彰台まで駒を進め、結果3位。フェラーリ在籍最後の年に、ポディウム12回、優勝1回と、最年長ドライバーにとっての2018年はまずまずの戦績で終えられそうである。(Photo=Ferrari)
このレース、すっかり脇役となってしまったフェラーリ勢。スクーデリアでの出走150戦目を迎えたライコネン(写真)は、4番グリッドからスタートし、苦戦するセバスチャン・ベッテル、バルテリ・ボッタスらを尻目に表彰台まで駒を進め、結果3位。フェラーリ在籍最後の年に、ポディウム12回、優勝1回と、最年長ドライバーにとっての2018年はまずまずの戦績で終えられそうである。(Photo=Ferrari)拡大

これからを見据えたラスト2レース

前戦メキシコGPでルイス・ハミルトンが史上3人目となる5回目のタイトルを決めたことで、残るブラジル、アブダビは“消化レース”になると思えなくもなかった。しかし、「このままではシーズンを終われない」という“消化不良のドライバー”の奮起が見られるかもしれないと思えば、また別のおもしろさが発見できた。

そんなドライバーの筆頭は、メルセデスのバルテリ・ボッタスだろう。今季これまでの最上位は2位で、その数は実に7回。アゼルバイジャンGPでは優勝目前でタイヤバーストに泣き、ロシアGPではタイトルを争うハミルトンにトップの座を譲るなど、今年は多くのレースで悔しい思いをしてきた。フェラーリ、レッドブルを含めた3強チーム6人のドライバーの中で唯一勝利がないボッタス。このままで終われば、2012年のミハエル・シューマッハー以来となる“年間で勝ち星がなかったメルセデスドライバー”というあしき記録が残ってしまう。昨年のブラジルでポールを決めアブダビでの最終戦ではポール・トゥ・ウィンを達成したような、ラスト2戦の巻き返しが期待される。

フェラーリのセバスチャン・ベッテルも、今シーズンを良いかたちで締めくくりたいところ。メキシコでは好走し2位となるも、ハミルトンに栄冠を奪われたスクーデリアのエースは、レース後に新チャンピオンに駆け寄りその偉業をたたえたものの、記者会見では「敗退が決まった瞬間は最悪の気分を味わった」と正直な心情を吐露した。2年連続ランキング2位に終わったベッテルとしても、またコンストラクターズチャンピオンシップで首位メルセデスを55点差で追うフェラーリとしても、宿敵に一泡吹かせ、来季へとつなげたいところだった。

今年誰よりも多い8回のリタイアを数えるダニエル・リカルド。あまりにも多発するメカニカルトラブルにフラストレーションを募らせた彼は、残り2戦の欠場すら匂わせていたものの、気を取り直してブラジルGPに臨むことに。しかしメキシコGPでコース脇にマシンをストップした際、マーシャルに消火剤をかけられたことが原因で、ブラジルではターボチャージャーを交換、5グリッド降格ペナルティーを受けることとなってしまった。レッドブルでの最後の2戦、再び満面の笑みとともに“シューイ”を見ることはできるか?

あまりに3強のパフォーマンスが突出しているため、その下は別のカテゴリーとして「クラスB」などと呼ばれたることがあるが、中団は中団で激しい戦いが繰り広げられている。ドライバーズランキング7位、69点を獲得しているルノーのニコ・ヒュルケンベルグから、レーシングポイント・フォースインディアで11位につけるエステバン・オコンまで、5人が20点内にひしめいていた。ライバルに1点でも差をつけ、ひとつでも上で終えたいドライバーたちにとっても、気が抜けないシーズン大詰めとなる。

11月7日には、リバティ・メディアがF1のオーナーになって以来初めての新しいGPとして、2020年からベトナムGPがスタートすることが正式に発表された。それぞれがこれからを見据えながら、2018年シーズンを締めくくろうとしていた。

今季最多8回のリタイアとツキに見放されていたレッドブルのダニエル・リカルド(写真左前)。前戦メキシコGPでもマシントラブルで戦列を去り、最高潮に達したフラストレーションの勢いで残り2戦の欠場すら匂わせていたが、気を取り直してブラジルにやってきた。メキシコでの余波でターボチャージャーを交換せねばならず5グリッド降格で11番グリッドからスタートすることとなったものの、レース序盤にすぐさまポイント圏内に入り、終盤3位ライコネンを追い回しての結果4位。来季ルノーに移籍する彼にとって、レッドブルで戦うのもあと1戦だ。(Photo=Red Bull Racing)
今季最多8回のリタイアとツキに見放されていたレッドブルのダニエル・リカルド(写真左前)。前戦メキシコGPでもマシントラブルで戦列を去り、最高潮に達したフラストレーションの勢いで残り2戦の欠場すら匂わせていたが、気を取り直してブラジルにやってきた。メキシコでの余波でターボチャージャーを交換せねばならず5グリッド降格で11番グリッドからスタートすることとなったものの、レース序盤にすぐさまポイント圏内に入り、終盤3位ライコネンを追い回しての結果4位。来季ルノーに移籍する彼にとって、レッドブルで戦うのもあと1戦だ。(Photo=Red Bull Racing)拡大

僅差の戦いを制し、ハミルトンが10回目のポール

1周4.3kmと短いサンパウロのコースでは、ほんの少しのタイム差で順位が大きく変わってしまう。3回のフリー走行では3強がそれぞれ僅差でトップを取り拮抗(きっこう)。しかし、時折雨粒が落ちるコンディションの中行われた予選に突入すると、力強いフェラーリのパワーユニットをフルに活用し、本家フェラーリをはじめザウバー、ハースが上位に進出することに。そんな流れを断ち切り、Q3でトップタイムをマークしたのはハミルトンだった。今シーズン10回目、通算82回目、そしてメルセデスの100回目のポールポジションは、たった0.093秒の差で勝ち取ったものだった。

P1までわずかに届かなかったベッテルは予選2位。セッション中に車重測定の番が回ってきたことに腹を立て、オフィシャルの指示に従わなかったという軽率な振る舞いも見られたが、降格ペナルティーではなく注意と罰金で事が済んだのは幸いだったというべきだろう。ポールから0.160秒差のボッタスは予選3位、キミ・ライコネンは4位と、メルセデスとフェラーリが2列目まで交互に並んだ。

3列目には、マックス・フェルスタッペン5位、リカルド6位とレッドブル勢がつけるも、リカルドは5グリッド降格で11番グリッドへ。キャリア最高の予選7番手タイムを記録したザウバーのマーカス・エリクソンは、さらにひとつ順位を上げ6番グリッドと好位置につけた。ザウバーのもう1台、シャルル・ルクレールが7番グリッド、ハース勢はロメ・グロジャン8番グリッド、ケビン・マグヌッセン10番グリッドと2台がトップ10内に入った。そしてトロロッソのピエール・ガスリーが9番グリッドから入賞を目指すこととなった。

今季19戦して優勝なし、2位は7回と、なかなかポディウムの頂点に立てないでいたメルセデスのバルテリ・ボッタス(写真)。タイトルを争うチームメイトのハミルトンに勝利を譲った第16戦ロシアGPは記憶に新しいところだが、そのほかにも第2戦バーレーンGP、第3戦中国GP、第4戦アゼルバイジャンGPなど、特にシーズン序盤には惜しくも敗れたレースも多かった。メルセデスのコンストラクターズチャンピオン5連覇に向けても、また来季を見据えた自身のためにも、残り2戦で奮起したいところだったが、ブラジルでは予選3番手からスタートで2位に上がるも、その後は厳しいレースを強いられることに。ペースが上げられず、タイヤを2回交換して結果5位。終盤に記録したファステストラップの数も、今年7回目となった。(Photo=Mercedes)
今季19戦して優勝なし、2位は7回と、なかなかポディウムの頂点に立てないでいたメルセデスのバルテリ・ボッタス(写真)。タイトルを争うチームメイトのハミルトンに勝利を譲った第16戦ロシアGPは記憶に新しいところだが、そのほかにも第2戦バーレーンGP、第3戦中国GP、第4戦アゼルバイジャンGPなど、特にシーズン序盤には惜しくも敗れたレースも多かった。メルセデスのコンストラクターズチャンピオン5連覇に向けても、また来季を見据えた自身のためにも、残り2戦で奮起したいところだったが、ブラジルでは予選3番手からスタートで2位に上がるも、その後は厳しいレースを強いられることに。ペースが上げられず、タイヤを2回交換して結果5位。終盤に記録したファステストラップの数も、今年7回目となった。(Photo=Mercedes)拡大
前戦メキシコGPでハミルトンにタイトル争いで敗れ悔しい思いをしたフェラーリのセバスチャン・ベッテル(写真)。続くブラジルGPでは、力強いパワーユニットのおかげもありフェラーリが上位に食い込んだが、予選ではハミルトンに0.093秒差をつけられ惜しくも2番手。昨年、そして2010年も2位から優勝しており、期待をもって決勝へと向かったものの、その走りは精彩を欠いていた。フォーメーションラップ中にセンサー異常が発覚、セッティングを変えての走行で思うようにペースが上がらない。スタートで3番手に落ち、以後ズルズルと後退、2ストップ作戦で6位完走と残念な結果となった。(Photo=Ferrari)
前戦メキシコGPでハミルトンにタイトル争いで敗れ悔しい思いをしたフェラーリのセバスチャン・ベッテル(写真)。続くブラジルGPでは、力強いパワーユニットのおかげもありフェラーリが上位に食い込んだが、予選ではハミルトンに0.093秒差をつけられ惜しくも2番手。昨年、そして2010年も2位から優勝しており、期待をもって決勝へと向かったものの、その走りは精彩を欠いていた。フォーメーションラップ中にセンサー異常が発覚、セッティングを変えての走行で思うようにペースが上がらない。スタートで3番手に落ち、以後ズルズルと後退、2ストップ作戦で6位完走と残念な結果となった。(Photo=Ferrari)拡大

タイヤに苦しむメルセデス、フェルスタッペンが首位へ

ピレリがブラジルに持ち込んだタイヤは、硬い方からミディアム、ソフト、スーパーソフト。フェラーリ2台はライバルのスーパーソフトより戦略上有利とされたソフトタイヤを履いてスターティンググリッドについたのだが、結果的にその効果はレースで発揮されず、スーパーソフトを装着してスタートしたレッドブルが猛威を振るうことになった。

71周のレースが始まると、ターン1にトップで飛び込んだのはハミルトン。蹴り出しのいいタイヤでボッタスが2位に上がり、ベッテルは1つドロップして3位、ライコネン4位、フェルスタッペン5位、リカルドは一気にポイント圏内の9位に入ってきた。

早々から元気な走りを披露したのがフェルスタッペンだった。3周目にはライコネンを抜き4位、翌周ベッテルをもオーバーテイクし3位、10周目にはボッタスをかわして2位まで駒を進めると、今度は2秒前方の首位ハミルトンにジリジリと詰め寄っていった。

一方、タイヤと格闘中のメルセデス勢は防戦に追われていた。3位ボッタスがフタをするかたちで、4位ライコネン、5位ベッテル、そして6位リカルドまでが数珠つなぎに。この状況を打開すべく、メルセデスは19周目にボッタスをピットに呼びミディアムタイヤに交換。次のラップにはハミルトンもこの動きにならった。

暫定首位のフェルスタッペンは、ファステストラップを更新しながら周回を重ね、36周目にようやくピットに入り、よりグリップのあるソフトタイヤを履いてコースに復帰。引き続きハミルトンが前、フェルスタッペンは後ろという位置関係だったが、勝負はこれからとペースを上げたフェルスタッペンは、ついに40周目のターン1手前で、名実ともにトップに立つのだった。

残り2戦、コンストラクターズランキング8位のザウバーを3点差で追っていたトロロッソ勢は、ピエール・ガスリーが予選10位、リカルドの降格ペナルティーで9番グリッドと入賞が望める位置からスタート。オープニングラップで8位に上がるもその後は後退を余儀なくされ13位完走。「ポイント獲得にはペースが足らなかった」とはレース後の弁。一方、チームメイトのブレンドン・ハートレー(写真)は、僅差でQ1突破ならず予選17位、オコンの降格ペナルティーで16番グリッド。スタートタイヤに一番硬いミディアムタイヤを選びロングランを成功させ、入賞まであと1歩の11位完走を果たした。(Photo=Toro Rosso)
残り2戦、コンストラクターズランキング8位のザウバーを3点差で追っていたトロロッソ勢は、ピエール・ガスリーが予選10位、リカルドの降格ペナルティーで9番グリッドと入賞が望める位置からスタート。オープニングラップで8位に上がるもその後は後退を余儀なくされ13位完走。「ポイント獲得にはペースが足らなかった」とはレース後の弁。一方、チームメイトのブレンドン・ハートレー(写真)は、僅差でQ1突破ならず予選17位、オコンの降格ペナルティーで16番グリッド。スタートタイヤに一番硬いミディアムタイヤを選びロングランを成功させ、入賞まであと1歩の11位完走を果たした。(Photo=Toro Rosso)拡大
事実上の引退まであと2戦となったマクラーレンのフェルナンド・アロンソ(写真)。モナコGPウィナーであり、今年ルマン24時間レースを制した彼は、「世界3大レース制覇」という野望をかなえるべく、2017年に続き2019年もインディアナポリス500にマクラーレンとともに参戦することを発表した。夢は大きく、しかし現状は厳しくといったところで、ブラジルGPでは過去5戦で4回目のQ1敗退、17番グリッドからレースに臨み、そこから抜け出せず17位完走。(Photo=McLaren)
事実上の引退まであと2戦となったマクラーレンのフェルナンド・アロンソ(写真)。モナコGPウィナーであり、今年ルマン24時間レースを制した彼は、「世界3大レース制覇」という野望をかなえるべく、2017年に続き2019年もインディアナポリス500にマクラーレンとともに参戦することを発表した。夢は大きく、しかし現状は厳しくといったところで、ブラジルGPでは過去5戦で4回目のQ1敗退、17番グリッドからレースに臨み、そこから抜け出せず17位完走。(Photo=McLaren)拡大

フェルスタッペンがまさかの接触で2位、

自身初の2連勝に向けてひた走るフェルスタッペンがこのまま逃げ切るかと思われたが、44周目、まさかの展開が待ち構えていた。周回遅れとなるエステバン・オコンが道を譲らず、当然抜かせてくれると思っていたフェルスタッペンと接触。2台はスピンし、その横をハミルトンが通過していった。

期せずしてトップを奪還することとなったハミルトンと、手負いのマシンをドライブすることになった2位フェルスタッペン。5秒あった間隔は、4秒台、3秒台、残り10周で2秒台と徐々に縮まっていったが、1.5秒となった時点でゲームオーバー。ハミルトンによるポール・トゥ・ウィンと相成った。僚友ボッタスは、2度目のピットストップを行なったことで5位フィニッシュといささか寂しい結果となったが、それでもメルセデスがコンストラクターズチャンピオンシップ5連覇という快挙を達成したことに変わりはなかった。

「1年間、このために頑張ってきたんだ!」と力強く語ったハミルトン。チームとのダブル戴冠もうれしいが、彼自身としても、「タイトル決定後、残りのレースで勝てない」というあしき記録を覆す、会心の勝利だったことだろう。

対照的に、2位フェルスタッペンは接触したオコンを「あのバカ野郎」とののしるなどご乱心。レース後の体重測定で鉢合わせたオコンとど突き合うシーンも見られ、スチュワードからお呼びがかかるほどだった。「2位はうれしいが、勝てたレースだった」とは、うそ偽りのない気持ちだろう。悔しい思いをしているのはレッドブルも同じだろうが、とはいえ、リタイア続きだったリカルドがライコネンと堂々と表彰台を争い、4位で無事にフィニッシュしてくれたことには胸をなでおろしたに違いないだろう。

それぞれがそれぞれの思いを胸に、2018年シーズンの最終戦に向かう。第21戦アブダビGP決勝は、11月25日に行われる。

(文=bg) 
 

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