世界を飛び回ったこの一年
塩見 智の2018年私的10大ニュース
2018.12.19
デイリーコラム
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いろいろあった2018年もいよいよ大詰め。中国・北京にサウジアラビアに、取材で世界中を飛び回ったモータージャーナリスト塩見 智にとってはどんな一年だったのか。私的10大ニュースを発表!
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ブランニューモデルに感激
10位:三菱復権!? 「エクリプス クロス」と「アウトランダーPHEV」、そして「デリカD:5」の顔
今年出たこれらの3モデルはそれぞれに狙いが明確で、ハード的にもその狙い通りにできていて魅力的でした。デリカD:5の新しい顔についてはそうですね……、2019年の中頃にはすっかり見慣れていると思います。
9位:シオミ、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)初投票! 「カローラ スポーツ」に10点、「ボルボXC40」に6点
どちらに最高点の10点を入れるか最後まで迷いましたが、いつまでたっても決められず、最後は自国のクルマを応援したいという気持ちでトヨタ・カローラ スポーツに決めました。
8位:トヨタ、ルマン優勝
アウディ、ポルシェとの三つどもえの時代に勝ってほしかったというのが本音ですが、勝たないよりはいいですよね。
7位:クロカンの両雄、「メルセデス・ベンツGクラス」と「ジープ・ラングラー」が新型に
プラグインハイブリッド車も電気自動車(EV)も魅力的ですが、友達と話していて盛り上がるのはこっちですよね。
6位:テスラ包囲網! 「ジャガーIペース」と「アウディe-tron」がデビュー
“テスライーター”といえる2種のラグジュアリーEVが相次いで登場し、乗る機会を得ました。どちらもクルマ本体の出来はすばらしく、未来ってこんな感じなのかとワクワクします。しかし、日本国内での充電環境が万全とはいえず、現状では相談されてもただし書き付きでしか勧められません。
北京で感じた“ホンモノ”のオーラ
5位:新型「スズキ・ジムニー」発売……日本COTY本命視されるも辞退へ
辞退しなければとれたでしょうし、辞退しても印象がよくなるわけではないので挑んでおけばよかったと思いますが、セールス絶好調だからとってもとらなくても、辞退してもしなくても、どっちでもよかったのかもしれません。クルマは最高だと思います。姿が明らかになって気に入り、試乗して買う気満々になりましたが、遅いのとアダプティブクルーズコントロールがないのが我慢できず、結局踏み切れませんでした。でも乗っている人を見るとうらやましいです。
4位:袖ヶ浦フォレストレースウェイで新型「スープラ」のプロトタイプに試乗
ニッポンに住むクルマ好きとしてニッポンのスポーツカー誕生を喜ばない理由がありません。それがBMWとの協業というか、BMWのコンポーネンツを使ったものであったとしてもです。試乗記はwebCG以外にもweb上にあふれているのでそちらを参照していただくとして、僕としてはスープラを買いませんが応援します。
3位:北京で「ロールス・ロイス・カリナン」のプレビュー取材
カリナンが正式デビューしたのは5月ですが、実はその前に中国・北京でプレビューイベントが行われました。これより先には英国で小規模のプレビューが行われただけだといいますから、ロールス・ロイスが初めてSUVをラインナップするに際し、いかに中国を重視していたかが分かります。初めて見た実車は私の予想をはるかに超えて威風堂々としており、一瞬で心を奪われました。プレビューは伝統的な建物が並ぶ胡同地区で行われたのですが、西洋の最新の乗用車とのコントラストが際立って見え、とても印象的でした。
外国人が最も入国しにくい国へ
2位:サウジアラビアでフォーミュラEを取材
5シーズン目を迎えたフォーミュラE。今季投入された大容量バッテリー(54kWh)を積んだ新型マシンでレースが行われたのですが、私の関心は開幕戦の開催国であるサウジアラビアそのものにありました。国内にあるイスラム教の聖地メッカへの巡礼、またははっきりとしたビジネス上の目的がある場合を除くと、外国人にビザが発給されるのは異例だそうです。そういう意味で外国人が最も入国しにくいといわれるサウジアラビアですが、フォーミュラE取材という目的で申請したところ、あっさりビザをもらえました。もちろん、これは主催者のFIAがジャーナリストに対してビザを発給するよう後押しをしているからですが。
ともあれ、同じ中東でもUAEのアブダビやドバイなどに比べると小さな空港に降り立ちました。しかし右から読むアラビア文字を見慣れれば、存在するあれこれは他の国と変わりません。多くのアメリカ車が走り、スタバやマックといったアメリカ資本のファストフード店が立ち並んでいます。
建物が集中して街を形成し、街外れになると砂漠というか土漠が広がり、ハイウェイをしばらく走ると次の街が現れるといった具合。フォーミュラEは首都リヤドの隣にあるディルイーヤという街の、遺跡を囲むように特設されたコースで行われました。コース脇の何カ所かに立派な観客席が設けられていましたが、決勝でも観客は半分程度でしょうか。告知不足なのか、EVに興味がないのか、モータースポーツに興味がないのか分かりませんが、完全にテレビ中継のためのイベントという印象です。
結果については他の記事にお任せします。新しいコースなので比較データがないのですが、新しいマシンは従来の2倍近い容量のバッテリーを搭載していて重いはずですが、これまでよりも速く走っているように見えました。
そうそう、サウジアラビアでは女性がアバヤという黒い布をかぶっていて、とても神秘的(としか表現できない感じ)でした。
やっぱり1位はあの話題に……
1位:日産カルロス・ゴーン大騒動
11月19日の夕方、「カルロス・ゴーン日産会長逮捕」という一報が入りました。1999年、苦境の日産に“コストカッター”の異名を持つゴーン氏がルノーから派遣されなければ、日産は倒産し、民事再生法が適用され、二束三文で別のメーカーに吸収され、「NISSAN」ブランドも残っていなかったかもしれません。その日産のV字回復の立役者自らが、蓄財のために不正を働いた疑惑で逮捕されるという現実に、人間の本性を見た、いや違うな、人間は変わるのだなということを見せつけられた気がしました。
その日、ゴーン前会長は羽田空港に着陸した途端、ビジネスジェットの機内に東京地検が乗り込んできて逮捕されました。ほぼ同時刻に同じ容疑をかけられたグレッグ・ケリー前代表取締役も、東関道のどこかのサービスエリアで逮捕されました。頼んでもいないのに(指示を受けた)運転手が突然サービスエリアに入って停車した時、ケリー氏は、運転手は腹の調子が悪いのかな? とでも考えていたかもしれませんが、実際には運転手のみに連絡が入り、後ろに座る役員を逮捕するためにサービスエリアに入ったわけですから劇的です。このあたり、池井戸 潤や真山 仁あたりが現在絶賛取材中でしょうから、作品を待ちましょう。山崎豊子がいないのが残念です。
それにしても、日産が久々に世界を驚かせたと思ったら、それがプロダクトに対する驚きではなくトップの逮捕劇だったとは残念です。
(文=塩見 智/写真=三菱自動車、トヨタ自動車、FCA、ジャガー・ランドローバー、スズキ、ロールス・ロイス・モーター・カーズ、日産自動車/編集=藤沢 勝)
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塩見 智
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