BMWアルピナD4ビターボ クーペ(前編)
2019.03.07 谷口信輝の新車試乗 ドイツの小さな自動車メーカー・アルピナが開発した、高性能ディーゼルモデル「BMWアルピナD4ビターボ クーペ」。今回初めて対面した谷口信輝には、どんな印象を与えたのか? 同社のヒストリーを交えつつリポートする。知る人ぞ知る名門
「あれ、これなんて読むんですか?」
BMWアルピナD4ビターボを目の前にして、谷口信輝がそう尋ねた。私が「アルピナです」と応えると、「ああ、ちょっとアルピーヌと似ていますよね」と口にした。どうやら、谷口はあまりアルピナについて詳しくないようである。
アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン有限&合資会社(以下、アルピナ社と記す)が設立されたのは1965年のこと。社名にもあるブルカルト・ボーフェンジーペンが創業者であり、彼と息子のアンドレアスおよびフロリアンが株式を所有する家族会社でもあった。
ブルカルト・ボーフェンジーペンの父は事務機メーカーを営んでいたが、ブルカルトは「BMW 1500」のエンジンにウェーバーのツインチョークキャブレターを装着した仕様の開発に着手。このエンジンがBMWからも高く評価され、BMWの保証が適用されることになる。これに自信を得たブルカルトは前述のアルピナ社を設立。創業間もない頃に生まれたエンブレムには、ウェーバーのツインチョークを象徴する2本のエアファンネル、それに洗練されたサスペンションを意味するスプリングのイラストがあしらわれた。
アルピナの名が広く知られるようになったのはモータースポーツがきっかけで、1968年よりツーリングカーレースに参戦。デレック・ベル、ジェームズ・ハント、ジャッキー・イクス、ニキ・ラウダ、ハンス・シュトックといった当代一流のドライバーを起用し、1960年代後半から1970年代半ばまでに数々の成功をおさめた。1970年代後半にはコンプリートカーを次々と開発。中でも当時の「BMW 5シリーズ」をベースとした「B7ターボ」は最高出力300psのパワフルなエンジンを搭載する一方で、アルピナがチューンしたシャシーはスポーティーなハンドリングと洗練された乗り心地を両立しており、日本をはじめとして世界中に多くのファンを生み出すこととなった。
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