フェラーリがワンオフモデル「P80/C」を公開
2019.04.01 自動車ニュース![]() |
伊フェラーリは2019年3月25日(現地時間)、レーシングモデル「488GT3」をベースとしたワンオフモデル「P80/C」を公開した。このモデルは「フェラーリ・ワンオフ・プログラム」の最新作。2015年に開発がスタートした、同プログラムで最も長い開発期間をかけたモデルとなった。
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フェラーリ・ワンオフ・プログラムとは、2008年にスタートした「ポートフォリオ・コーチビルディング・プログラム」がルーツになる。フェラーリのラインナップをベースに、顧客の希望に沿ったデザインやパフォーマンスを持った車両をフェラーリ社外のスペシャリストたちと協力・開発し、世界唯一のモデルとして製作するというものだった。
しかし、2010年にフェラーリが自社デザインセンターを開設したことから、以降は社内でフラヴィオ・マンゾーニ氏が率いるチームが、すべてのリクエストに対応することとなり、プロジェクト名もフェラーリ・ワンオフ・プログラムに改められている。
このプログラムを事業化するに至ったきっかけを作ったのは、フェラーリのコレクターとして著名なアメリカ人映画監督が「エンツォ・フェラーリ」をベースにワンオフ製作を依頼、2006年に誕生した「P4/5ピニンファリーナ」だった。フェラーリ・ワンオフ・プログラムとしての記念すべき第1号は、世界屈指の日本人フェラーリコレクターがオーダーした、2008年の「SP1」。これを皮切りに、以降十数台のワンオフモデルがマラネロからオーダーした顧客のもとへとデリバリーされている。
今回公開されたP80/Cは、前述の通り488GT3をベースとしたサーキット専用マシン。オーダーしたのはフェラーリエンスージアスト一家の出身で、自身も知識と見識を持つフェラーリコレクターであるという。
ホイールベースを50mm延長し、コックピットをセンター寄りに配置し直したレーシーなフォルムが特徴だ。エクステリアデザインは往年の「330 P3/P4」や「ディーノ206S」「250LMベルリネッタ」へのオマージュとされているが、一見しただけではベースモデルが何か分からないほど、大胆なリデザインが行われている。
カーボンファイバー製となるボディーは、モータースポーツのレギュレーションによる規制がないため、自由な発想で構築されている。例えばサーキット専用マシンらしくヘッドライトなどは装備されず、アルミ製ルーバーを持つエンジンカバーやトンネルバックスタイルに沿ってカーブしたリアウィンドウなどは330 P3/P4がモチーフ。キャビン後方に備わる小さなウイングは、2017年のF1マシンで導入された「Tウイング」からインスパイアされた空力デバイスになる。
488GT3ベースであることを最も色濃く伝えているのは、コックピットである。インパネデザインは基本的にベースモデルを踏襲し、各種スイッチが並ぶステアリングホイールも同様だ。2座分が用意されたブルーのバケットシートには、それぞれ6点式シートベルトが備わっている。
ホイールはサーキット走行用のセンターロック式18インチと、「エキシビションパッケージ」と呼ばれる21インチの2種類が用意されている。後者を選択した場合は、純粋なフォルムを強調するため、エアロデバイスが一切装備されない仕様となる。
(webCG)