間もなく到来する“前代未聞”の10連休
渋滞予測はどうしてできるのか?
2019.04.03
デイリーコラム
渋滞にはまったらガマンが一番
今年のゴールデンウイーク(GW)は史上初の10連休! いったいぜんたい渋滞はどうなるんだろう? と、今から恐怖におののいている方も少なくないだろう。
GWに限らず、高速道路の渋滞を避ける唯一の方法は、NEXCOや日本道路交通情報センターが発表している『渋滞予報カレンダー』を見て、渋滞する時間帯を避けて走ること。予報の的中率は約8割とかなり高い。渋滞の専門家である私も常に推奨している。これ以外に方法はない。裏技はないのだ。
よく「大渋滞の時は下道に降りたほうがいいのか」とか「どの車線が速いのか」とか聞かれるが、下道に降りて高速に勝てる確率は1割程度。車線に関しては、左車線(走行車線)のほうが速いことが多いが(7割程度)、特殊な要因がない限り、その差は渋滞20kmあたりでせいぜい1分程度だ。
1分の差というのは、台数だと30台分ほど。30台に先に行かれると、「ものすごく遅れた~」という気分になるが、それは気分だけの話で、実は時間にすると1分程度でしかない。SAPAでトイレ休憩すれば、それだけで最低15分くらいはかかるのだから、1分なんてまったく気にする必要なし。「どの車線が速いか」については、考えないのが一番だ。
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2019年のGW渋滞は“穏やかにダラダラ”
で、今年のGWは、史上初の10連休なわけだが、その渋滞予測が発表された。それを見ると、例年に比べて渋滞は平準化される傾向が見てとれる。
例年、渋滞のピークは、5月3日からのGW後半に集中していて、前半はそれほどでもなかった。昨2018年の渋滞予測では、下り線の渋滞ピークは5月3日で、10km以上の渋滞予測回数は62回とされていた。
一方今年はというと、下り線の渋滞ピークは5月3日で変わらないものの、10km以上の渋滞予測回数は37回と、大幅に減っている。その分、4月27日からのGW前半の渋滞が増加している。
全体で見てみると、今年の10km以上の渋滞発生予想回数は401回。昨年は432回だったので、若干の減少となっている。
渋滞というのはつまり「交通集中」なので、連休が長くなれば、クルマで出掛ける人が純増しない限り、渋滞は減少する計算になる。10連休だから、出掛ける人もそれに比例して増えるかというと、なかなかそうもいかないのが世の中だ。つまり今年のGW渋滞は、例年より穏やかにダラダラ続く傾向になるだろう。
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予測は外れることもある
ところでこういった渋滞予測は、どうやって行っているのか。
NEXCO東日本のホームページによると、過去3年間の渋滞を時間、距離のグラフに記入し、それを重ね合わることで予測を行っているとある。加えて、新しい路線の開通や新しい観光地、商業施設、イベント開催などの状況を、予測に反映させている。
今回は史上初の10連休。つまり前例はないわけだが、渋滞予測は、常に前例のない部分を予測に加味していた。よって今回も予測は可能だった、ということになる。
といっても、もちろん不確定要素はある。例えば4年前、常磐道が全線開通した直後のGWでは、予測よりも常磐道の渋滞が悪化し、その分東北道の渋滞が減少した。天気予報と同じで、予測は常に多少外れるものなので、それは仕方ないだろう。
しかし私は、今年のGW渋滞は、ひょっとして若干いいほうに外れるのでは、という予感がある。つまり、予測よりも渋滞が分散するのではないかということだ。
ちなみに渋滞箇所だが、30km以上の渋滞発生予測箇所は、ほとんど首都圏に集中している。これは、ここ数年、東海・関西地域で新東名・新名神の新規開通が相次いだためだ。例年大渋滞を起こしていた東名阪・鈴鹿付近や、中国道・宝塚付近は、どちらも新名神の開通で渋滞は大幅に減少する。首都圏以外で大渋滞するのは、中央道下り土岐JCT付近と、名神の京都‐大津間くらい。あとはほぼすべて首都圏である。
ちなみに首都圏の大渋滞だが、現在対策が進んでいるのは、東名・大和トンネル付近および中央道・小仏トンネル付近の付加車線設置工事だけ。しかも、どちらも対策として不十分で、渋滞は必ず残る。首都圏だけは、私が生きている間は、GWやお盆、年末年始の大渋滞から逃れられないだろう。逆にいえば、大渋滞するのは「ほぼ首都圏だけ」になっていくだろう。
(文=清水草一/写真=NEXCO中日本、NEXCO東日本/編集=藤沢 勝)
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清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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