第3回:2レース制の富士ラウンドは「悔しい!」
2019.04.27 池島実紅の「挑戦! 86/BRZ Race」2019年4月20日~21日に富士スピードウェイで開催された「GR 86/BRZ Race」第2戦。今回は初の2レース制ということもあり、マシンのセットアップの進め方で考えるポイントも増え、新たな戦略が必要となりました。今大会もクラブマンシリーズのエキスパートクラスに参戦し、#89をドライブしている私、池島実紅がレースの模様をリポートします。
(文=池島実紅、写真=池島実紅、CAR GRAPHIC)
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1/20今大会のチーム全体写真撮影! 前回よりも自由度が増えたような……(笑)。走行が始まると熱く真剣な雰囲気になりますが、その他の時間はこの写真のように、みんな自由で楽しく過ごしています。今回もディーラーメカニックさんが6人参加しました。
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2/20まずは私が参戦するクラブマンシリーズ エキスパートクラスの走行です。今大会は初の2レース開催。予選とレースで使用できるタイヤはマーキングされた1セットのみなので、ユーズドタイヤを使って、ロング走行に向けて佐野監督と相談しながらセットアップを進めました。
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3/20次はプロフェッショナルシリーズの走行です。プロフェッショナルシリーズも同じく2レース、タイヤ1セットで戦わなければなりません。プロフェッショナルシリーズのタイヤは非常にシビアなので、2レースという新たな戦いに挑むために、セットアップもより厳密に進めていきます。
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4/20午後の走行はプロフェッショナルシリーズ専有走行から。専有走行では全車トランスポンダー(計測機)を搭載して走行するため、周りの状況を知ることができます。メカニックさんが見ているタイミングモニターは、1周のタイムだけでなく1周を3つの区間に分けたセクタータイムをチェック可能。走行しているクルマの状況をより細かく把握できます。
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5/20専有走行では、限られた30分の走行の中で予選シミュレーションと決勝シミュレーションをしているため、早く確実な作業が必要です。今回サポートに来てくださったディーラーメカニックさんは皆さん作業に慣れていて、各自の役割分担に合わせて、素早く作業をこなしてくれました。
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6/20次はクラブマンシリーズ エキスパートクラスの専有走行です。私もユーズドタイヤで確認走行した後に予選シミュレーション! 89号車担当のメカニックさんたちが素早くタイヤ交換してくれたおかげで時間内でアタックすることができ、タイヤの内圧やセット確認もしっかりと行えました。
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7/20専有走行が終わったら予選前の車両清掃、メンテナンスです。89号車は今回初の2レースということもあり、トランスミッションを交換してもらうことになりました。
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8/20ディーラーメカニックさんが作業を実施しみんなで最終確認。メンテナンスのチェックを終えたところで本日の作業は終了です。朝早くから夜日が暮れるまで一生懸命作業してもらい、本当に毎回感謝の気持ちでいっぱいです。
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9/20予選日の朝、まずドライバーはメディカルチェック。車両の準備は公式車検から始まります。これは公式車検に並ぶ89号車の写真。台数が多いので毎回大行列です。89号車の担当メカニックさんたちが少しずつ押しながら、車検場へと進んでいきます。マネージャーの麻衣子さん(写真手前)も押してくれました!
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10/20土曜日、まずは私の予選からです。今回は1周目にタイヤのピークを合わせることができず2アタックとなり、結果は15番手(38台中)でした。いつもは1周アタックで終わる車両が多いのですが、トップ5台の中でも今回は3~4周アタックしている車両が多く見られました。もう少し粘って走ってもよかったかもしれない……と、少し悔しい予選となりました。
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11/20次は先輩方の予選です。今回井口選手は予選開始とともにコースインし、アタック。久保選手は前半作業エリアで待機し、残り7分でコースイン&アタックしました。結果、井口選手は8番手、久保選手は6番手で2台とも上位を狙える位置につけることができました!
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12/20決勝日の朝は、クラブマンシリーズの車両保管解除(6時半)から始まります! 車両保管が解除になったらすぐにマシンをチームのテントに持ち帰り、決勝前の最終チェックです。
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13/20クラブマンシリーズ エキスパートクラスの第1レースが始まります。スタート前のグリッドでディーラーメカニックさんたちと撮影。この後たくさんの方がグリッドまで応援に来てくださって、緊張がほぐれるとともに、さらに気合が入りました!
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14/20実は監督が、コースインしてグリッドについた89号車のタイヤの内圧を見て、アジャストしてくれていました。それが本当にばっちり合っていて、1コーナーを立ち上がった瞬間には目の前にトップ10の集団が! 「これは狙える」と確信した瞬間、体勢を乱した車両が89号車に真横から激突。マシンは大きなダメージを受けて走行不可能になり、そのままリタイアとなってしまいました。
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15/20私はコース内から救急車でサーキット内のメディカルセンターに搬送され、検査を受けました。レントゲンとエコーでの検査の結果、幸いにも骨と臓器への損傷は見受けられずほっと安心しましたが、腰の痛みがひどくて歩くことがつらい状況でした。メディカルセンターを出ることができた時にはちょうどプロフェッショナルシリーズの第1レースが終了していて、井口選手はブレーキミスの車両にBコーナーで接触されリタイア。久保選手は5番手でチェッカーを受けたと聞き、うれしい気持ちと悔しい気持ちがあふれました。
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16/20私が運転する89号車はダメージが大きく現場では修復が不可能だったため、第2レースへの出場を諦めざるを得なくなってしまいました。井口選手の車両はなんとか修復でき、走行が可能に。第2レースに向けて準備が進められ、修復完了したところでテントから2台を決勝レースへと送り出します。
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17/20プロフェッショナルシリーズ第2レース。2レース目は1レースの順位がグリッドとなります。そのため、第1レースを序盤に終えてしまった井口選手(写真)はピットからのスタートとなります。スタート前の井口選手は落ち着いた様子でした。
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18/205番手スタートと上位グリッドにつけた久保選手はいつも通り明るく面白く皆さんとお話しした後、乗り込む直前には真剣な表情に。スイッチが入ったのが見ていてわかりました。
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19/20井口選手はピットスタートだったので、1ポイントでも稼ぐことができるようにファステストラップを狙っていきましたが、惜しくも少し足りず……悔しい結果となりました。久保選手は途中4位に浮上しましたが、最終ラップで後続を抑えきれず5位でのチェッカー。ポイント獲得はうれしいですし、先輩の粘り強い走りとクリーンなバトルを見ることができたのは、とても勉強になりました。
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20/20今大会、私個人としてはレースで戦える自信があったので、とても悔しい思いです。ここまでクルマを仕上げてくださったチーム、ディーラーメカニックさんたち、そしていつも応援してくださっている皆さん、そして『webCG』をご覧いただいている皆さんにこのような形でのご報告となり、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。次戦のSUGO大会は5月18日~19日と目の前に迫っているので気持ちを切り替え、次こそは「BRZ」89号車で目立ちにいきたいと思います。引き続き応援お願いします!