第16回:CG ROBOT RACING TEAM 2019シーズンリポート Vol.7
挑み続けて 2019.11.02 池島実紅の「挑戦! 86/BRZ Race」 前戦のもてぎラウンドでは、予選12番手からスタートした久保凛太郎選手が予選12番手から怒涛(どとう)の追い上げを展開。好ダッシュで自らを波に乗せた凛太郎選手は、10周のレースが終了する頃には5位に浮上。前走車を次々とオーバーテイクするその姿は、もてぎに詰めかけた観客を大いに沸かせた。そんな、もてぎラウンドからひと月。TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceシリーズ最終戦(第8大会)が岡山国際サーキットを舞台に開催された。(『CG』2019年12月号から転載)
1秒以内に18人!
全8大会からなるTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019シリーズも、いよいよシーズン最後の大会を迎えた。シリーズ終盤を迎え、クラブマンシリーズ オープンクラス、クラブマンシリーズ エキスパートクラス、そしてプロフェッショナルシリーズという3つのクラスでは、タイトル争いがまさに佳境にさしかかっており、通常のラウンドでも緊張感漂うパドックは、いつにも増してピリッとした空気に包まれていた。
そんなタイトル争いも気になるところだが、われらがCG ROBOT RACING TEAMの2019年シーズンのベストリザルトは、十勝ラウンドで井口卓人選手がもたらした3位入賞。予選・決勝を前にした事前のテストではたびたびトップタイムをマークしているCG ROBOT RACING TEAMとあって、今季最後の大会となる岡山ラウンドではそれ以上の結果を期待したいところ。
そんな祈りにも似た思いを胸に挑んだ予選では、井口選手が1分56秒132で10番手、凛太郎選手は1分56秒225で11番手と、CG ROBOT RACING TEAMのふたりはグリッド5列目、6列目からスタートを迎えることに。ポールシッターは1分55秒594をマークした谷口信輝選手。その谷口選手のポールタイムから実に1秒以内に17人のドライバーがひしめくという、相変わらずのシビれっぷりだった。
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凛太郎選手が8位フィニッシュ
そんな予選が終了してから5時間半後、土曜夕刻に12周の周回数で行われた決勝第1ヒートでは、井口選手が11位、凛太郎選手が12位でそれぞれフィニッシュ。ハイスピードセクションのコース前半と、テクニカルなコーナーワークがモノをいうコース後半部分からなる一周3.703kmの岡山国際サーキットは、オーバーテイクポイントが限られるとあって、ドラマチックなパッシングはなかなか望めないが、井口、凛太郎の両選手はアグレッシブさと自制心のバランスを巧みにコントロールしてみせた。
翌日曜の午前にスタートを迎えた第2ヒート(12周)では、凛太郎選手が限られた条件のなかで果敢なドライブを披露。その結果、総合8位でチェッカーを受け、貴重な3ポイントをチームにもたらした。一方の井口選手は12位でフィニッシュし、シーズン最後のレースを締めくくった。
この結果、CG ROBOT RACING TEAMの2019年シーズン最終リザルトは、35ポイントを獲得した井口選手がシリーズ9位、また、26ポイントを手にした凛太郎選手はシリーズ11位となっている。
(文=早田禎久/写真=服部真哉)