わずかな費用でオーナー気分に!
ヤマハの新サービス「月極ライダー」って何だ?
2019.06.07
デイリーコラム
「月5%」でバイクを手元に
「二輪の免許を取ったものの、どんなバイクが自分に合うのか確信が持てない。できれば複数のバイクをじっくり試してみたい」
「しばらくバイクをお休みしていたけれど、また乗ろうかと思っている。でも、買ったはいいが、続かないと困るなァ……」
「春と秋。季節がいい時期だけバイクと過ごしたい」
そんな人に朗報! ヤマハが提案するバイク所有体験サービス「月極ライダー」なら、文字通り、月単位でさまざまなバイクを実際に所有することができる。それも、24時間単位で料金を計算する一般のバイクレンタルと比較すると、ググッとリーズナブルな価格で、普段の生活のなかでバイクと過ごせるというのだ。
具体的に見てみよう。まずは月極ライダーと提携するバイクショップから、気になるモデルを選択する。基本的に、在庫がある中古車(ヤマハ以外のブランドも含まれる)のなかから選ぶことになる。乗ってみたいバイクが見つかったら、月極ライダーの会員になって(これは無料)手続きを進める。
月々の支払いは、「支払総額」(車両本体価格+諸経費+税金・保険料)の5%。中古バイクゆえ、車両の年式や走行距離といったコンディションによって、同じモデルでも金額は上下する。頭金はない。
月ごとの料金には、消費税、任意保険(「対人・対物補償:無制限」など)、整備費用が含まれるので、安心感が高い。さらに月額の20%を料金に上乗せすることで、事故や盗難時の追加請求額を「支払い総額の80%まで」から「10万円まで」に制限できる「安心オプション」も用意される。必要なら、月2000円(税込み)でジェットタイプのヘルメット(インナー洗浄済み)を借りられるのもうれしいポイントだ。盗難防止に効果的な、バイクカバーやロックは、無料で貸し出される。
最初の月(30日間)が過ぎたら、いつでも返却でき、最長6カ月まで使える。一度返却して定期メンテナンスを受ければ、あらためて同じバイクを借りることも可能だ。もしそこまで気に入ったなら、買い取りも「あり」。ただし、その場合の金額は、月極ライダーで使っている間に支払った料金をマイナスしてくれるわけではない。通常通り、車両本体に、税金、整備費用、手数料などを合計したものとなる。
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長距離ライドやカスタムは注意
試しに、原稿執筆時に挙げられる月極ライダー車両の一部を紹介してみよう。
- ヤマハ・セロー250(250cc、2010年式、走行距離:8569km)
→月々2万2400円(購入時の現金支払総額:44万7000円) - ホンダ CB400 SUPER FOUR(400cc、2014年式、走行距離:1万6106km)
→月々3万4800円(購入時の現金支払総額:69万4960円) - ヤマハMT-09(850cc、2014年式、走行距離:1万4899km)
→月々3万1300円(購入時の現金支払総額:62万5960円)
利用する用途が異なるサービスではあるが、参考までに。ヤマハ バイクレンタルで「セロー250」(2018年式)を24時間レンタルした場合、1万2800円(以後、9100円/24時間)。「MT-09」(2019年式)では、1万9000円/24時間(以後、1万3400円/24時間)となる。
このように、いきなりバイクを購入するより、初期投資を大幅に抑えることができる月極ライダーだが、気になる点もいくつか。まず、「思い立ったが吉日」で、今日、明日でバイクを借りられるわけではない。対象バイクの整備、名義変更等が必要なためで、125cc以下で最短7日、125cc超では最短21日が、車両引き渡しまでに必要となる。ある程度、計画的に利用しないといけないわけだ。また、月極ライダーで借りられるのは、1回につき1台のみ。同時期に複数台を乗り比べるような使い方はできない。
改造やまた貸し禁止なのは当然として、貸出期間中に通算して、ひと月あたりの走行距離が500kmを超えると、1kmあたり20円の追加料金が発生する。要注意。100km超過したら2000円だ。「ヒマさえあればバイクで出掛けたい!」というライダーには、ガッツリ「ツーリングバイクとして使う」というより、「試しにツーリングしてみる」というスタンスが求められる。
エリアも客層も増やしたい
さて、ここまで胸を躍らせて読み進めてきた方には恐縮ですが、月極ライダーを利用できるのは、いまのところ埼玉県在住の人のみ。提携するバイクショップは、埼玉県内に7店舗を展開する「はとや」となる。
気軽に「バイクがある生活」を体験できる月極ライダー。これまでのレンタルやリースとは異なるまったく新しい試みなので、現在、実証実験を進めている。埼玉県が選ばれたのは、首都圏近郊で比較的多くのユーザーが住んでいるため。
実証実験の開始が2019年5月20日からなので、まだ日が浅いが、直近の様子をヤマハの方に聞いてみた。すると、「若い方から高齢者の方まで、幅広く利用いただいています。ただ、免許取り立てライダーの方が意外と少ないようなので、この部分を増やすことが今後の課題と考えております」とのこと。
人気のカテゴリーは、「予想以上に125cc以下」だそうで、一方、「大型バイクの、特に貸出費用が高い車両は想定よりも申込数が少ない」という。気軽に、比較的廉価でバイク生活を体験できるということで、趣味性より、むしろ小型バイクの「実用性」を検証したいユーザーが、まず試しているのでしょうか。
憧れの大型バイクは、無理してでも自分で買ってしまうところがあるけれど、「周りのお客さま(ライダー)が使って広まる口コミや、サービスへの信頼感向上で今後増えるのでは」とヤマハは期待する。ちなみに、いわゆるYouTuberやブロガーの人たちが、さまざまなバイクをリポートしたい場合も「ぜひご相談ください」。月極ライダーは車種バリエーションの幅が広いから、活用のしがいがあるかも。
気になる今後については、以下の回答をいただいた。「全国展開に向け、サービス品質向上、実施エリア拡大を計画しております。公表できる計画が固まりましたら、ご報告させていただきます。多くのお客さまから、サービス拡大のご要望をいただいておりますので、引き続き頑張ってまいります」。うーん、期待できそう!
月極ライダーのサービスを提供するメーカー、提携するバイクショップ、そして利用するユーザー。三者それぞれがハッピーになって、ぜひバイク市場が活性化してほしいものです。
(文=青木禎之/写真=向後一宏/編集=関 顕也)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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