マーケティングがどうにも不安な「マツダ3」

「アクセラ」改め「マツダ3」も、プロダクト的にもマーケティング的にも、スープラに負けないニュース性の持ち主だ。

このモデル、とにもかくにも気合が入っていたはずなのに、なぜかマツダが“まっとうな試乗会”を行わなかったのがナゾ。まだナンバーが付く前の段階で、狭いクローズドコースでの“事前試乗会”が催されただけだった。そして、自身もこの試乗会でだまされてしまったのが、マツダ3の「静粛性の高さ」と「フラット感の高い走り味」だった。

というのも、ナンバー取得を待ってディーゼルのハッチバックモデルを借り出し、さまざまな場面で4時間ほど連続して乗ってみると、音については粗粒路面でロードノイズが急上昇し、走り味も“しなやかさ”を演出しようとするためか、路面によってはボディーの上下方向の動きが過大であるという印象を得るに至ったのだ。

実は、事前試乗会が行われたクローズドコースというのは、そもそも駆動系部品メーカーの試験場。完成車の評価には路面状況が良過ぎたのだ。それゆえ、現在世に出回っている“早出し”試乗記は、そのあたりを差し引いて読む必要がある(?)と思う。

また、例の新エンジン「スカイアクティブX」搭載モデルの価格が、強気に過ぎるのも気になる点。さらに同エンジンを積むバージョンのプレミアム性を引き立てるためか、圧倒的な動力性能が記憶に残る2.2リッターディーゼルエンジンがリスト落ちしたのも残念無念である。実際、もしもこの心臓が用意されていたら、少なくとも加速性能ではスカイアクティブXの立つ瀬はなかったように思う。昨今聞かれる「日本仕様もハイオクガソリン化」といった話題も含め、マーケティング的にやや心配になるのが、マツダ3である。

「マツダ3ファストバック」(右)と「マツダ3セダン」(左)。マツダ3については、クローズドコースにおけるプロトタイプの試乗会や、海外試乗会などは催されたものの、日本仕様の市販車による試乗会は実施されなかった。(写真=花村英典)
「マツダ3ファストバック」(右)と「マツダ3セダン」(左)。マツダ3については、クローズドコースにおけるプロトタイプの試乗会や、海外試乗会などは催されたものの、日本仕様の市販車による試乗会は実施されなかった。(写真=花村英典)拡大
スパークプラグによる点火と圧縮着火を併用する、「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」という燃焼方式を用いた新エンジン「スカイアクティブX」。
スパークプラグによる点火と圧縮着火を併用する、「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」という燃焼方式を用いた新エンジン「スカイアクティブX」。拡大
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