第587回:イタ車はかくしてつくられる!
“アルファのゆりかご”カッシーノ工場を訪ねて

2019.09.20 エディターから一言
今回のテーマであるFCAのカッシーノ工場にて。写真の2台は同施設で生産されるアルファ・ロメオのサルーン「ジュリア」(写真左)とSUV「ステルヴィオ」(右)。中央におさまる3人は、工場専属のテストドライバーだ。
今回のテーマであるFCAのカッシーノ工場にて。写真の2台は同施設で生産されるアルファ・ロメオのサルーン「ジュリア」(写真左)とSUV「ステルヴィオ」(右)。中央におさまる3人は、工場専属のテストドライバーだ。拡大

イタリアの物づくりは、先進・精密とは縁遠い? そんな偏見を吹き飛ばす、高度に近代化された工場がイタリア国内に存在する。一体どのような点で優れているのか、最新アルファ・ロメオの生産現場をリポートする。

イタリア中部、ローマとナポリのちょうど中間に位置するFCAのカッシーノ工場。開設されたのは1972年で、これまでに15車種、合計700万台以上が生産された。
イタリア中部、ローマとナポリのちょうど中間に位置するFCAのカッシーノ工場。開設されたのは1972年で、これまでに15車種、合計700万台以上が生産された。拡大
現在カッシーノ工場では、アルファ・ロメオの主要3車種「ジュリエッタ」「ジュリア」「ステルヴィオ」がつくられている。写真は同ブランド初のSUVであるステルヴィオ。アセンブリーは2017年初頭に開始された。
現在カッシーノ工場では、アルファ・ロメオの主要3車種「ジュリエッタ」「ジュリア」「ステルヴィオ」がつくられている。写真は同ブランド初のSUVであるステルヴィオ。アセンブリーは2017年初頭に開始された。拡大
工場内でベアシャシーとご対面。「ステルヴィオ」のもの……と思われる。おそらく。
工場内でベアシャシーとご対面。「ステルヴィオ」のもの……と思われる。おそらく。拡大
設置されているロボットの数は、なんと1200基以上。それぞれの持ち場で、忙しそうに作業を続ける。
設置されているロボットの数は、なんと1200基以上。それぞれの持ち場で、忙しそうに作業を続ける。拡大

「欧州」だってさまざま

今夏は住まいのあるフランスが記録的な猛暑に見舞われたため、涼風を求めて休暇をベルギーで過ごした。

驚いたのは街のエコ化。もちろんフランスも、しばしば足を運ぶイタリアもエコロジーや環境への配慮は現在最も重要なトピックだが、理想と現実の落差は大きい。例えばゴミ。地方によって違いはあるものの、私が住む南仏では「プラスチック、缶、紙」と「その他」の2種類に分けるだけ。ビンと生ゴミは一緒に捨てる。日本の分別の細かさを思うと捨てる側が不安になるアバウトさである。意外な感じを受けるかもしれないが、こと分別に関しては国民意識も含めてイタリアの方が進んでいる。ただし、例えばローマではゴミ回収業者の利権問題がからみ、収集作業が何週にもわたって行われないことがある。右を向いても左を見ても、これが2国の現実だ。

自動車のくくりでエコ化といえば「ガソリン VS 電気」をイメージしていたが、ブリュッセルの構図は自動車ではくくり切れない。「クルマ VS 電動キックボード」となっていた。電動キックボードの多いこと多いこと。アプリを使ってのレンタルで、自分のスマホでしか発進できないため、乗り逃げされる心配がなく歩道の上でもショップの入り口でもどこでも気楽に駐(と)めることができる、これもヒット要因となったようだ。レンタル自転車はすでに流行遅れ。驚いた。わが町にはまだコレすら登場しておらず、充電ステーションはいつも不届き者の駐車スペースになっている。

ちなみに食について言えば、欧州全体にわたってベジタリアンと有機栽培品を扱ういわゆるビオショップが現在のトレンドで、特にブリュッセルでは後者が通常のスーパーより多いのではないかと思うほどの数だった。今やビオショップに通いEVか電動キックボードに乗るベジタリアンが多数派、ステーキをモリモリ食べスーパーで特売品をあさりガソリン車に乗る人間は肩身がせまい、こう感じられるほど。私は間違いなく肉&内燃機関派である。ヤバい。

休暇が終わりフランスに戻ってから主婦の井戸端会議でこの話をし、仕事でイタリアに行って自動車仲間やメーカーの人にこの話をし、「遅れている、遅れている」と大いに騒いだ。するとFCAの広報担当からこう言われた。「カッシーノ工場ってご存じですか? 最もエコ化に力を入れている自動車生産工場なんです。いっぺん見学に」。うれしいお誘いを受け、出掛けることにした。いざ、カッシーノへ。いや、まずローマへ。

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