「トヨタ・ハリアー」がフルモデルチェンジ 元祖“都市型SUV”が4代目に進化
2020.04.13 自動車ニュース![]() |
トヨタ自動車は2020年4月13日、同年6月発売予定の新型「ハリアー」の概要を発表した。
流麗なスタイルとシックで上質な車内空間を追求
ハリアーは1997年の登場とともに“都市型SUV”というジャンルを切り開いた、トヨタの上級SUVである。4代目にあたる新型は、同社の新世代プラットフォームである「TNGAプラットフォーム(GA-K)」をベースに開発されており、実用性やスペックではなく“感性品質”を重視した、クーペフォルムのSUVとされている。
エクステリアデザインは流麗さやスタンスのよいプロポーションを重視したというもので、ボディーサイズは全長×全幅×全高=4740×1855×1660mmと、従来モデルより若干ロー&ワイド、そしてロングに変化。ホイールベースも2690mmと、30mm拡大している。
ディテールを見ていくと、フロントまわりは薄いアッパーグリルと“切れ長”のヘッドランプに連続性を持たせることで、精悍(せいかん)かつシャープなイメージを強調。ボディーサイドでは、ダイナミックに変化する断面形状により豊かな表情や強い躍動感を表現している。一方、リアまわりは横一文字のテールランプとストップランプが特徴で、絞り込まれたキャビンと大きく張り出したリアフェンダーによってたくましさをアピール。外装色は全7色で、ボディーに浮かび上がる陰影の変化を強調すべく、「プレシャスブラックパール」をはじめとした彩度を抑えた色が中心となっている。
一方、インテリアは馬の鞍(くら)をイメージしたという幅広のセンターコンソールが特徴で、そこから左右へと広がるインストゥルメントパネルとドアトリムの意匠によって、おおらかなたくましさや包み込まれるような安心感、居心地のよさを表現。また、本物の厚革を曲げた際にできるシルエットを意識してレザー調素材を張ったり、「曲木(まげき)」に着想を得たウッド調装飾を採用したり、各部にパイピング装飾を施したりと、ディテールにも工夫がなされている。内装色はコントラストを抑えたブラウン、グレー、ブラックの3色で、トヨタとしてはこれが初採用となる調光パノラマルーフ装着車では、“障子越し”のような柔らかい採光も上質な車内空間の演出に一役買っているという。
パワーユニットもプラットフォームも刷新
「走る歓びと上質な乗り味」を実現すべく、新型ハリアーはシャシーやパワーユニットが一新された。
既述の通り、車両骨格には「カムリ」や「RAV4」にも用いられるエンジン横置きプラットフォーム「GA-K」を採用しており、ボディーの高剛性化と低重心化を実現。サスペンションは前:マクファーソンストラット、後ろ:ダブルウイッシュボーンの組み合わせで、走りだしや高速走行時の挙動の収束性を高めるため、極微低速域でもスムーズにストロークするショックアブソーバーを装備している。
またドライブトレインにはブレーキ制御によってコーナリング中のアンダーステアを抑制する「アクティブコーナリングアシスト」を採用。切り始めのレスポンスのよさや、軽快な操舵感を重視した電動パワーステアリングとも相まって、意のままに車両を操れるコントロール性を実現したという。
一方パワーユニットには、自然吸気(NA)の2リッターガソリンエンジンと、2.5リッターNAガソリンエンジンにリダクション機構付きTHS IIを組み合わせたハイブリッドを用意。エンジンはいずれも「ダイナミックフォースエンジン」と呼ばれる新世代の4気筒直噴ユニットで、純ガソリン車のトランスミッションには、発進用にメカニカルなギアを備えた「ダイレクトシフトCVT」を採用している。また、ハリアーとしては初となるハイブリッドFFモデルの設定も新型のトピックだ。
上級SUVにふさわしい充実した機能と装備
予防安全装置についても従来モデルから進化しており、夜間の歩行者と自転車(昼間のみ)を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティーや、駐車場などでの事故の回避、もしくは事故被害の低減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」を搭載。走行中の前後方向の映像を録画できるデジタルインナーミラーを、トヨタとして初採用している。
またインフォテインメントシステムについては、スマートデバイスリンク(SDL)やApple CarPlay、Android Autoなどといった携帯端末との連携機能に対応した、12.3インチTFTタッチワイドディスプレイ採用の「T-Connect SD ナビゲーションシステム」を設定。9基のスピーカーからなるJBLプレミアムサウンドシステムも用意している。
このほかにも、ハイブリッド車には家庭用の電化製品も稼働させられるAC100V/1500Wのアクセサリーコンセントを用意。停電などの非常時には、クルマを発電機として使用することもできるという。
ラインナップは純ガソリン車、ハイブリッド車ともに「S」「G」「Z」の3種類で、GとZには「レザーパッケージ」仕様も用意。これらすべての仕様で、FF車と4WD車が選択可能となっている。
(webCG)