トヨタの燃料電池車「ミライ」がフルモデルチェンジ 走りが自慢の後輪駆動セダンに変身

2020.12.09 自動車ニュース
トヨタ・ミライ
トヨタ・ミライ拡大

トヨタ自動車は2020年12月9日、燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の新型を発表。同日、販売を開始した。

4ドアクーペと呼ぶにふさわしい流麗なスタイリング。ハッチバックではなく、車体後部には独立したトランクルームが備わる。
4ドアクーペと呼ぶにふさわしい流麗なスタイリング。ハッチバックではなく、車体後部には独立したトランクルームが備わる。拡大
有機的な曲線を描くインストゥルメントパネル。内装においてもエモーショナルな造形が意識されている。
有機的な曲線を描くインストゥルメントパネル。内装においてもエモーショナルな造形が意識されている。拡大
“エグゼクティブパッケージ”グレードの後席。アームレストには空調やシェードの操作スイッチがレイアウトされている。
“エグゼクティブパッケージ”グレードの後席。アームレストには空調やシェードの操作スイッチがレイアウトされている。拡大
ボディーカラーは全8色。写真は「エモーショナルレッドII」のもの。
ボディーカラーは全8色。写真は「エモーショナルレッドII」のもの。拡大

初代からは大きな変化

2014年12月に、トヨタ初の量産型FCVとして発売されたミライ。それから6年を経て、2代目となる新型が正式にデビューした。

新型の開発目標として掲げられたのは、「従来の環境車のイメージを払拭(ふっしょく)する、クルマ本来の魅力にこだわった“EDGE(エッジ)”の効いた存在価値」。「思わず振り返りたくなるスタイリングと、思わず踏みたくなる新感覚の走りを追求した」という。

その基礎となるのは、現行型「レクサスLS」にも採用されているGA-Lプラットフォーム。ボディーはワイド&ローかつ伸びやかなプロポーションで、サイズは全長×全幅×全高=4975×1885×1470mm。先代よりも85mm長く、70mm幅広く、65mm低くなっている。ホイールベースは140mmアップの2920mm。低いノーズや一文字型のリアコンビランプ、19インチまたは20インチという大径ホイールなども外観上の特徴で、ボディーカラーは新規開発色「フォースブルー マルティプルレイヤーズ」を含む全8色が用意される。

一方インテリアは、非対称形のインストゥルメントパネルを採用し、運転席側は包まれ感、助手席側は広がり感を強調。一体化されたメーターパネル(8インチ)とセンターディスプレイ(12.3インチ)、各所に施されたカッパーの加飾などで特別感が演出される。

後席は、水素タンクのレイアウトのため、高さのあるセンタートンネルが残るものの、乗車定員は先代の2人から3人へと増加。先代では前席の床下にあったFCスタックを小型・軽量化し車体前方に移設するなどして、より広い室内空間を確保した。足元のスペースや前席・後席のカップルディスタンスも拡大されている。さらに新型ミライは、ショーファードリブンカーとしての法人需要に対応すべく、イージークローザーやアシストグリップ、後席からの助手席の調節機構などが備わるグレード“エグゼクティブパッケージ”も設定される。

車体の主要なフレームにはアルミ材を採用。軽量・高剛性化が図られている。2920mmのホイールベースは、現行型「トヨタ・クラウン」と同寸となる。
車体の主要なフレームにはアルミ材を採用。軽量・高剛性化が図られている。2920mmのホイールベースは、現行型「トヨタ・クラウン」と同寸となる。拡大
パワーユニットの構成を示す、新型「ミライ」のベアシャシー。写真右下が前方で、フロントに新開発のFCスタック、後方に駆動用モーターとリチウムイオンバッテリーが搭載される。黄色に見えるのは水素タンクで、最も大きな1本が中央に縦置きされるほか、ほか2本がリアアクスルの前後に搭載されている。
パワーユニットの構成を示す、新型「ミライ」のベアシャシー。写真右下が前方で、フロントに新開発のFCスタック、後方に駆動用モーターとリチウムイオンバッテリーが搭載される。黄色に見えるのは水素タンクで、最も大きな1本が中央に縦置きされるほか、ほか2本がリアアクスルの前後に搭載されている。拡大
車体フロントには外部給電アウトレットが備わる。DC(直流)電力をAC(交流)電力に変換する外部給電器が必要になるものの、非常時には一般家庭のおよそ4日分に相当する電力を供給できるようになる。
車体フロントには外部給電アウトレットが備わる。DC(直流)電力をAC(交流)電力に変換する外部給電器が必要になるものの、非常時には一般家庭のおよそ4日分に相当する電力を供給できるようになる。拡大
1500Wのアクセサリーコンセントも装備。写真は後席センタートンネル部のもので、もうひとつはトランクルーム内に設置されている。
1500Wのアクセサリーコンセントも装備。写真は後席センタートンネル部のもので、もうひとつはトランクルーム内に設置されている。拡大
インテリアカラーはブラックのほか、写真のホワイト&ダークブラウンも選べる。
インテリアカラーはブラックのほか、写真のホワイト&ダークブラウンも選べる。拡大
新型「ミライ」の価格帯は700万~800万円ほど。自治体にもよるが、総額で140万円前後の補助が受けられる。
新型「ミライ」の価格帯は700万~800万円ほど。自治体にもよるが、総額で140万円前後の補助が受けられる。拡大

より安全に、より遠くへ

メカニズムでは、駆動方式が先代の前輪駆動から後輪駆動へと変わったのが大きなトピック。主要コンポーネンツの最適配置による低重心化と理想的な前後重量バランス(50:50)とも相まって、エモーショナルな走りを実現するとうたわれる。サスペンションの形式は、フロント・リアともマルチリンク式である。

駆動用モーターが発生する最高出力は182PSで、最大トルクは300N・m。リチウムイオンの駆動用バッテリーとともに、キャビンより後方にレイアウトされている。水素タンクは先代よりも1本多い3本を搭載(1本は運転席・助手席間の下部に縦置き、2本はリアアクスルの前後に横置き)。これにより水素の総搭載量は4.6kgから5.6kgへと20%以上アップ。約10%の燃費向上と合わせ、先代の約650km(JC08モード)を大きく上回る約850km(WLTCモード)の航続を可能としている。

運転支援システムもレベルアップが図られており、交差点における右左折時の歩行者検知や、ドライバーの体調急変による運転障害のリカバリー、ACC利用時のコーナリング中の速度抑制機能など、最新の機能を盛り込んだ「Toyota Safety Sense」が搭載される。

さらに新型ミライでは、“公器”として活躍できる機能も追求されている。車内2カ所に1500Wのアクサセリーコンセントを備え、別売りの外部給電器を使って大容量給電(最大DC<直流>9kW)ができるなど、車外への電力供給が可能。また発電のため空気を出し入れする際に特殊なエアフィルターを介すことで大気中の汚染物質を除去するという、空気清浄機能も備わっている。

新型ミライの価格は以下の通り。前述の“エグゼクティブパッケージ”や、先進の駐車支援システム「トヨタチームメイト アドバンストパーク」が備わる“Aパッケージ”などもラインナップされる(※カッコ内は、エコカー減税と環境性能割、グリーン化特例、CEV補助金など、優遇額のおおよその合計額<地域により異なる>)。

  • G:710万円(約139万5700円)
  • G“Aパッケージ”:735万円(約140万1800円)
  • G“エグゼクティブパッケージ”:755万円(約140万6800円)
  • Z:790万円(約141万5300円)
  • Z“エグゼクティブパッケージ”:805万円(約141万9000円)

これに加えて2021年には、自動車専用道路において、ドライバー監視のもとで車載システムが適切に認知・判断・操作を支援し、車線や車間維持、分岐、レーンチェンジ、 追い越しなどを行う「アドバンストドライブ」装着車が発売される予定。

(webCG)

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