ポルシェ・タイカン ターボ(前編)
2021.02.18 谷口信輝の新車試乗 レーシングドライバー谷口信輝が今回試乗したのは、ポルシェ初の量産型EV「タイカン」。なかでも上位モデルに位置づけられる「タイカン ターボ」の走りを、プロはどう評価する?笑顔になっちゃう
いつもの箱根のワインディングロードでポルシェ・タイカン ターボに乗り込んだ谷口信輝は、まったく遠慮することなく、アクセルペダルを大きく踏み込んだ。
すると、動き出す瞬間に「ドゥイン」という音を立てたのに続いて、「フヒューーーーーーーイ、ウィーーーーン、ウィイイイイイイイーーーーン」という不思議なサウンドを奏でながら、タイカンは見る間に速度を上げていく。
もっとも、それらはスポーツカーによくある耳をつんざくような大音量ではなく、それよりもはるかに小さなボリュームではあるけれど、そうでなくても静かなキャビンは、モーターとインバーターが発する独特な高周波音に満たされていた。
そんな未来的なサウンドと強烈な加速Gを味わいながら、谷口は「おおおおおお!!」「ウハハハハハ!」「へーーーーー」といった感嘆詞を次々と口にした。箱根の上り勾配をものともせずに駆け上がっていくタイカンの加速感を谷口が満喫しているのは間違いなさそうだ。
「うわー、気持ち悪い(笑)」
そう言いながらも、谷口は満面に笑みを浮かべている。最高出力625PSの電気モーターが、谷口がこれまで操ったどんなモンスターエンジンとも異なる加速感を生み出しているのがその理由だが、それと同時に、谷口はタイカンの異次元の速さを心から堪能している様子だ。
「いやね、電気自動車を買おうかどうか、ちょうど悩んでいるところなんですよ」と谷口。
「いま普段の足として使っているクルマの、発進する、ちょっと加速する、そして止まるときの反応がどうにも鈍くさくて、納得できないんです。そういうところは電気自動車だったらいいかなと思って、探している真っ最中なんです。ただし、いま買おうと思っている電気自動車は、いろいろな事情があってタイカンのようなスポーツカーではなくてSUVなんですが、スポーツカータイプのEVを欲しいと思っている人にとっては最高じゃないんですか、このタイカンは」
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