次世代のレクサスを示唆するEVコンセプトモデル「LF-Zエレクトリファイド」発表

2021.03.31 自動車ニュース webCG 編集部
レクサスLF-Zエレクトリファイド
レクサスLF-Zエレクトリファイド拡大

トヨタ自動車は2021年3月30日、レクサスブランドのEVコンセプトモデル「LF-Z Electrified(エレクトリファイド)」を世界初公開し、あわせて2025年までにEVやPHV、HVなど10以上の電動車を含むレクサスの新型や改良モデルを約20車種ラインナップすると発表した。

EVコンセプト「LF-Zエレクトリファイド」は、次世代のレクサスデザインを示唆するスタディーモデルとしての役割も担っている。
EVコンセプト「LF-Zエレクトリファイド」は、次世代のレクサスデザインを示唆するスタディーモデルとしての役割も担っている。拡大
「LF-Zエレクトリファイド」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4880×1960×1600mm、ホイールベースは2950mm。
「LF-Zエレクトリファイド」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4880×1960×1600mm、ホイールベースは2950mm。拡大
2019年に発表された「Tazuna」コンセプトに基づくコックピットデザインを採用する「LF-Zエレクトリファイド」。AR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)やメーター表示、タッチモニターなどドライバーへの情報をひとつのモジュールとし、ステアリング周辺に機能を集約している。
2019年に発表された「Tazuna」コンセプトに基づくコックピットデザインを採用する「LF-Zエレクトリファイド」。AR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)やメーター表示、タッチモニターなどドライバーへの情報をひとつのモジュールとし、ステアリング周辺に機能を集約している。拡大
後席は2人掛け。リクライニングやリラクゼーションなど、多様な機能を備えているという。
後席は2人掛け。リクライニングやリラクゼーションなど、多様な機能を備えているという。拡大
レクサスのデザインアイコンであるフロントの「スピンドルグリル」は、「スピンドルボディー」という車体と一体化した立体的なデザインに進化。
レクサスのデザインアイコンであるフロントの「スピンドルグリル」は、「スピンドルボディー」という車体と一体化した立体的なデザインに進化。拡大
リアセクションでは、中央部分に立体的な「LEXUS」ロゴを配した横一文字の薄型テールランプが目を引く。
リアセクションでは、中央部分に立体的な「LEXUS」ロゴを配した横一文字の薄型テールランプが目を引く。拡大
開放感あふれるパノラマルーフには調光ガラスを採用。プライバシー確保や夜空を映すイルミネーションなど、エンターテインメント機能を搭載している。
開放感あふれるパノラマルーフには調光ガラスを採用。プライバシー確保や夜空を映すイルミネーションなど、エンターテインメント機能を搭載している。拡大
2024年3月、レクサスの新たな事業拠点が愛知・下山のToyota Technical Center Shimoyama内に開設される予定。(写真は施設のイメージ)
2024年3月、レクサスの新たな事業拠点が愛知・下山のToyota Technical Center Shimoyama内に開設される予定。(写真は施設のイメージ)拡大
レクサスの新事業拠点には、レクサス棟とメッセ棟と呼ばれる2つの施設を建設。レクサス棟の一階は、独ニュルブルクリンクのピットのような開発スペースとして活用されるという。(写真は施設のイメージ)
レクサスの新事業拠点には、レクサス棟とメッセ棟と呼ばれる2つの施設を建設。レクサス棟の一階は、独ニュルブルクリンクのピットのような開発スペースとして活用されるという。(写真は施設のイメージ)拡大

「スピンドルグリル」をボディーに一体化

今回発表されたLF-Zエレクトリファイドは、2025年までに実現することを見据えた走りやデザイン、先進技術を織り込んだレクサスのEVコンセプト。ブランドの変革を象徴する位置づけのモデルにもなるという。

同車は2019年10月23日、第46回東京モーターショー2019において発表された次世代電動化戦略「レクサス エレクトリファイド」に基づくEV専用プラットフォームを採用している。モーター駆動力のレスポンスの良さを活用し4輪を自在にコントロールする、高度かつ自由度の高い運動性能を実現した新たな四輪駆動力制御技術「DIRECT(ダイレクト)4」などにより、電動化技術と車両運動制御技術を融合。ドライバーの感性に寄り添った走りの進化を目指すとアナウンスされている。

エクステリアデザインは、次世代のレクサスデザインを示唆するスタディーモデルとしての役割を担っている。レクサスのデザインアイコンでもあるフロントの「スピンドルグリル」は、ボディー全体のアーキテクチャーとした「スピンドルボディー」に進化。ブランドのアイコンをボディー造形として捉えた立体的なデザインにチャレンジしたという。

ボディーサイズは全長×全幅×全高=4880×1960×1600mmで、ホイールベースは2950mm。車重は2100kgと公表されている。

インテリアでは、2019年発表のEVコンセプトモデル「LF-30エレクトリファイド」と同じく、「Tazuna」コンセプトに基づくコックピットデザインが採用されている。

AR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)やメーター表示、タッチモニターなどドライバーへの情報をひとつのモジュールとし、ステアリング周辺に走行系機能を集約。視界が広がり、ドライバーの目線が自然に前方へ誘われるような次世代のインテリアデザインを示唆しているとレクサスは説明している。

メカニズムでは、四輪駆動力制御技術「ダイレクト4」を用いて高トルクモーターの駆動力を自在に制御。前後の駆動輪を完全独立制御することで、FWDやRWD、4WDなど、走行シーンに応じた適切な駆動方式がチョイスできる。

システム最高出力400kW、同最大トルク700N・mというスペックは、LF-30エレクトリファイドと同一。0-100km/h加速3.0秒、最高速度200km/hという動力性能を誇り、一充電あたりの航続可能距離は600km(WLTPモード)と発表されている。

すべてのモデルに電動車を設定

レクサスは2025年をめどに全車種に電動車を設定し、ガソリンエンジン車の販売比率を電動車が上回ることを目指すとしている。世界各国や地域のニーズに応じて適時、適材、適所の考え方の下、先述の通り10以上のEVやPHV、HVなどの電動車を含む、約20車種の新型や改良モデルを投入。基幹モデルとなるセダンやSUVラインアップの強化拡充にとどまらず、クルマを操る楽しさを提供し続けるスポーツモデル、新しいショーファーの在り方やこれまでにない新ジャンルのモデルなどの可能性を追求するという。

さらに2050年には材料製造、部品製造・車両製造、物流、走行、廃棄・リサイクルの各段階を含めたライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを目指したクルマづくりに挑戦することも表明している。

2005年の「RX400h」の発売以降、現在レクサスブランドは世界約90の国と地域で9車種のHV車やEV車をラインナップ。2020年末時点で電動化モデルの累計販売台数は約193万台となっている。今後も2019年に発表した次世代電動化戦略レクサス エレクトリファイドの下、パワートレインの電動化を促進していく考えだ。

新たな開発拠点を愛知・下山に開設

トヨタは2024年3月に、Toyota Technical Center Shimoyama(以下TTCS)にレクサスの新たな事業拠点を開設する。同拠点には開発やデザインのほか、生産技術や企画などの部門が集う。

TTCSでは、自然の地形を生かした約75mの高低差と多数のカーブが入り組んだ全長約5.3kmのカントリー路がテストコースとしてすでに運用されており、2020年発表の最新型「レクサスIS」も同コースで開発が行われた。さらに今後、環境保全に配慮しながら高速評価路や特殊な路面を再現した特性評価路など、多種多様な約10種類のテストコースを建設する予定であるという。

(webCG)

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