アウディe-tronスポーツバック55クワトロ ファーストエディション(前編)

2021.04.29 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 電気自動車(EV)が好きで多くのモデルに試乗してきた、レーシングドライバー谷口信輝。システム総出力408PSを誇るクーペSUVタイプの一台、「アウディe-tronスポーツバック」に対する評価やいかに?
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ストレスとは無縁のリアクション

今回、谷口信輝に試乗してもらったのはアウディ初の量産型EV「e-tronスポーツバック55クワトロ ファーストエディション(バーチャルエクステリアミラー仕様車)」である。

e-tronにはボディースタイルがSUVとスポーツバックの2種類、バッテリーサイズやモーター性能で2種類の、計4タイプがラインナップされている。現時点ではたまたま供給などの関係でバッテリーやモーターのグレードが低い「50」しかカタログに載っていないが、本来はハイパフォーマンス系の「55」も用意される見通しという。試乗車はこのうちの55だが、これは発売初期に「ファーストエディション」として設定された特別仕様車で、本来はオプションの「バーチャルエクステリアミラー」というデジタル式ドアミラーや21インチタイヤを装着したモデルである。

もともとEV好きで、これまでもアウディを高く評価してきた谷口にとっては大好物と推測される一台だが、果たしてどんな評価を下したのか? いつものとおり、箱根のワインディングロードでの試乗を終えたところで、感想を語ってもらうことにした。
「やっぱりモーターはいいですよね。僕の好みです」

レーシングドライバーとして活躍し、いわゆる旧車を含めたクルマ好きとして知られる谷口の言葉としては意外かもしれないが、これはこの連載で彼が何度も口にしてきたことである。
「まず、モーターってアクセル操作に対するタイムラグがない。それに、最近のエンジン車は、基本的にアクセルペダルとスロットルバルブがメカニカルなワイヤーでつながれていないから、電子制御システムが判断するとドライバーがいくらアクセルペダルを踏んでもエンジンパワーはリニアに高まっていきません。特に困るのが、例えば交差点で右折するときとかで、いったん停止したあと、クリープでそろそろと進んだあとにアクセルを踏み込んでも、すぐにパワーが出てこなかったりする。ところがモーターだと、こういう場面でもすっと加速してくれてストレスを感じません。それ以外にも、操作量に対する反応がリニア、つまり僕がよく言う数字が並んでいるという特性になっているので、僕が『43欲しい』と思って操作すれば、ちゃんと43ぶんのパワーが出てくる。こういうところが、EVは本当に気持ちがいいと思います」

 
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