国内トップフォーミュラカテゴリーの改革プロジェクトがスタート
2021.10.25 自動車ニュース![]() |
全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営している日本レースプロモーション(以下JRP)は2021年10月25日、2022年以降のサステイナブルなモータースポーツ業界づくりを目的としたプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT 50(スーパーフォーミュラ ネクスト ゴー)」をスタートすると発表した。
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目指すは「必要とされるモータースポーツ」
SUPER FORMULA NEXT 50は、現在スーパーフォーミュラと呼ばれている国内のトップフォーミュラカテゴリーが、2022年に50年目の節目を迎えることを契機に始められるプロジェクト。同カテゴリーの価値を向上させ、日本のみならず世界の若い世代に憧れられるものとなることを目指し、“ドライバーファースト”という立場で、2022年から段階的に情報発信のあり方やサーキットでの楽しみ方などを改善していくという。
発表会の冒頭であいさつに立った中嶋 悟 JRP取締役会長も、中学生のころ目にしたレーシングドライバー生沢 徹さんの姿に憧れて、同じ道を目指したというエピソードを紹介。「次の世代にカッコイイと思われる次世代のフォーミュラをつくっていきたい」と意気込んだ。
また、中嶋会長が「1970年代はオイルショックなどで燃やすもの(燃料)がなかったのに、いまは環境保全のために『燃やすな』という時代。いろいろな困難に対応しなければならない」とコメントした通り、同プロジェクトにおいては将来的なモビリティーの実験場となることが目的とされている。
具体的には、トヨタ自動車および本田技研工業とともに、パワートレインやシャシー、タイヤ、その他素材、燃料等に関して、市販車両も含めたカーボンニュートラル社会の実現につながる技術開発に取り組む。特に「e-fuel」「バイオ燃料」といったカーボンニュートラルフューエルや、「バイオコンポジット」と呼ばれる植物由来のコンポジットについては、導入を視野に2022年からテストを開始する。
今回のプロジェクトリーダーを務める上野禎久JRP取締役が自ら“周回遅れレベル”と酷評するエンターテインメントの分野でも、さまざまな実験的取り組みが行われる。今後は映像や音楽、データ、通信、AI、ゲーム、アニメーション等を切り口としつつ、日本から世界に発信する新しいモータースポーツカルチャーの創造を目指す。
その一例としては、スマートフォンに最適化したスーパーフォーミュラの新たなデジタルプラットフォームを立ち上げ、ファンが見たいコンテンツをいつでもどこでも見られるようにする取り組みが挙げられている。レースのライブ中継映像も提供。さらに、すべてのドライバーのオンボード映像や、車速や位置情報、オーバーテイクシステムの残量等といったデータを開示。ドライバー無線の音声等も見聞きすることができるようにする計画だ。
これにより、ファンはニーズに応じた観戦体験が可能になるほか、レース当日以外にもさまざまな映像コンテンツを視聴したり、応援しているドライバーやチームと交流したりできるようになる。
その実現のため、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがJRPのストラテジーパートナーとしてプロジェクトに参画。今後はさまざまな領域のパートナーを募集し、改革を推進したいとしている。
(webCG)