新型「メルセデスAMG SL」がデビュー ゼロから開発したアルミ製プラットフォームを採用
2021.10.29 自動車ニュース![]() |
独ダイムラーは2021年10月28日(現地時間)、新型「メルセデスAMG SL」を世界初公開した。
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新開発のアルミ製スペースフレームを採用
SLは、初代モデルが1954年に登場。以来、メルセデス・ベンツのフラッグシップスポーツモデルとして進化を続けてきた。今回発表された新型はSLの7代目にあたり、高性能車を擁するサブブランド、メルセデスAMGからの登場となった。
先代モデルがリトラクタブルハードトップ「バリオルーフ」を採用していたのに対し、新型SLはソフトトップを採用する2+2シーターのロードスターとなった。全長×全幅×全高=4705×1915×1353mmのボディーサイズは先代に対してひとまわり拡大されている。
シャシーは、ゼロから開発が行われたアルミニウム製スペースフレームで、軽量な複合アルミニウム構造が採用されている。先代モデルと比較して、ボディーシェルのねじり剛性が18%向上。同じくオープントップの「AMG GTロードスター」との比較では、ボディーのねじり剛性が50%、縦方向の剛性が40%向上しているという。ボディーシェルの重量は約270kgと発表されている。
エクステリアについては、ロングホイールベース、ショートオーバーハング、ロングボンネットというこれまでのプロポーションを踏襲。14本の連子(れんじ)が組み込まれた「パナメリカーナグリル」やスリムでシャープな輪郭の「デジタルライトLEDヘッドランプ」、横長のLEDリアランプなど、特徴的なデザイン要素が各パートに用いられている。空気抵抗係数のCd値は0.31となり、オープントップのスポーツカーとして優れた数値を実現したという。
従来のメタル製のバリオルーフに代えて採用された電動ソフトトップは3層構造で、アウターシェル、ルーフライナー、そしてその間に挟まれた坪量450g/m2の高品質素材でできたアコースティックマットで構成されている。ルーフシステム全体で21kgの軽量化と低重心化が図られたのも新型SLの特徴である。
ソフトトップの作動に要する時間は、開閉いずれもわずか15秒。60km/hまでであれば走行中も操作が可能となっている。操作はセンターコンソールのスイッチパネル、またはマルチメディアのタッチスクリーンで行い、その過程がアニメーションで表示される。
四輪駆動や後輪操舵システムを初搭載
コックピットデザインは、ドライバーに焦点が当てられている。センターコンソールの11.9インチタッチ式ディスプレイや12.3インチのフルスクリーンインストゥルメントパネル、タービン型のエアコン吹き出し口、新デザインのタッチコントロールボタン付きステアリングホイールなどが目を引く。
Apple CarPlayやAndroid Autoといったスマートフォンとの連携、Bluetooth接続によるハンズフリーシステム、デジタルラジオなどが組み込まれた対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」を標準で装備したほか、ライブトラフィックインフォメーション付きナビゲーションと、他車から得られた情報を元にリアルタイム交通情報として車両に配信する「Car-to-Xコミュニケーション」も採用されている。
2+2のシートレイアウトとなるキャビンは、先代モデル以上に広いスペースと機能性を提供。リアシートは実用性を高め、身長150cmまでの人が乗れるスペースを確保したと説明されている。
新型SLには、AMG製4リッターV8ツインターボエンジンが搭載される。このパワーユニットは、ワンマン・ワンエンジンというAMG伝統のコンセプトにのっとり、アファルターバッハの同社工場において、手作業で組み立てられる。
トップモデルの「AMG SL63 S 4MATIC+」では、最高出力585PS/5500-6500rpm、最大トルク800N・m/2500-5000rpmを発生し、「AMG SL55 4MATIC+」では、最高出力476PS/5500-6500rpm、最大トルク700N・m/2250-4500rpmを発生。パフォーマンスについては、前者が0-100km/h加速3.6秒、最高速315km/h、後者が同3.9秒、同295km/hを実現している。
SL誕生から約70年の歴史のなかで、四輪駆動システムや「アクティブリアアクスルステアリング」と呼ばれる後輪操舵システムを初めて採用するのも新型SLの特徴だ。
(webCG)