日産ノート オーラGレザーエディション(後編)
2022.05.19 あの多田哲哉の自動車放談 元トヨタのチーフエンジニアである多田哲哉さんは「日産ノート オーラ」に試乗して「売れている理由がよく分かった」という。どんなところが、その決め手になっているのか? つくり手としての考えを聞いてみた。理論的には“ありえない”
ご承知のように、「ノート/ノート オーラ」の心臓部となる「e-POWER」は、エンジンが発電に徹して駆動はモーターだけでおこなうシリーズ式ハイブリッドである。それをもって日産は「充電の要らない電気自動車」とうたうものの、それはさすがに少しばかり強引な論法であることは否めない。
「はっきり言うと、e-POWERのようなシリーズハイブリッドに、エンジニアリング的なメリットはないです(笑)。せっかくのエンジンパワーをわざわざすべて電気に変換して、それでモーターを回しているんです。そのロスたるや、エンジニアから見ると恐ろしいものがあって、とにかく効率が悪すぎます。この方式については、トヨタが最初にハイブリッドをつくるときにさんざん研究と議論を重ねて『ありえない』という結論を出しました。実際、燃費も良くないですね。われわれの感覚では1%単位で争うはずの燃費が、競合車より1割以上悪いなんて話になりません」
日産ノート オーラの燃費はFF車で27.2km/リッター(WLTCモード。以下同じ)、5ナンバーのノートでも28.5~29.4km/リッターだ。トヨタの「アクア」のそれが33.6~35.8km/リッターだから、厳密には5ナンバーのノートでも燃費性能はアクアより2割以上もゆずる計算になる。
「……と、理論的には確かにありえないんですが、商品としては話がちがってくるのがクルマづくりの面白さです。e-POWERのドライブフィールは明らかに新しいですね。これに乗ると、今のインフラでも電気自動車(BEV)チックなものに乗れるという商品性は、認めざるを得ません」
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