青空のもと電動バイクでトライアル体験! 屋外アクティビティー「e-TRAIL PARK」体験記
2022.07.08 デイリーコラム免許がなくてもバイクを楽しめる
あまたのツーリングスポットが集まる箱根に、電動バイクを使った新しい屋外アクティビティー「e-TRAIL PARK南箱根」がオープンする。ライダーが全身を使ってバイクを動かし、セクションをクリアしていく、フィールドアスレチック的な楽しさと爽快感を味わえるアクティビティーだ。しかもそれを、電動バイクならではの簡単な操作で体験できるというのも新しい。
ヘルメットやプロテクターはレンタルしてくれるので、来場は手ぶらでOK。運動に適した格好なら普段着のままトライできる。また施設は私有地内にあるから、身長150cm以上、年齢16歳以上であれば二輪・四輪の免許を持っていなくても大丈夫だ。乗るのは電動バイクなので、難しいクラッチ操作は不要。自転車に乗れるくらいのスキルは必要だが、バイクの操縦経験がなくても楽しめる。それに初回は安全講習や練習走行などのレッスンがあるので、これがバイク初体験という人はもちろん、ライディングに不安を感じる初心者でも安心だろう。なにより、パーク内の制限速度は8km/hと、早足で歩くくらいの速度に設定されているから、スピードに対する恐怖感もほとんどない。
こう書くと「それって楽しいの?」と言われそうだが、コレが楽しいのだ。バイク歴30年以上。かつては林道ツーリングにも頻繁に出かけていた筆者も、最後は汗だく。チカラが入りすぎて握力低下&膝ガクガクになるまで、熱中して楽しむことができた。
理由は簡単。バイクの基本的な動きを全身で体感できるからだ。
安心・安全でもトライアルの醍醐味は健在
なんとなく周回を重ねることもできるが、キレイに格好よくセクションをクリアしようと思うと、全身を使ってサスペンションを伸び縮みさせ、その動きに合わせてアクセルを開けて障害物を乗り越えたり、狙った走行ラインをトレースしたりしなければならない。早足ほどの速さでそれをこなすには集中力が必要だし、速度を落とせば難易度はさらに上がる。「あ、足ついちゃった」「リアタイヤが滑っちゃった」なんてことが続けば、今度こそはとチカラが入ってしまう。
こうした体験はトライアルバイクの走行会でもしたことあるが、それとの違いは「排気音がない」ことだ。セクションを越えるときの、タイヤがグリップする音、スリップする音がはっきり聞こえ、より感覚を研ぎ澄ませて体を動かし、バイクを操る楽しさがある。この感覚はなかなか新鮮だ。加えて、これまではかき消されていた風の音や鳥の鳴き声も聞こえ、それでまた爽快感が増す。
このような環境で、こうしたアクティビティーを楽しめるようになったのも、すべて電動バイクが実現したことだ。
あらためて紹介すると、e-TRAIL PARK南箱根は「バイカーズパラダイス南箱根」の敷地内に位置する。すでにご存じの向きも多いだろうが、バイカーズパラダイスはレンタルバイクも楽しめる湯河原峠のドライブインで、近くに日本有数のワインディングロードがいくつもあることから、多くのライダーがツーリングの行き先や中継地として利用する、人気のスポットとなっている。
そんなバイカーズパラダイスが位置する箱根の一帯は、国が自然保護を目的に指定した富士箱根伊豆国立公園に含まれている。そうした場所でも、環境負荷の少ない電動バイクなら積極的に新しいアクティビティーを提供できる。e-TRAIL PARK南箱根は、その好例といえるだろう。
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電動バイクだからこそ提供できるアクティビティー
同様の配慮は、全長300mのコースにも見られる。e-TRAIL PARK南箱根を運用するキズキレンタルサービスは、同じコンセプトの屋内施設「e-TRAIL PARK海老名」を2021年8月にオープンさせ、順調に利用者数を増やしている。その海老名でも、ここ南箱根でも、コースを構成するさまざまなセクションに廃材を利用。南箱根では、ライダーの転倒に備えてコース全体に敷き詰められたウッドチップにも、廃材を使用しているという。
環境に配慮したコースとCO2ゼロの電動バイクの組み合わせで、これまでのエンジン付きバイクでは実現できなかった場所でもアクティビティーを提供していく。e-TRAIL PARKは、そんな「持続可能なアクティビティー」として展開されているのだ。
今回は、2022年6月25日から7月25日までの「モニター期間」に合わせて取材を行った。この期間中は利用料無料で電動バイクとプロテクター類がレンタルでき、初回レッスンなどを体験できるという。ただし、参加できるのは走行後に感想や感想を述べ、「こんな遊び方をしたい!」などのフィードバックをできる人だけ。ここで得たアドバイスをもとに、グランドオープンに向けてプログラムやコース設定、利用料金などを決定するのだという。
グランドオープンは2022年7月27日の予定なので、電動バイクを使った新しいアクティビティーを体験したいというライダー&ドライバーは、ぜひ足を運んでほしい。
(文=河野正士/写真=キズキレンタルサービス/編集=堀田剛資)

河野 正士
フリーランスライター。二輪専門誌の編集部において編集スタッフとして従事した後、フリーランスに。ファッション誌や情報誌などで編集者およびライターとして記事製作を行いながら、さまざまな二輪専門誌にも記事製作および契約編集スタッフとして携わる。海外モーターサイクルショーやカスタムバイク取材にも出掛け、世界の二輪市場もウオッチしている。