メルセデスの電動高級サルーン「EQS」上陸 AMGモデルのラインナップも

2022.09.29 自動車ニュース webCG 編集部
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メルセデス・ベンツEQS450+(写真はすべて欧州仕様車)
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メルセデス・ベンツ日本は2022年9月29日、新型電気自動車(EV)「EQS450+」を発売した。メルセデスAMGブランドの高性能バージョン「EQS53 4MATIC+」の注文受け付けも同日に開始し、同年10月ごろにデリバリーをスタートする。

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メルセデスAMG初のEVとなる「EQS53 4MATIC+」。前後バンパーやホイールなど、スポーティーな外装パーツが装着される。
メルセデスAMG初のEVとなる「EQS53 4MATIC+」。前後バンパーやホイールなど、スポーティーな外装パーツが装着される。拡大
“ワン・ボウ(弓)”フォルムをまとう「EQS」。Cd値(空気抵抗係数)=0.20の空力性能を誇る。
“ワン・ボウ(弓)”フォルムをまとう「EQS」。Cd値(空気抵抗係数)=0.20の空力性能を誇る。拡大
リアビューは、真一文字のコンビランプが特徴的。
リアビューは、真一文字のコンビランプが特徴的。拡大
「MBUXハイパースクリーン」と呼ばれるインストゥルメントパネルは、3枚の高精細パネルで構成されている。
「MBUXハイパースクリーン」と呼ばれるインストゥルメントパネルは、3枚の高精細パネルで構成されている。拡大

目にも新しいメルセデス

メルセデス・ベンツEQSは、2021年4月に世界初公開されたラグジュアリークラスのEV。「長年培ってきたラグジュアリーと快適性の理想を実現した一台」であり、「人間の視覚、聴覚、触覚、嗅覚を通して次世代のラグジュアリーが感じられるEV」ともアピールされる。

メルセデス・ベンツ初のEV専用プラットフォームをベースとするボディーは、メルセデスでは珍しいキャブフォワードデザインを採用。継ぎ目の少ないゆったりとした面構成が特徴で、クーペのようなシルエットを形成しつつ空力性能のよさも追求されている(Cd値:空気抵抗係数は0.20)。

ボディーサイズは、EQS450+の海外仕様車の値で全長×全幅×全高=5216×1926×1512mm。ホイールベースは同3210mm。グリル改め“ブラックパネル”内に超音波センサーやカメラ、レーダーセンサーなど運転支援システムのさまざまなデバイスを組み込んだフロントフェイスや、一文字デザインのランプを採用したリアまわりなども特徴とされている。

一方インテリアは、3枚の高精細パネル(12.3インチのコックピットディスプレイ、17.7インチの有機ELメディアディスプレイ、12.3インチの助手席側有機ELフロントディスプレイ)で構成される「MBUXハイパースクリーン」が新しい。フローティング型のセンターコンソールや、シンプルながら造形美にこだわったというシート、周囲が暗くなると自動的に点灯するアンビエントライトもEQSならではのムードを醸している。

視覚的な新鮮味を演出しつつ、静粛性にも配慮されている。ボディーの構造部の空洞部分の多くに防音発泡材を充てん。さらに、Aピラーとフロントウィンドウとの境目に特殊な形状のゴム製トリムを取り付けるなどして走行中のノイズを大幅に低減した。

イルミネーションを点灯した状態の「EQS」のインテリア。
イルミネーションを点灯した状態の「EQS」のインテリア。拡大
足元スペースの広さが自慢の後席。大型のサンルーフも設定される。
足元スペースの広さが自慢の後席。大型のサンルーフも設定される。拡大
後席の乗車定員は3人となっている。
後席の乗車定員は3人となっている。拡大
フロア下のバッテリー容量は107.8kWh。駆動用モーターは「EQS450+」はリアに1基、「AMG EQS53 4MATIC+」が前後に1基ずつ、計2基を搭載する。
フロア下のバッテリー容量は107.8kWh。駆動用モーターは「EQS450+」はリアに1基、「AMG EQS53 4MATIC+」が前後に1基ずつ、計2基を搭載する。拡大

高性能モデルは761PSを発生

EQS450+はリアアクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載しており、最高出力333PSを発生する。一充電走行距離は、WLTCモードで700km。高性能モデルのAMG EQS53 4MATIC+はフロントとリアにeATSを搭載した4WD車で、最高出力は658PS。「レーススタート」使用時のアウトプットは761PSに達する。同モデルの航続距離は601km(WLTCモード)。リチウムイオンバッテリーの容量は、ともに107.8kWhである。なおバッテリーには証明書が付帯し、10年もしくは25万kmの性能(残容量70%)が保証される。

日本仕様車についてはEQSから車外へ電力を取り出せる双方向充電が可能。例えばEQSを、家庭の太陽光発電システムで発電した電気の貯蔵装置として使えるほか、停電した場合などに電気を家庭に送る予備電源として利用できるようになる。

足まわり(フロント:4リンク式、リア:マルチリンク式)については、連続可変ダンピングシステム「ADS+」とエアサスペンションを組み合わせた「AIRMATIC」が標準で備わる。コンフォートモードを選んだ場合、120km/h以上の高速走行時には10mm、160km/hを超えるとさらに10mm車高を下げることで空気抵抗を低減。40km/h以下では、ボタン操作により車高を25mm上げることができる。

「リアアクスルステアリング」も標準装備され、EQS450+は最大4.5度、AMG EQS53 4MATIC+では最大9度の後輪操舵が可能。ラージサイズサルーンとしては異例の取り回し性のよさを実現したとうたわれる。

フロントの“ブラックパネル”内には、運転支援システムの超音波センサーやカメラ、レーダーセンサーなどがおさまる。
フロントの“ブラックパネル”内には、運転支援システムの超音波センサーやカメラ、レーダーセンサーなどがおさまる。拡大
2車種のラインナップのうち、「EQS450+」は2022年9月29日に、「AMG EQS53 4MATIC+」は同年10月ごろに発売される。
2車種のラインナップのうち、「EQS450+」は2022年9月29日に、「AMG EQS53 4MATIC+」は同年10月ごろに発売される。拡大
メルセデスAMG EQS53 4MATIC+
メルセデスAMG EQS53 4MATIC+拡大

機能の追加購入も可能

メルセデスの高級車にふさわしく、安全装備・運転支援システムは充実している。ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーによる「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付き)」「アクティブステアリングアシスト」「渋滞時緊急ブレーキ機能」などのほか、緊急時に自動減速・停車する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」、ペダルの誤操作による事故を防ぐ「ドライブアウェイアシスト」、「メモリーパーキングアシスト」などが備わる。

また最大350個のさまざまなセンサーが配置されるEQSでは、距離や速度、加速度、照明の状態、降水量、気温、シート着座の有無、ドライバーのまばたきや乗員の発話などを検知し、アルゴリズム制御のコントロールユニットでの情報処理を通して、ユーザーに先回りして適切な機能を適切なタイミングで提供することができるという。

オンラインで機能追加・サービス購入が可能である点もユニークで、例えば最高速度を制限する「ビギナードライバーモード」や「バレーサービスモード」、EQS450+の後輪操舵角を最大4.5度から最大10度へアップグレードする機能、エンジン音を思わせる走行サウンドが聞けるようになる機能、各種ミニゲームなどがMercedes me Storeを介して入手できる。

EQSの価格は以下のとおり。

  • メルセデス・ベンツEQS450+:1578万円
  • メルセデスAMG EQS53 4MATIC+:2372万円

(webCG)

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