スズキMRワゴンX(FF/CVT)/T(FF/CVT)【試乗記】
かわい過ぎないのがイイ 2011.02.09 試乗記 スズキMRワゴンX(FF/CVT)/T(FF/CVT)……121万5900円/139万3350円
16年ぶりの新エンジンと軽量ボディを武器に生まれ変わった「MRワゴン」。20代男女を意識したという、その仕上がりは?
スッキリしたインパネ
「コレよ、コレ! このシンプルさを待っていたのよ〜!」
ドアを開けると広がるのは、シックでモダンなインテリア。ピアノブラックのセンターパネルと、水平に伸びる白いガーニッシュとの組み合わせは、空間に広がりを感じさせるし、凹面を多用したドアトリムとシートは、光の影によるグラデーションが上質感と奥行を与えている。
一方、半円形のヘッドランプを採用したエクステリアは、ファニーで愛嬌(あいきょう)のある表情が印象的。シンプルでオシャレ、そしてちょっぴりかわいらしさもある新型「MRワゴン」、結構イイんじゃない!?
3代目にあたる新型MRワゴンは、20代の男女をターゲットに、デザインしすぎない、シンプルでオシャレな空間を目指している。なんといっても、若者に人気のスマートフォンをヒントにしたオーディオ&センターパネルは、開発陣渾身(こんしん)のアイデア。
「タッチパネル式の実績はなかったので、家電量販店に足を運んだりして研究し、オーディオメーカーと協力して、一から作りました。ボタンは大きく、明度の高いものを選んでいます。停車中にはCDのジャケット写真も出るようになっているんですよ!」と胸を張るのは四輪電装設計部の濱野さん。スイッチはATMや券売機にも使われている静電容量方式。手袋での操作はできないものの、左右にある空調のルーバーや、シフト操作時にも誤作動を起こさないように設定されている。
「おや?」と気になったのは、車載オーディオでは珍しい消音スイッチ。パワーオフすればいいようなものだけれど……。
「助手席の人に電話がかかってきたときなど、表示を生かした状態で、すぐに対応できるようにという配慮からです。従来のロータリースイッチなら、1回の操作ですぐに音量を下げることはできるんですが、スクロール操作だと何度もスクロールしなければならず面倒ですよね」と濱野さん。なるほど。シンプルでオシャレなだけでなく、細かい気遣いもされている。なかなかやりますな、MRワゴン!
安定感のある走り
新開発の「R06A型」660ccエンジンも新型MRワゴンの目玉。主要部品を全面的に設計し直すことによって、エンジン単体での重さはNA、ターボ車ともにクラス最軽量。これによって、車重もクラス最軽量の790kgに。また、NA車には吸排気VVT機構を、ターボ車にも吸気VVT機構を採用することによって、高効率化を徹底しています。
トランスミッションは、2009年に初めて「スズキ・パレット」で採用された副変速機付CVTを進化させ全車に採用。新エンジンとのマッチングを図り、さらなる燃費アップにつなげています。
軽量化+新エンジン+副変速機付CVTとの組み合わせで、10・15モード燃費は、NAのFF車で25.5km/リッター、ターボのFF車で22.5km/リッター。アイドリングストップなしとしてはかなりの健闘ぶり。
実際に試乗してみると、全体的にレベルアップしているんですよね。特にターボ車はアクセルを踏み込んでいくと、発進から滑らかな加速が得られ、一気に80km/hまで無理なく加速できる。低回転のままスピードアップできるから、想像以上にエンジン音が静かで、逆に風切り音やロードノイズが少々気になったくらいです。
NA車に乗り換えてみると、緩やかとはいえ、アクセルを踏み込めば自然と加速が増し、街中がメインならこれで十分といった印象。どちらも安定感があって、安心して運転できるけれど、NA車はアクセルを踏み込むたびにエンジン音が多少気になったので、個人的にはより余裕が感じられるターボを選びたいかな。
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このスタイルでOK
新型MRワゴンに乗って、もっとも“変わった”と感じたこと、それは女性ユーザーに対する認識です。先代も含め、今まで女性向けといわれるクルマの傾向は、いってみれば「メイドさん」。「ボディカラーはピンク!」、「ぬいぐるみのような愛玩系」など、男性が求めるかわいらしい女性像が極端になった形でクルマに表現されていたような気がするんですよ。でも多くの女性たちにとって、「全身フリル」はやり過ぎ。それよりも、どこかに1カ所キラリと光るような女性らしさや、かわいらしさがあればいい。さらりと羽織ったシャツの胸元に光る、ハートのペンダントみたいなね。
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女性である前に一人の成熟した大人であるということが前提。すっきりと整理されたシンプルなインテリアや、使い勝手の良さって、男女でそんなに変わらないはずでしょ!
新型は、女性だけでなく男性もターゲットということでユニセックスなデザインになったということもあるんでしょうけど、たとえ女性向けであったとしても、このスタイルでOK。このクルマを見た瞬間、今まで「なんか違うんだよな〜」って思っていたことが、一気にすっ飛んだ気がしました。
(文=スーザン史子/写真=郡大二郎)
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スーザン史子
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