【ニュース】これが次の「メルセデス・ベンツCLA」だ!【IAAモビリティー2023】
メルセデスが「コンセプトCLAクラス」をミュンヘンでのモーターショーでワールドプレミア その全容と全情報! 2023.09.12 アウトビルトジャパン ミュンヘンで開催されたモーターショー「IAAモビリティー2023」において、メルセデス・ベンツは壮大なスタディーモデル「コンセプトCLAクラス」を発表した。800V技術、750km以上の航続距離、100kmあたりわずか12kWhの目標消費電力など、その数値には期待できそうだ!※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
EVもあるがEVオンリーではない
このコンセプトモデルは新しい「MMA」プラットフォームによって可能になった。MMAとは「メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー」の略だ。
コンセプトCLAクラスが示しているのは、未来のエントリーラグジュアリーセグメントである。このセグメントにおいては、4ドアクーペのほか、シューティングブレーク、そして2台のSUVが計画されている。新型「CLA」は2024年末に登場予定。興味深いのは、MMAプラットフォームが“エレクトリックファースト”として計画されてはいるが“エレクトリックオンリー”ではない、ということだ。つまり、内燃機関バージョンも存在する。
意欲的なデザインスタディー
この鮮やかな「ガーネットレッド」に塗られたコンセプトCLAクラスで、シュトゥットガルトのメルセデスは、次期コンパクトクラスの生産間近のスタディーモデルについて話している。視覚的にはかなり印象的だ。デザイン言語があちこちで誇張されているように見えても、プロポーションはフィットしている。コンセプトCLAクラスは、ロングホイールベースでショートオーバーハング、そして伸びやかなボンネットを備え持つ。
全長4.74mのコンセプトは、現行型のCLAより約5cm長く、全幅は1.95mと12cmも広い。シャークノーズは“閉じられて”いる。以前はブラックのパネルだったが、今回はグリルがボディーカラーと同色で塗られている。真のハイライトは、274個の小さな3Dスターで、閉じたフロントから押し出されたように見える。それぞれの星はライトアップされ、印象的な光のショーを楽しむことができる。中央には大きなスリーポインテッドスターが鎮座し、これもライトアップされる。これらはドイツでは制限を受ける演出だが、メルセデスはそれをかいくぐる解決策が見つかったことをほのめかしている。今後が気になるところだ。
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いたるところ星だらけ
新型「Eクラス」にも採用されたリアライトのスターグラフィックに続き、コンセプトCLAではさらに一歩進んで、フロントにもスタースタイルのライトエレメントが採用されている。これらもまた立体的で、ほとんど彫刻のように見える。
その上には、特にフィリグリー(糸状にした金・銀の細工)のように連続した光の帯があり、ウイングを越えてフロントドアまで伸びているのが印象的だ。リアも同様で、ここでも光の帯がサイドセクションを越えてリアドアまで伸びている。非点灯時には、メルセデスは鏡面クロームのような外観となる。
フレアしたホイールアーチは、巨大に見える21インチホイールのためのスペースをつくり出し、そのホイールもまた星で覆われている。ホイール1本あたり396個の星、つまりホイール4本で1584個の星があるのだ。
さらに652個の大小の星(もちろん照明付き)が、支柱によってフロントガラスと隔てられているだけの連続したガラスルーフを飾っている。
コンセプトCLAクラスのシートチェック
まるでディスコボールの中に座っているかのような感覚を室内に生み出しているのは、まさにこのたくさんの小さな星の影なのだ。ドアパネル、ダッシュボード、フットウェル全体にあしらわれたシルバーカラーのレザーもその印象を強めているが、おそらく大量生産には適さないだろう。
コンセプトCLAクラスにおいてサステイナビリティーは特に重要であり、それはレザーだけにとどまらない。例えばフロアマットは竹繊維でできており、テキスタイルは100%リサイクルされている。それが実感できるかといえば、答えはノーだ。ホワイトレザーは心地よく柔らかで、角度によってブルーやパープルに輝くファブリックは、未来的な印象を与える。
コックピットを支配するスーパースクリーン
コックピットは整然としているが、同時に未来から来たもののようにも見える。中心的なコンポーネントはMBUXのスーパースクリーンで、車幅いっぱいに広がり、まるで浮いているかのように見える。ダッシュボードとグローブボックスはない。スーパースクリーンの外側の端には、吹き出し口がデジタルで可視化されている。メルセデスはこれをハイパーアナログと呼び、アナログとデジタルの融合を表現しているという。
ドライバーである私の目には、メルセデスの星が“浮かぶ”宇宙的なステアリングホイールが映る。右手には、ワイヤレス充電器のガラス面を備えたフィリグリー模様のセンターコンソールがレイアウトされている。
フットウェルにはもうひとつのハイライトがある。ガラスの向こうにひときわ目立つように展示されているのは、新しいMB.OS(オペレーティングシステム)の心臓部であるエヌビディア製の水冷式高性能チップだ。
次期CLAのための新オペレーションシステム
MMAプラットフォームは、2024年後半から新しいMB.OSを完全に使用する最初のプラットフォームとなる。メルセデスは2018年に「Aクラス(W177)」でMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)がデビューしたときと同じことをしている。そして今回、次の自社製オペレーティングシステムが新型CLAでデビューする。人工知能と機械学習のおかげで、MB.OSは車内エンターテインメントの分野でまったく新しい可能性を提供するといわれている。定期的なOTA(無線通信)アップデートは当然のことである。
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750kmを超える航続距離
次世代の電動パワートレイン「MB.EDU(エレクトリックドライブユニット)」も同様に革新的だ。ここでは、エンジニアが「ビジョンEQXX」の研究で得た経験を生かしている。モーター、ギアボックス、パワーエレクトロニクスで構成され、93%(バッテリーからホイールまで)という高い効率を実現している。
電動モーターは最高出力238PS(175kW)を発生。2段のトランスミッションと組み合わされる。エネルギー密度が高いため、航続距離は750kmを超えると予想されている。これは、コンパクトクラスではトップの値だろう。
この電動ハイパーマイラーは、100kmあたりわずか12kWhで走行できるといわれており、ビジョンEQXXのほぼ10kWhに非常に近い。メルセデスはコンセプトCLAクラスを「電気自動車時代の1リッターカー」とさえ語り、800V技術と最大250kWの急速充電により、わずか15分で400kmの航続が可能になると約束している。
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新型CLAは2024年末に登場予定
公式には、コンセプトCLAクラスは現時点ではスタディーモデルであり、2024年末に次期CLAが発表される頃には、特にデザインは確実にトーンダウンしているだろう。しかし、プラットフォームと“約束された価値”に関しては、メルセデスは自信を持っているようで、新しいオペレーティングシステムMB.OSも実にエキサイティングなものになるだろう。メルセデスは、MBUXの次の大きな一歩を踏み出し、成功できるだろうか?
「エントリーラグジュアリー」というモットーに合わせて、メルセデスCLAは価格もかなり上昇しそうだ。われわれは、この4ドアクーペは5万ユーロ(約800万円)以下では購入できないだろうと推測している。なお、現在のCLAは4万2037ユーロ(約670万円)からとなっている。
結論
今、スタディーモデルが遠い将来の夢だと考えている人は間違っている。次期メルセデス・ベンツCLAは、早ければ2024年に新型MMAプラットフォーム搭載の最初のモデルとして登場する。メルセデスが約束を守り、スタディーが本当に量産に近づいていることを祈ろう!
(Text=Jan Gotze/Photos=Mercedes-Benz)
記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)
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