マツダが「ロードスター」を大幅改良 装備を強化し爽快な走りも追求
2023.10.05 自動車ニュース![]() |
マツダは2023年10月5日、小型オープンスポーツカー「ロードスター」に大幅改良を実施し、同日、予約注文受け付けを開始した。発売は2024年1月を予定している。
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キーワードは「More Roadster」
ロードスターは1989年に誕生した軽量・コンパクトなオープンスポーツカーで、その生産台数は累計120万台以上にもなるという。現行型は2015年に登場した4代目のモデルで、これまでにも間断なく手が加えられてきたが、なかでも今回の改良は過去最大の規模とされている。開発のスローガンは「More Roadster」というもので、新たな安全法規に適合させながら、デザインに磨きをかけ、ロードスターらしい爽快な走りを高め、安全装備やコネクテッドシステムなども進化させているという。
具体的な改良点は以下のとおり。
【先進安全機能の進化】
既存の自動緊急ブレーキや車線逸脱警報システム、後側方接近車両検知機能などに加え、新たに「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」と「スマート・ブレーキ・サポート[後進時左右接近物検知機能(SBS-RC)]」を採用した。
MRCCは、設定速度の域内において自動で車速を調整し、前走車との車間を保って走る運転支援システムだ。使用されるレーダーセンサーは、フロントグリルの左側に搭載される。一方SBS-RCは、約15km/h以下での後退中に自車の左右や後方から接近してくる車両を検知するシステムで、衝突を回避できないと判断すると、ブレーキ操作を支援して衝突時の被害軽減を図る。
【コネクテッドシステムの進化】
新たに8.8インチのセンターディスプレイを搭載。十分な前方視界を確保しながらエアバッグ作動時の干渉を避けるよう、画面のフチをできるだけ狭くしたフレームレス構造を採用している。機能・サービス面では、スマートフォンからアプリを通じてクルマの状態を確認できる機能や、万が一の事故の際には、自動で救急車などを手配する「コネクティッドサービス」も利用可能となっている。
【デザインの変更】
エクステリアでは、新デザインのランプ類とホイールが特徴。デイライトをバンパーの角からヘッドランプ内に移設したほか、ターンインジケーターをバルブ式からバイLED式に変更し、発光部のデザインも「スピード感やライトウエイトスポーツカーらしさ」(報道資料より)を感じさせるものとした。テールランプも、円と楕円(だえん)を組み合わせた基本的な形状はそのままに、ジェットエンジンのアフターバーナーをモチーフにしたという意匠に変更している。
ホイールについては、16インチと17インチでデザインを差別化。16インチは機能性や軽さ、17インチは上級モデルらしい華やかさを感じさせる意匠としたという。ボディーカラーの設定も変更しており、従来の「プラチナムクォーツ」に代えて「エアログレーメタリック」を新採用した(他6色は継続採用)。
一方、インテリアでは「S」「NR-A」「Sスペシャルパッケージ」を除く全グレードで、センターコンソールをステッチ入りの革巻きに変更。ブラックシートの表皮も見直し、センター部に新たにセーレン社の「レガーヌ」(スエード調素材)を採用した。また、3眼式のメーターも中央の速度計を液晶デジタル式に刷新。左のディスプレイの表示には、MRCCの作動画面を追加している。
クラシックな趣の新グレードにも注目
【ダイナミクス性能の進化】
ソフトトップ車の「S」を除き、各グレードのMT仕様に「アシンメトリックLSD」を採用した。既存の円すいクラッチ型LSDにカム機構を追加したもので、減速側と高速側でカム角を変えることにより、加・減速のそれぞれで最適な差動制限力を発生。特に減速時の差動制限力を強めることで、後輪の接地荷重が減少する減速旋回時の車両安定性を向上させたという。またロードスターのエンジンや足まわり、タイヤに合わせたイニシャルトルクや差動制限特性の設定により、よりスムーズでリニアな旋回特性も追求。街なかではより軽やかな、ワインディングロードではより安定した走りを実現するとしている。
ステアリング機構にも改良を加えており、ギアのフリクションを低減させ、モーターアシストの制御をより緻密なものとすることで、自然ですっきりとしたフィードバック感を追求。より軽やかで正確なステリングフィールを実現したとうたう。
一方エンジンについては、「SKYACTIV-G 1.5」では国内ハイオクガソリンに合わせた専用セッティングを施すことで、燃焼効率を改善。加速時の伸び感を強化しつつ、最高出力を3kW(約4PS)向上させた。またMT仕様では、「SKYACTIV-G 1.5」「SKYACTIV-G 2.0」ともに駆動力制御に最新のロジックを導入。加速時はもちろん、減速時においても、よりドライバーの意に沿った応答性が追求されている。
このほかにも、MT仕様ではモータースポーツをより安全に楽しめるよう、DSC(ダイナミックスタビリティーコントロール)の制御に「DSC-TRACK」を追加した。これはサーキット走行に最適化された制御モードで、ドライバーの運転操作を最大限に尊重しつつ、危険なスピン挙動に陥った場合にのみ制御が介入。クルマを傷つけるリスクを減少させるという。
【「SレザーパッケージVセレクション」追加】
新グレードとして、ソフトトップ車に「SレザーパッケージVセレクション」が追加された。クラシックな趣を感じさせる上級グレードで、タンカラーのインテリアとベージュのインシュレーター付きソフトトップが組み合わされる。シート表皮は上質なナッパレザーで、ドアトリムやインストゥルメントパネル、センターコンソールにも合成皮革を採用。高輝度塗装の16インチアルミホイールが装備される。
このほかの変更点としては、ソフトトップモデルの特別仕様車「S990」「ブラウントップ」や「Sレザーパッケージ ホワイトセレクション」、リトラクタブルハードトップモデルの「VSホワイトセレクション」「VSテラコッタセレクション」を廃止し、ラインナップを簡素化。メーカーオプションも人気の装備をパッケージにしたり、BOSEサウンドシステムの設定を絞ったりすることで、設定を分かりやすく変更している。
ラインナップと価格は以下のとおり。
【ロードスター】(ソフトトップモデル)
- S:289万8500円(6MT)
- NR-A:306万4600円(6MT)
- Sスペシャルパッケージ:308万7700円(6MT)/320万3200円(6AT)
- Sレザーパッケージ:349万8000円(6MT)/361万3500円(6AT)
- SレザーパッケージVセレクション:355万3000円(6MT)/366万8500円(6AT)
- RS:367万9500円(6MT)
【ロードスターRF】(リトラクタブルハードトップモデル)
- S:379万6100円(6MT)/382万3600円(6AT)
- VS:415万4700円(6MT)/418万2200円(6AT)
- RS:430万8700円(6MT)
従来モデルの価格と比べると、グレードに応じて18万1500円から33万1100円の値上げとなる。
(webCG)
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