ポルシェ911カレラT(後編)
2023.10.19 谷口信輝の新車試乗 「ポルシェ911」シリーズのニューフェイス「911カレラT」には、これまでの911と比べてどんな特徴があるのか。試乗を終えたレーシングドライバー谷口信輝が、その走りについて熱く語る。やっぱりポルシェは素晴らしい
雨の箱根で試乗したポルシェ911カレラTについて、「とっても純真無垢(むく)な感じ。本当にポルシェが好きな人が好みそうで、過剰なところはあまり見当たりません」とコメントした谷口信輝。さらに雨のなかでウエットモードを試したところ、「普通のドライビングモードよりウエットモードのほうが走りやすいですね」とも谷口は語ってくれた。
現代の量産車である以上、ポルシェ911にもスタビリティーコントロールなどの電子デバイスが必要なことは間違いない。けれども、その電子デバイスの設定とクルマが持つシャシー性能の関係が、ポルシェの場合は特に素晴らしいと谷口は強調した。
「最近のクルマのなかには、電子デバイスの設定が過保護になっているモデルが少なからずあって、クルマの限界に達するはるか手前で電子デバイスがバリバリと利き始めることも珍しくはありません。でも、ポルシェの場合は、クルマが備えたメカニカルなポテンシャルがすごく高いから、電子デバイスも簡単には介入してこない。そのぶん、自分でコントロールできる余地が広がるので、運転していて本当に楽しいですよね」
そして、ポルシェのシャシー性能の高さを支えているのが、開発に携わるエンジニアやテストドライバーの能力の高さにあると谷口は指摘した。
「やっぱりポルシェは機械として素晴らしいと思う。そして、これをつくっているエンジニアとか、そのセッティングをしているテストドライバーとかの能力がずば抜けて高いような気がします」
機械としての素晴らしさについて語るなら、911伝統のボクサー6エンジンについても触れなければなるまい。そこで、谷口にエンジンの印象を語ってもらうことにした。
「このエンジンは、高回転まで引っ張れば引っ張るほどパワーが出てくる、自然吸気らしい魅力を感じますね」
これは事前にスペックを伝えていなかったわれわれのミスでもあるのだが、谷口は試乗した感触から、911カレラTには自然吸気エンジンが搭載されていると思い込んでしまったらしい。そこで「911カレラ」用と基本的に同じ3リッターツインターボエンジンが積まれていることを谷口に知らせると、こんなリアクションが返ってきたのである。
「え? これ、ターボなの? ターボエンジンって、トルクは太いけれど、回転数とパワーの関係がリニアじゃないっていうか、中回転域でぐっとパワーが高まってくる感じじゃないですか。でも、これは回転を引っ張ったら引っ張っただけパワーが出てくるので、本当に自然吸気エンジンだと思っていました」
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