日産フェアレディZ NISMO(後編)
2024.03.07 谷口信輝の新車試乗 専用のパーツ&チューニングで武装した「日産フェアレディZ NISMO」は、ファン待望の一台に違いない。では走りのプロはどう見るか? レーシングドライバー谷口信輝が、その仕上がりについて熱く語る。おおむね不満がないだけに……
箱根のワインディングロードで試乗したフェアレディZ NISMOの走りに、いまひとつピンとこない表情を浮かべる谷口信輝。もっとも、彼が納得しきれないのはピッチング方向のボディーの動きに関するものであって、それ以外についてはおおむね満足している様子だった。
「さっきも言いましたが、エンジンはいいですよね。最高出力420PSといえば絶対的にパワフルだし、トルクもかなり分厚い。オートマチックのギアボックスは9段もありますが、正直こんなに段数がなくても十分走れると思うくらいパワーバンドは広いし、レスポンスだっていい。あえて心配なところを言うなら……」
谷口はそう言うとエンジンルームの内部を指さした。
「エンジンルーム内がギチギチで、エアが抜ける場所がない。これだと、サーキット走行したときに熱害が起きるんじゃないかと、ちょっと心配になります」
では、ハンドリングはどうだったのか?
「ステアリングの反応も全然、悪くありません」と谷口。
「ノーズは素直に入っていくし、公道のワインディングロードを走る範囲でいえば、とても気持ちよくて安心感があります。でも、ほかのところに不満がないぶん、どうしてもサスペンションのピッチング方向の動きに意識がいっちゃう。それさえなければ、コーナーではもっと攻めたくなっちゃうはずです。それくらいスポーティー方向に振った足ですよね」
ただし、谷口はいろいろと注文をつけながらも、自分の指摘が実は細かすぎるのではないかという危惧も抱いているようだった。
「かなり細かい話ですよね。正直、普通のドライバーがこのクルマに乗って不満に思うかといえば、たぶん、思わないと思うんですよね。まあ、正直に言えば、皆さんがどう感じるかは、僕にはわかりません。ただし、普通のZとこのZ NISMOのどちらがいいですかと聞かれれば、僕はこのZ NISMOのほうが好みです」
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