964型「ポルシェ911」のレストアを手がけるシンガーがコーンズとパートナーシップ契約を締結

2024.05.21 自動車ニュース 藤沢 勝
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シンガー・ヴィークル・デザインがレストアした「ターボスタディー」と呼ばれる「ポルシェ911」。
シンガー・ヴィークル・デザインがレストアした「ターボスタディー」と呼ばれる「ポルシェ911」。拡大

「ポルシェ911」のレストア事業を手がけるシンガー・ヴィークル・デザインは2024年5月21日、輸入車ディーラー業等を展開するコーンズ・グループと、日本でのレストア依頼をサポートするパートナーシップ契約を結んだと発表した。

「ターボスタディー」のレストア費用は90万ドルから。レストアには2~3年を要するという。
「ターボスタディー」のレストア費用は90万ドルから。レストアには2~3年を要するという。拡大
「DLSターボ」と呼ばれる「ポルシェ911」のレストアモデル。世界限定99台のみとされ、価格は270万ドルから。
「DLSターボ」と呼ばれる「ポルシェ911」のレストアモデル。世界限定99台のみとされ、価格は270万ドルから。拡大
ワイドなリアフェンダーが特徴。シャシーは964型だが、全幅は「レンジローバー」並みらしい。
ワイドなリアフェンダーが特徴。シャシーは964型だが、全幅は「レンジローバー」並みらしい。拡大
シンガーのファウンダーにしてエグゼクティブチェアマンのロブ・ディキンソン氏(写真右)と同社のマゼン・ファワズCEO(同じく右)。ロブ氏は子どものころからの憧れだった「911」を自分用にレストアしたところ、それを多くの人が欲しがったためビジネスにしたという。
シンガーのファウンダーにしてエグゼクティブチェアマンのロブ・ディキンソン氏(写真右)と同社のマゼン・ファワズCEO(同じく右)。ロブ氏は子どものころからの憧れだった「911」を自分用にレストアしたところ、それを多くの人が欲しがったためビジネスにしたという。拡大
コーンズ・モーターズの林 誠悟代表取締役社長兼CEOは、シンガーのことは雑誌を通じて知っていたが、まさか自分たちのビジネスパートナーになるとは思わなかったという。
コーンズ・モーターズの林 誠悟代表取締役社長兼CEOは、シンガーのことは雑誌を通じて知っていたが、まさか自分たちのビジネスパートナーになるとは思わなかったという。拡大

アメリカ・カリフォルニアを拠点とするシンガーは、タイプ964の空冷式911を専門に手がけるレストア集団である。オリジナルのテイストを残しつつ素材やディテールを徹底的に追求。顧客の求めに応じた極めて高品質な911を提供する。なお、レストアされた車両は「Porsche 911 Reimagined by Singer」、日本語では「シンガーが再構築したポルシェ911」と呼ばれる。レストア車はあくまでポルシェ911であり、われわれは自動車の製造や販売はしないというのがシンガーの主張である。

この日に合わせてシンガーのファウンダーにしてエグゼクティブチェアマンのロブ・ディキンソン氏が来日。「優れた自動車文化があり、911が熱狂的な人気を集めている日本で活動できることにワクワクしている」とコメント。ラグジュアリーのスペシャリストであるコーンズとパートナーシップを結んだことへの喜びを表した。

コーンズ・モータースの林 誠悟代表取締役社長兼CEOは、「グループとして60周年の節目に、自動車のサステイナビリティーのひとつの手法であるレストアを手がけるシンガーと手を結べたことを誇りに思う」とコメント。同社が推し進める「コーンズ・モーメント」(クルマで楽しいをつくる会社に)の動きに沿った取り組みであり、「ビジネスとしての規模は決して大きくないが、大切に育てていきたい」と語った。

都内で開催された記者発表会の会場には「ターボスタディー」と「DLSターボ」と呼ばれる2台の“シンガーが再構築したポルシェ911”が登場。前者は「930ターボ」がモチーフで、最高出力510PSのターボエンジンを搭載。レストアの受け付けは世界で475台のみとされ、レストア費用は90万ドル(約1億4000万円)からとのこと。なお、シンガーにレストアを依頼する964型911=ドナーカーは自身で用意することになる(シンガーによる車両を探すサポートはある)。

一方のDLSターボはかつてモータースポーツで活躍した「ポルシェ935」などをオマージュしたワイドボディーを採用。最高出力750PSのターボエンジンを搭載している。レストア台数は99台に限られ、費用は270万ドル(約4億2000万円)からとのこと。

(webCG)

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