テスラ・モデル3ロングレンジAWD(前編)
2024.06.06 あの多田哲哉の自動車放談 すっかり市場に浸透した感のある電気自動車専用ブランド、テスラ。そのコンパクトセダン「モデル3」を前に、長年トヨタで車両開発を取りまとめてきた多田哲哉さんが、プロダクトとして注目すべき点について語る。固定観念なきデザイン
「うわっ、うわっ、これは面白い!」と、多田さんが子供のようにはしゃいだのは、試乗前にモデル3のコックピットドリルをしている時だった。
今回試乗したモデル3を含む最新テスラの運転席には、おなじみのシフトセレクターはおろか、ステアリングのコラムレバーも存在しない。例えばクルマを動かす「D」や「R」の操作は、センタータッチパネル上に現れたモデル3のイラストをスワイプする。同じイラストを長押しすると「N」、そして「P」となる。ウインカーやワイパーの操作はステアリングスイッチとジョグダイヤルにあてられているし、その他の操作や車両設定もすべて、タッチパネルか、そのタッチパネルとジョグダイヤルの組み合わせで行う。
それと同時に、多田さんが感心したのは、文字どおりステアリングホイールとセンターディスプレイだけのインテリアデザインだ。
「これだけすっきりしているのは、ステアリングも完全に電子制御化した“ステアバイワイヤ”を視野に入れたデザインだからだと思います」
「ステアバイワイヤになれば、ドライバーの前からステアリングシャフトが消えて、ステアリング自体も円形ホイールである必要もなくなるでしょう。そうやってレイアウトやデザインの自由度が一気に増えた時に、ドライビングとインフォテインメントをどう定義すればいいのか……を、テスラが意識しているのは明確です」
「トヨタやフォルクスワーゲンのような既存の自動車メーカーは、運転席の目の前にステアリングホイールがシャフトとともに突き出ていて、その上にはメーターがあって……という制約のなかで、長い間ずっとデザインしてきました。どこか“クルマのインテリアはこうでなければならない”といった固定観念から、どうしても抜け出せないんですね」
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