テスラ・モデル3ロングレンジAWD(後編)
2024.06.13 あの多田哲哉の自動車放談 電動化や自動運転が意識される自動車界で、ビッグネームとなったテスラ。そのクルマづくりを、車両開発のプロである多田哲哉さんはどう見る? 売れ筋の一台である「モデル3」の試乗を通して語ってもらった。新たな価値の提案がある
最新のモデル3に試乗した多田さんは、昔ながらの“走り”については「トヨタやフォルクスワーゲンなどの既存自動車メーカーのクルマと、少なくとも同じ土俵にいます。よほど特殊な走り方をしなければ、明確に劣っているところはないと思います。まして、搭載されているOS部分での大差を考えれば、その差はないに等しいです」と評する。
多田さんのいうOSとはオペレーションシステム……パソコンでいうWindowsやmacOS、スマホならandroidやiOSに相当するソフトウエアプラットフォームのことだ。
今後のクルマは個々のハードウエア主体の開発ではなく、クルマ全体を統合するOSを基準に開発されて、進化していくとされる。いわゆる「SDV(ソフトウエア・ディファインド・ビークル)」だ。そんなSDV分野において、テスラは世界最先端を走っているとされる。
「今までのクルマは買ったらそこで終わりで、モデルチェンジなどで進化したら買い替えるしかありません。でも、テスラは買った後もどんどん進化していく。これは本当に新しい価値観です」と多田さん。
「いま自分が走っているクルマがどういう状態なのか、環境に対してどういう貢献をしているのかを知りたい。あるいは目的地に最短時間で効率よく向かいたい、しかも好きな音楽に囲まれて……と、家の中でスマホをいじっているのと同じ感覚で、クルマを走らせたいという欲求は当然だと思います」
「スマホにはいろんなセンサーが付いていて、スマホのアプリはそのセンサー情報をもとに動きます。でも、クルマはスマホなんかよりはるかに高度で繊細、しかも多数のセンサーが付いています。その膨大な情報をアプリのクリエイターが使いこなせれば、スマホよりずっと楽しいアプリができるはずです。クルマには、今よりもっともっと楽しいエンターテインメントが用意できるはずなんですよ」
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