マクラーレンが新型スーパースポーツカー「W1」を発表

2024.10.06 自動車ニュース 西川 淳
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マクラーレンW1
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英マクラーレン・オートモーティブは2024年10月6日、新たなスーパースポーツカー「W1」を世界初公開した。

 
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写真左奥から順に、マクラーレンの歴代スーパースポーツカー「F1」「P1」、そして「W1」。
写真左奥から順に、マクラーレンの歴代スーパースポーツカー「F1」「P1」、そして「W1」。拡大

「マクラーレンF1」といえば史上最高のスーパーカーとの呼び声も高い。また同じく「P1」といえば、新生のロードカーブランドであるマクラーレン・オートモーティブの象徴的な存在となったハイパーカーであり、スーパーカー界にハイブリッド時代をもたらした。いずれもスーパーカー史に残るアイコニックな存在である。

そんなマクラーレンが三度、歴史に残るであろうロードカーを発表した。その名もW1。発表日となった10月6日といえば、50年前にマクラーレンがF1界において初めて“世界チャンピオン”になった日である。

ワールドプレミアを前にMTC(マクラーレン・テクノロジー・センター)において秘密裏にメディアプレビューが開催された。

アンベールされたW1は、オレンジとブラックの2トーンで、一見、とてもシンプルなスタイルに見えた。キャビンフォワードがとても強調されている。顔立ちは悪目立ちせず、リアフェンダーあたりはP1のようだ。

けれども下半身の造形は、前から横、後ろに至るまで恐ろしく凝っていて、W1が“空力モンスター”であることをよく物語っている。なかでもドアまわりがすごい。見た目には2024年シーズンのF1マシン「MCL38」のようであり、新たにアンヘドラル式(ガルウイングスタイル)となったドアを上げてみれば、その断面は3枚のパネルで構成されており、まるでフロントウイングのようだ。断面がこんなにかっこいいドアを見るのは初めて。開けたまま走りたくなる。

リアからの眺めも迫力ものだ。リアデュフューザーは巨大で、これをおさめるべくパワートレインを3度傾けてスペースをつくった。新たなアクティブリアスポイラーは後方に300mmも伸びる。可変ロングテール仕様である。

レースモードにおいては前後とも車高が下がって(前37mmダウン、後ろ17mmダウン)、フロントに最大650kg、リアには最大350kg、合わせて1tものダウンフォースが高速コーナリング中にかかるという。

インテリアも面白い。シートは「Aerocell(エアロセル)」と呼ばれる専用のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製モノコックボディーにインテグレートされており、固定式だ。代わりにステアリングポストとペダルボックスを動かしてポジションを決める。この方式により、ホイールベースを70mm短くでき、軽量化にも役立った。コックピットはというと、マクラーレンらしく派手さはないが機能的でシンプルにまとめられている。

軽量化と空力はマクラーレンの真骨頂というわけだが、新開発パワートレインも強烈だ。「MHP-8」と呼ばれる新開発の4リッターV8ツインターボエンジンは単独で最高出力928PSを発生する。レブリミットは9200rpmだ。これに同347PSのアクシャルフラックスモーターを備えたeモジュールを組み合わせ、システムトータルで最高出力1275PS、最大トルク1340N・mものスペックを実現している。このハイスペックを新開発の8段DCT(後進は電気式)とeデフを通じてリア2輪へとデリバリーするというから恐ろしい。そう、マクラーレンはあくまでも、パワーユニットのリアミド搭載とリア駆動にこだわっている。

車両重量(乾燥重量)はわずかに1399kg。10年前のP1とさほど変わらない。困難なダイエットを克服したというほかない。パワーウェイトレシオはなんと驚異の1.1kg/PSである。

結果、加速スペックを列挙すれば、0-100km/h加速が2.7秒、0-200km/hが5.8秒、0-300km/hが12.7秒と、このカテゴリーにおいて世界最高クラスの性能を実現した。事実、W1は「スピードテール」よりも素早く300km/hに到達し、テストコースでのラップタイムは「セナ」のそれを3秒も上回った。

このハイパフォーマンスを支えるのが新たなモノコックボディーであるエアロセルと、そこに組み合わされた新開発のアクティブサスペンションシステムだ。マクラーレンのロードカーとしては初となるプッシュロッド式とし、インボードタイプとすることで性能と軽量化、空力のバランスを最適化することができたとマクラーレンは説明する。もちろんブレーキ性能も超一級だ。

マクラーレンW1の販売台数は、世界限定399台。お値段200万ポンド(約3億9000万円)以上。すでに完売御礼である。

(文=西川 淳)

【マクラーレンW1のスペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4635×2191×1182mm(サイドミラー含む)
ホイールベース:2680mm
車重:1399kg(乾燥重量)
駆動方式:MR
エンジン:4リッターV8ツインターボ
トランスミッション:8段AT(DCT)
エンジン最高出力:928PS
エンジン最大トルク:900N・m
モーター最高出力:347PS
モーター最大トルク:440N・m
システム最高出力:1275PS
システム最大トルク:1340N・m
タイヤサイズ:(前)265/35R19/(後)335/30R20<ピレリPゼロ トロフェオRS>
ブレーキサイズ:(前)390mm、6ピストン/(後)390mm、4ピストン
燃料タンク容量:62リッター
荷室容量(DIN):87リッター
一充電走行距離:2km
最高速度:350km/h
0-100km/hの加速時間:2.7秒
0-200km/hの加速時間:5.8秒
0-300km/hの加速時間:12.7秒
100-0km/hの制動距離:29m
200-0km/hの制動距離:100m

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