ホンダ・シビックRS(前編)
2025.01.02 谷口信輝の新車試乗 「ホンダ・シビック」の新グレード「RS」に、レーシングドライバー谷口信輝が試乗。上から下までさまざまなシビックを知る走りのプロが、新たなスポーティーバージョンの印象を語る。注意はしたほうがいい
「なんか、着座位置がすごく低く感じますね」
ホンダ・シビックRSに乗り込むなり、谷口信輝はそうつぶやいた。この場合、着座位置が低いのはスポーティーで好ましいと受け取るべきだろう。
「でも、ETCの車載器が、こんなに外から見えやすい場所にあるって、どうなんでしょう? しかも、カバーも付いていないから、カードが入っているかどうか、車外からわかっちゃう。これは、あまりよくないですね」
谷口の観察はさらに続く。
「おや、このクルマ、マニュアルギアボックスじゃないですか。ほー。じゃあ、まずはギアを入れてみましょうか。で、サイドブレーキを外す。お、ここは坂になっていますが、後ろに下がりませんね。ちょっとの間ですが、ホールドした。素晴らしい。これだったら坂道発進も難しくなさそうですね」
ここでシビックRSの概要をおさらいしておくと、エンジンは1.5リッターターボを積んでいるものの、クルマ全体としては「LX」や「EX」よりもスポーティーな設定で、言ってみれば「タイプR」とLX/EXの中間に位置するモデル。ギアボックスはMTのみで、ヒール&トーをしなくても素早いシフトダウンが可能なレブマッチシステムを搭載しているほか、サスペンションが専用チューニングとなっているのも特徴のひとつだ。
「なるほどね、タイプRほど過激じゃなく、ややスポーティーなシビックという位置づけなんですね」
そう語った谷口は、クラッチペダルを踏んで1速を選ぶと、軽くアクセルペダルを踏み込みながら素早くクラッチペダルをリリース。すると、タイヤが「キュルルルル……」と軽くスキッドして谷口を驚かせたのである。この日の箱根は気温が低く、タイヤが冷えていたことも関係していたのかもしれないが、それ以上に意外だったのは、トラクションコントロールが本格的に介入しなかったことだろう。
「トラクションコントロールをオフにしていないのにホイールスピンしちゃうって、僕的には楽しいけれど、一般の人は注意が必要かもしれませんね。もちろん、冬の箱根という、ちょっと特殊な環境が影響していたのかもしれませんが……」
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