フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(前編)

2025.04.24 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 半世紀にわたり、ホットハッチの代名詞的存在として知られてきた「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI」。最新型に試乗したレーシングドライバー谷口信輝が、その走りの特徴についてリポートする。
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“今風のおせっかい”がない

「足がちょっと硬めで、しっかりしているという印象ですね」

いつものワインディングロードでフォルクスワーゲン・ゴルフGTIのステアリングを握りながら、谷口信輝はそう語り始めた。

いわゆる「ゴルフ8」がビッグマイナーチェンジを受け、通称“ゴルフ8.5”に生まれ変わったことは皆さんもご存じのとおり。いま谷口に乗ってもらっているのは、この“8.5”仕様のゴルフGTIだが、その第一印象が「ちょっと硬めで、しっかりとした足」というものだったのだ。
「それと、いい意味であまり現代的な乗り味じゃありませんね」

ほほー、それはどういう意味なのか。
「メカニカルグリップの感触がものすごく明確に伝わってきます。つまり、インフォメーションが豊富ですね。それと、電子制御の介入を極力抑えていて、ピッチングやローリングといった荷重コントロールがかなりドライバーに任されているという感じがします」

この辺は、谷口が常々主張していることだ。シャシー性能をつかさどる電子制御システムが多くのドライバーに安心と安全をもたらしていることを認めたうえで、自分でクルマをコントロールしたいと思うドライバーにとっては、電子制御システムによる「おせっかい」がなるべく少ないほうが、運転の楽しみはより広がるはず……。つまり、スポーツドライビングを強く意識したモデルは不用意に電子制御システムを介入させないほうがいいのではないか、というのが谷口の考え方なのである。そして、ここまで操った範囲でいえば、ゴルフGTIはそんな谷口の好みにぴったりと合っていたといえるだろう。

 
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