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「スバル・クロストレック」の「アプライドC型」登場 その進化をスバリストはどうみる?

2025.07.17 デイリーコラム 玉川 ニコ
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「クロストレック」の変更ポイントは?

スバルは2025年7月10日、「クロストレック」の改良モデルを発表した。2024年9月13日に行われた一部改良で「アプライドB型」へと微妙に進化したのに続き、今回はいわゆるC型へとアップデートされたわけだが、あくまでもマニア目線でズバリ言わせていただくなら、このたびの改良にさほどのインパクトはない。

もちろんC型となったクロストレックを購入されるのも決して悪くない話だが、よりインパクトのある改良型クロストレックが欲しい場合は、おそらくは2026年中に登場するD型を待つのが得策となるだろう。

今回行われた改良の内容は既報のとおりだが、あらためてざっくり整理すると、おおむね以下のとおりとなる。

  • ボディーカラーに新色「サンドデューン・パール」と「シトロンイエロー・パール」を新設定
  • B型に存在したボディーカラーのうち「デイブレイクブルー・パール」「オアシスブルー」「オフショアブルー・メタリック」を廃止
  • 「ドライバー異常時対応システム」と「ドライバーモニタリングシステム」との連携を強化
  • 「リミテッド」をベースとした特別仕様車「リミテッド スタイルエディション」を新たに設定

ざっとこんなところである。

なお、スバルのプレスリリースには「運転支援機能では、『緊急時プリクラッシュステアリング』や『スバルリアビークルディテクション(後側方警戒支援システム)』、『エマージェンシーレーンキープアシスト』を全グレードに標準装備しました」とあるが、これらの機能は以前からすでに全グレードで標準装備であり、今回新たに標準化されたものではない。マニアはそのへんまでちゃんと見ている……と書き進めたところで再度スバルのプレスリリースを確認すると、その部分にはしっかり訂正が入っていた。

2025年7月10日に発表された「スバル・クロストレック」の改良モデル。2024年9月13日に行われた一部改良で「アプライドB型」へと進化したのに続き、今回は「アプライドC型」へとアップデートが行われた。
2025年7月10日に発表された「スバル・クロストレック」の改良モデル。2024年9月13日に行われた一部改良で「アプライドB型」へと進化したのに続き、今回は「アプライドC型」へとアップデートが行われた。拡大
「アプライドC型」へと進化した「クロストレック」のインストゥルメントパネル。「ドライバー異常時対応システム」と「ドライバーモニタリングシステム」との連携強化も行われている。
「アプライドC型」へと進化した「クロストレック」のインストゥルメントパネル。「ドライバー異常時対応システム」と「ドライバーモニタリングシステム」との連携強化も行われている。拡大
今回の一部改良ではボディーカラー展開を見直し、「サンドデューン・パール」(写真)が新色として登場した。初代「スバルXV」の名作カラーであった「デザートカーキ」をどこか思い出させる。
今回の一部改良ではボディーカラー展開を見直し、「サンドデューン・パール」(写真)が新色として登場した。初代「スバルXV」の名作カラーであった「デザートカーキ」をどこか思い出させる。拡大
「アプライドC型」で新設定された外板色「シトロンイエロー・パール」。「スバルXVハイブリッド」に設定された「プラズマイエロー・パール」よりも、黄色寄りのカラーに仕上げられている。
「アプライドC型」で新設定された外板色「シトロンイエロー・パール」。「スバルXVハイブリッド」に設定された「プラズマイエロー・パール」よりも、黄色寄りのカラーに仕上げられている。拡大
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新色導入の陰で廃番色となったのは?

それはさておき、今回の改良で「ドライバー異常時対応システム」と「ドライバーモニタリングシステム」との連携が強化された点は、確かになかなかの改善であるといえる。

具体的には、ドライバーのわき見や居眠りが長時間続いた場合はドライバーに異常が生じたと判断し、ドライバー異常時対応システムが作動するようになった。それに加えて、コーストダウン(惰性走行)やパルスブレーキによる振動でドライバーにさらなる注意を促す機能も採用。またドライバー異常時対応システム作動によるハザードランプ点滅のタイミングを減速制御開始と同時に早めることで、早期に周囲の車両へドライバーの異常を知らせるという変更も行われた。

これと類似するドライバー異常時対応システムを採用するスバル車に乗っている筆者は、幸いなことに、まだこのシステムの恩恵を受けたことはない。だが一寸先は闇なのが人生ゆえ、こういったモノはあるに越したことはないはずだ。

また新色の「サンドデューン・パール」と「シトロンイエロー・パール」もなかなかいい外板色であると感じる。前者は初代「XV」の名作カラーであった「デザートカーキ」をどこか思い出させるナイスカラーで、後者も、2代目XV後期型の「プラズマイエロー・パール」よりも華やかですてきだと思う。

とはいえB型までのイメージカラーであった「オフショアブルー・メタリック」(青みがかったグレー)が廃止され、さらには個人的に好きな「オアシスブルー」(鮮やかなブルー)がなくなったのは残念である。B型で採用された「デイブレイクブルー・パール」(やや渋い青メタ)が一代限りで消滅したのも、寂しいといえば寂しい。しかしこのあたりの「攻めのボディーカラー」は常に流転するのが世の定めというか、自動車マーケティングの定め。是非もなしと言うべきだろう。

2025年3月13日~5月19日までの期間限定で注文受け付けが行われた「クロストレック」の特別仕様車「Limited Sun Blaze Edition(リミテッド サンブレイズエディション)」。「サンブレイズ・パール」と呼ばれる外板色の採用が特徴だった。
2025年3月13日~5月19日までの期間限定で注文受け付けが行われた「クロストレック」の特別仕様車「Limited Sun Blaze Edition(リミテッド サンブレイズエディション)」。「サンブレイズ・パール」と呼ばれる外板色の採用が特徴だった。拡大
「クロストレック」に搭載される「e-BOXER(ストロングハイブリッド)」のメカニズムイメージ。最高出力160PSの2.5リッター水平対向4気筒エンジンと、駆動用および発電用の2つのモーターやフロントデファレンシャルギアなどをひとつにまとめたトランスアクスルを中心に構成されている。
「クロストレック」に搭載される「e-BOXER(ストロングハイブリッド)」のメカニズムイメージ。最高出力160PSの2.5リッター水平対向4気筒エンジンと、駆動用および発電用の2つのモーターやフロントデファレンシャルギアなどをひとつにまとめたトランスアクスルを中心に構成されている。拡大
「アプライドB型」までのイメージカラーであった「オフショアブルー・メタリック」。今回のアップデートで残念ながらカタログ落ちした。
「アプライドB型」までのイメージカラーであった「オフショアブルー・メタリック」。今回のアップデートで残念ながらカタログ落ちした。拡大
鮮やかなブルーが印象的だった「オアシスブルー」のボディーカラーも「アプライドC型」への移行を機に設定廃止色となった。
鮮やかなブルーが印象的だった「オアシスブルー」のボディーカラーも「アプライドC型」への移行を機に設定廃止色となった。拡大

新設定された特別仕様車の特徴は?

そして今回の改良に合わせて登場した特別仕様車「リミテッド スタイルエディション」はどうなのか?

こちらはe-BOXER(2リッター直噴エンジン+モーター)の上級グレードである「リミテッド」をベースとしたもので、ルーフレールやリアガーニッシュなどをブラック基調にするとともに、イエロー塗装加飾付きのLEDフロントフォグランプや、シート表皮とシフトブーツ、ステアリングホイールなどのステッチなどにイエローアクセントを施すことで、スバルいわく「大人の落ち着きのなかに、遊び心を感じるモデルに仕上げました」というものだ。

ちなみにこの特別仕様車だけは、新色である「シトロンイエロー・パール」を選択できない。イエローのボディーとイエローステッチの組み合わせはなかなか攻めていていいと思うのだが、スバルとしては「それはちょっと攻めすぎ」と判断したのだろうか。あるいは、微妙に色味が異なるイエロー2色が組み合わさることのアンバランスさを回避したのかもしれない。

それはさておきリミテッド スタイルエディションの車両本体価格は、ベースとなったリミテッドよりも12万1000円お高い335万5000円(FWD)および356万9500円(AWD)。イエローの差し色などのほか、リミテッドではメーカー装着オプションとなっている「ナビゲーション機能」が特別装着されることも考えれば、まずまず妥当な価格設定といえるだろう。差し色好きな人であれば、検討してみる価値はある。

(文=玉川ニコ/写真=スバル/編集=櫻井健一)

「アプライドC型」の登場に合わせて発表された特別仕様車「Limited Style Edition(リミテッド スタイルエディション)」。「e-BOXER」(2リッター水平対向4気筒直噴エンジン+モーター)搭載の「リミテッド」をベースとしている。
「アプライドC型」の登場に合わせて発表された特別仕様車「Limited Style Edition(リミテッド スタイルエディション)」。「e-BOXER」(2リッター水平対向4気筒直噴エンジン+モーター)搭載の「リミテッド」をベースとしている。拡大
「リミテッド スタイルエディション」のインテリア。シート表皮にイエローアクセントが施されたほか、シフトブーツやステアリングホイール、ドアトリムなどにイエローのステッチを採用している。ベースとなった「リミテッド」ではメーカー装着オプションとなる「ナビゲーション機能」が特別装着されるのも同モデルのセリングポイントだ。
「リミテッド スタイルエディション」のインテリア。シート表皮にイエローアクセントが施されたほか、シフトブーツやステアリングホイール、ドアトリムなどにイエローのステッチを採用している。ベースとなった「リミテッド」ではメーカー装着オプションとなる「ナビゲーション機能」が特別装着されるのも同モデルのセリングポイントだ。拡大
新型「フォレスター」の登場によって少し存在感が薄まったようにも思える「クロストレック」。実際、月間販売目標台数に届かない月も見受けられるが、現行モデルのデビューからここまでは堅実に販売台数を重ねてきている。
新型「フォレスター」の登場によって少し存在感が薄まったようにも思える「クロストレック」。実際、月間販売目標台数に届かない月も見受けられるが、現行モデルのデビューからここまでは堅実に販売台数を重ねてきている。拡大
玉川 ニコ

玉川 ニコ

自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。

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