「ジムニー ノマド」と「ランクル“FJ”」の超人気クロスカントリー対決! あなたはどちらを選ぶべきか?
2026.03.09 デイリーコラムマニアも驚く人気ぶり
それにしても、まさか、こんな時代が訪れるとは。
なんのことかといえば、日本における昨今のクロスカントリー4WDの躍進ぶり。いまSUVが乗用車の中心になっていることには多くの人が気づいていると思うけれど、その主流はモノコックボディー構造に乗用車系のパワートレインを詰め込んだタイプで、口の悪い人に言わせれば「なんちゃって4WD」だ。
……といっても筆者はそれを「けしからん!」と責めているわけじゃない。日本の多くのユーザーはSUVを買っても激しいオフロードになんて足を踏み入れないだろうから、それよりも快適性や舗装路での運動性能を重視した“クロスオーバーSUV”のほうが理にかなっているのは明白だ。健全なクルマ選びといえる。
いっぽうで、高い悪路走破性を備えた伝統的な“クロスカントリー4WD”の市場もすごいことになっている。一般社団法人日本自動車販売協会連合会の新車販売データをみると、“クロカンヨンク”の代名詞ともいえる「トヨタ・ランドクルーザー(ランクル“300”とランクル“250”とランクル“70”の合計)」は2025年通年で4万5515台を登録して小型車/普通車のランキングで20位につけた。人気とは聞いていたけれど、そんなに売れていたとは!
そして次の21位は「スズキ・ジムニー」の軽自動車は除いて「ジムニー シエラ」と「ジムニー ノマド」の合計で4万1366台。軽自動車版も含めれば年間9万1728台も売れたのだから、いったいどうなっているのか?
2026年は「三菱パジェロ」の復活が見込まれ、2027年には「日産パトロール」も国内販売が始まると正式にアナウンスされている。数年前まで「オワコン」なんて言われていたクロカンヨンクに復活の兆しありなのだ。みんな、いったいどこを走るというの?
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同じなようで違うライバル
ところで今年は、新型パジェロの前にもそんなクロカンヨンク市場を引っかき回すことになりそうなモデルの登場が予告されている。トヨタの「ランドクルーザー“FJ”」だ。
同車はすでに概要が公開され、2025年秋のジャパンモビリティショーなどで実車を展示済み。トヨタは発売時期について、公式に「日本での発売は2026年年央くらい」とアナウンスしている。現行ランクルシリーズで最も車体が小さく、最も手が届きやすい価格でリリースされる「いちばん身近なランクル」といっていいだろう。
というわけで今回のテーマは「ジムニーの5ドア仕様であるノマドとランクル“FJ”、選ぶべきはどっちだ」。実はこの2台、ガチンコライバルではないけれど、悩ましくないようで、もしかすると悩ましい選択かもしれない。
まず共通していることから。ボディーは(サイズは違えど)コンパクトな5ドアで、縦置きエンジンにコンベンショナルなパートタイム式4WDを組み合わせて高い悪路走破性を誇る。機械式に直結できる4WDはランクル“300”やランクル“250”にも組み込まれていないアイテムだ。そして、どちらもリアサスペンションはリジッドである。オンロード走行性能は重視しておらず、乗り心地をはじめとする快適性は最優先事項ではない。動力性能……も控えめだ。
いっぽうで異なるのは、まずサイズ。どちらも「コンパクト」といっても、ノマドが全長3890mm×全幅1645mmなのに対し、“FJ”は4575mm×1855mm。比べるとFJは2まわり(いや3まわり?)ほど大きいのだ。となれば後席スペースも荷室サイズも異なり、使い勝手が違う。実用性が高いのはFJだ。
どっちにしても満足できる
また、動力性性能も違う。ノマドは1200~1210kgの車両重量に対して、排気量1.5リッターのエンジンで最高出力は101PS。最大トルクは130N・m。
いっぽう“FJ”の車両重量は明らかになっていないけれど、エンジンは排気量2.7リッターのガソリン仕様で最高出力163PS。最大トルクは246N・mだという。動力性能がより高いのは“FJ”だ(……といっても「速い」というほどではなさそうだが)。
またATしか選べない“FJ”に対して、ATのほかMTも選べるノマドは好事家にとってアドバンテージがあるといえるかもしれない。加えてどうでもいい話ではあると思うけれど、生産国も異なる。インドでつくるノマドに対し、“FJ”はタイ生産だ。
さて、どう選ぶか?
まずは求めるサイズだろう。小さいほうがよければノマドだし、余裕が欲しいなら“FJ”となる。ただ、300万円弱で販売されているノマドに対し、“FJ”は(価格未定だが)「ベーシックタイプでも400万円ほど」となりそうな感触だ(今はタイバーツも高いし)。予算との兼ね合いも選択肢のひとつとなるだろう。
ただ、決め手となるのはやっぱりブランドかも。ジムニーにするか、それともランクルにするのか? ということである。筆者なら……(ナイショ)。
いずれにせよ間違いないのは、どっちも買っても後悔はしないだろうということ。どちらも強い個性があり、満足度は高いに違いない。そして余談というか蛇足だけれど、どっちを選んでもリセールバリューは高いだろう。
(文=工藤貴宏/写真=トヨタ自動車、スズキ、webCG/編集=関 顕也)
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工藤 貴宏
物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。
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