EV損失でホンダが上場以来初の赤字 次世代ハイブリッドモデルは2029年までに15車種投入
2026.05.14 自動車ニュース 拡大 |
本田技研工業は2026年5月14日、2026年3月期の決算説明会および、今後の取り組みについて説明する「2026ビジネスアップデート」を開催した。
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2026年3月に、発売目前だった電気自動車(EV)の開発・リリースを中止し、四輪電動化戦略の見直しを発表したホンダ。このEV関連の1兆5778億円におよぶ損失を計上したことが影響し、2026年3月期の同社の連結決算(国際会計基準)は、4239億円の赤字となった。同社が東京証券取引所に上場して以来、初の赤字である。なお売上高は21兆7966億円で、営業損益は4143億円の赤字だった。
EV関連損失の要因については、三部敏宏社長が「われわれはEVの開発投資を慎重に進めてきたが、該当するEVの開発は、2025年の初頭には“引き返せない状況”にあった」「そこに関税の影響や環境規制の緩和、補助金の廃止などが生じ、止めるか、損失を出しても売るかの二択になったが、将来にまで損失を残さないよう前者の判断になった」などとコメント。「今回の赤字は重く受け止めています」と苦しい表情を浮かべた。
その三部社長は「早く止血をし、今後はなにがあっても耐えられる事業構築を早急につくるのが自らの最大の責務である」とし、四輪事業の今後についても説明した。
まずEVは「今回、新型車の開発・生産こそ凍結したものの、完全に撤退するものではない」と強調。「引き続き日本やアジアなど地域ごとの普及スピードに合った販売を行い、北米でも市場環境や需要を見極めつつ、しかるべき時期がきた際に魅力的な製品を即座に届けられるよう“仕込み”を行っていく」と続けた。
四輪事業については、「そもそも課題の本質はEV化の減速だけにあるのではなく、四輪事業そのものを再構築する必要がある。そのために、コスト減と経営資源の集中投入、競争力のアップを図り、3年をめどに体質改善に取り組んでいく」と語気を強めた。
具体的な方策のひとつは「開発・生産リソースの再配分」で、特にハイブリッド車の開発・投資に力を入れる。2027年からはハイブリッドシステムとプラットフォームをともに刷新した次世代ハイブリッドモデルを投入。Dセグメント以上の大型ハイブリッドモデルも投じる北米を中心に、2029年度までにグローバルで15車種を発売する計画だ。
このハイブリッドシステムでは、現行型「アコード」(2023年)比で30%以上コストを低減させるとともに、効率的にエンジンを使えるエリアを拡大し、ハイブリッドユニットの駆動効率を向上させるなどして、世界最高レベルの効率を追求。発表会では、今後2年以内の発売を見込む開発車両として、「ホンダ・ハイブリッドセダン プロトタイプ」と「アキュラ・ハイブリッドSUV プロトタイプ」が披露された。
ハイブリッド以外のテクノロジーについては、2028年に「一般道や高速道路の区別なく、出発地から目的地までの全経路でアクセルやハンドル操作を高度に支援できる」という次世代ADAS搭載モデルを拡充すると明言。以後5年間で15車種以上に同システムを採用し、ホンダならではの新たな価値を提供するとアピールした。
また、市場としての日本については、北米やインドと並ぶ“注力地域”と位置づけており、2028年に「N-BOX」のEVバージョンを発売するのをはじめ、軽自動車からEVを拡充していくとのこと。そのほか、東京オートサロン2026で披露したHRC仕様「スポーツライン」「トレイルライン」に加え、2027年からはSUVを中心に次世代ハイブリッドモデルを投入。2028年以降、新型「ヴェゼル」も発売するという。
そのほか、「抜本的な原価低減」「徹底的な開発効率化」「環境変化に強い生産体質の構築」といった“ものづくり体質の徹底強化”や、外部の競争力やリソースの戦略的な活用にも取り組むというホンダ。2027年3月期はまだ、EV関連損失の発生額を緻密に見通すことは困難であるとしながらも、2029年3月期には過去最高レベルとなる1兆4000億円以上の営業利益達成を目指すという目標が示された。
(webCG)



































