KTM 990 RC R(6MT)
やっぱりバイクは楽しくなくちゃ! 2026.06.05 JAIA輸入二輪車試乗会2026 今年も開催された「JAIA輸入二輪車試乗会」より、魅惑のバイクを一挙紹介! 先陣を切るのは、この4月に発売されたばかりの「KTM 990 RC R」だ。オーストリアの雄が放つ最新鋭のスーパースポーツは、意外や“速さ”以外にも見どころの多い一台だった。とっつきやすくてフレンドリー
今年も“JAIA”に参加した。大磯ロングビーチのでっかい駐車場を、新しいインポートバイクでグルグルまわるアレである。短時間でどんどん乗り換えられるのが楽しいし、クローズドコースなので気遣いも少なくていい。最高じゃないか……原稿さえなければ(笑)。
そんなJAIA2026での試乗1台目は、KTMの990 RC Rだという。編集部ホッタ氏からの「これでシャキッと目を覚ませや!」の強いメッセージを感じざるをえないが、まったくもって、眠気の抜けない朝イチから乗るマシンではない。チッ。
でもね、ビックリ。これが存外、いやポジティブに乗りやすかった。これだからバイクはおもしろい。
居丈高に見えたシート高はそこまで高くない。背丈172cmの両足の“先”がムリなく着地するし、上半身はしっかりと余裕をもって前傾姿勢をキープできる。「あれ、もしかして意外とオレのほうを向いてくれているヤツなの?」とにわかに浮き足立つ。コンパクトなボディーに加え、車重は184kg(燃料を除く)なので、取り回しも苦にならない。
マキシマムで127.84PSを発生する排気量947ccの並列2気筒エンジン「LC8c」に、いきなりバーンッ! と振り落とされてもイヤなので、手早くライディングモードを「RAIN」に設定。スルスルと発進すれば、その民主的なさまにおじさんライターもニッコリ。「この手のイケイケバイクは、下半身のホールドがとくに大事」と独り言を言いながら、コースを何周かする。これは試乗した後に気づいたことなんだけど、レバーやフットペグには細かくアジャストできる調整機構が備わっている。さまざまな体格のライダーにスッと寄せてきてくれる、フレンドリーな配慮にグッとくる。
「おお、素晴らしいな~」と感心したのはハンドリングの素直さだ。表現がナンだけど、アップライトなハンドル位置+ニュートラルステアのバイクを操ったときの「こりゃ気持ちいいぞ!」の感動と同質のものが、この990 RC Rには含まれている。フロント52.5%、リア47.5%の比率で加重が設定されているシャシーのジオメトリーが功を奏しているのかもしれない。と、それだけのことに勇気づけられてライディングモードを「STREET」に設定変更。これはムリかも、となることを危惧していたけれど、全体がワイルドになっただけで気持ちよさの“芯”は同様に体感できた。4気筒のような天井知らずの回転フィールでないことも、いたずらに恐怖心をあおってこなくていい。
分かっていますよ。自分がこの990 RC Rに潜んでいるパフォーマンスの15%くらいしか解放できていないことくらい。でも大切なのは、自分にとってそこじゃない。「楽しいか、楽しくないか」ということ。そんな身勝手な尺度でジャッジしちゃうと、この990 RC Rは……5台所有できたら1台あってもいいバイクだった。219万9000円のプライスも安い。いや、なんだか偉そうだな。そうじゃないんだけどな。
(文=宮崎正行/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=--×--×--mm
ホイールベース:1481mm
シート高:845mm
重量:約184kg(燃料を除く)
エンジン:947cc 水冷4ストローク直列2気筒DOHC 4バルブ(1気筒あたり)
最高出力:127.84PS(94kW)/9500rpm
最大トルク:103N・m(10.5kgf・m)/6750rpm
トランスミッション:6段MT
燃費:--km/リッター
価格:219万9000円

宮崎 正行
1971年生まれのライター/エディター。『MOTO NAVI』『NAVI CARS』『BICYCLE NAVI』編集部を経てフリーランスに。いろんな国のいろんな娘とお付き合いしたくて2〜3年に1回のペースでクルマを乗り換えるも、バイクはなぜかずーっと同じ空冷4発ナナハンと単気筒250に乗り続ける。本音を言えば雑誌は原稿を書くよりも編集する方が好き。あとシングルスピードの自転車とスティールパンと大盛りが好き。
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